057 中級ダンジョン 19階層5
リュージたちは19階層の4つ目の建物の前にいた。
昨晩はリュージたちは結構飲んで食べてして、よく寝たので、スッキリしていた。
リュージは魔力枯渇になりながら、今朝、モコートさんにコピーしたアイテム袋を渡すことができた。
魔力波形認証は難しかった。魔力の波形を一旦登録したら、その人しか持つことができないといったものではなく、取り出すことができないというものになった。
同じ人が2つ以上持つと言うことに関しては、制限はできなかった。
少なくとも今のリュージには難しかった。
なので、モコートさんの商会の人柄に任せることにした。ついでにモコートさんの商会の人にだけ、10畳の大きさのアイテム袋をこっそり託した。1万個のアイテム袋にはワールドワンの新鮮な魔力を含んだ水袋と日持ちのする食材も入れておいた。
あとは追い追いで、状況を聞いて判断だ。
「さてと、では建物入るぞ。」
リュージたちは4つ目の建物に入った。
予想通りスライムがいた。
しかも3匹だ。
鑑定小
[メタリック スライム]
[ホーリー スライム]
[サンダー スライム]
「マジか。[メタリック スライム][ホーリースライム][サンダー スライム]だ。連携が怖そうなスライムたちだ。何が起きても対応できるように。各個撃破狙いで。」
リュージたちが散開している間に、サンダースライムはサンダーボルトの魔法を撃ってきた。
リュージたちは避けたが、サンダーボルトの怖いところは雷と一緒で 落ちたその周りにも影響を与えるところだ。
金属製の剣や防具にも影響を与える。
「念のために剣は納剣、鎧はアイテム袋に入れろ。ジロー、セラミック刀頼む。」
「ヘイ!リュージさん。」
「わかりました。リュージ様。」
ジローは土魔法で作ったセラミック刀を4つ準備してルイーズ、カミーユ、エマ、イリス
の鬼神族4人へ投げた。
投げたセラミック刀を鬼人族の4人は器用に身をかわしながら受け取る。
刀身はともかく、茎(手で持つ部分)はヤスリ目があるだけなので、4人は銘銘、布やハンカチ、破いたポケット、上着の切れ端を巻いていた。
ジローは手の甲に沿って伸びた「手甲刀」×2だったので、鍔や茎に巻くものは不要だった。
今回のような事態は想定外だった。
『今度、リュージさんに聞いて、普通の刀、作ってみよう。』
リュージはトンファーをコピーして、あちこちに突き刺さるように放り投げた。
避雷針がわりだ。
サンダーボルトなので、うまくいくかはわからないが、ギリだったら、金属製の方にむかうだろう。
ジローたちが準備している間はリュージが3匹を相手していた。
リュージは基本的には革ジャン、黒ジーンズなので、金属は基本的にはないと言っていい。 刀もアイテムボックス刀なので、大丈夫だった。
リュージがトンファーを放り投げている途中、トンファーの一つに落雷した。
リュージは一瞬、吹っ飛んだが、直撃ではなかったので、平気だった。
すると、横合いから、メタリックスライムがリュージめがけて、凄い勢いで突進してきた。
しかも、メタリックスライムは帯電していたため、めっちゃしびれた。
「メタリックスライム、ヤヴァイな。こっちの死角から、物凄い速さで突進してくるわ。エアープロテクション越しでも衝撃がある。」
リュージが思っていたら、再びサンダースライムがサンダーボルトを落としてきた。
直撃は避けたが、すぐ側だったため、帯電した。
「こりゃ、麻痺耐性あっても、きっと雷耐性がないと、麻痺はしなくてもダメージは受けるっていう、そんな感じかな。」
リュージはHPも高いため、ダメージは受けても、HPは殆ど減らない。
リュージはもともと体力は結構ある方で、喧嘩していた時も常に余裕があった。
それが異世界に来て、更に磨きがかかって、人外と思われるようになった。
ジローたちが合流してきた。
メタリックスライムは高速移動してきて、リュージやエマ、ルイーズ、カミーユ、イリスを攻撃してくる。
見えないほどではないが、止まらなく、常に動き回っているので、捉えきれない。
リュージのエアープロテクションは破れないが、関節などの稼働部分は薄いので、狙われると衝撃を受けたり内出血になるだろう。
ジローはサンダースライムに特攻している。
どうやら、土魔法とサンダースライムのサンダーボルトとは相性がジローにとって良いらしい。
サンダーボルトはジローのストーンアームズには帯電せず、ジローは徐々にサンダーボルトスライムを追い詰めて行った。
そして遂にジローは手甲剣で、サンダースライムの核を貫いた。
すると、奥で控えていたホーリースライムが光を放ち、サンダースライムを回復した。
「えっ、核潰したのに、復活するの?」
ジローは呆気にとられていた。
倒したと思ったスライムがアッサリと復活してしまったのが信じられない。
一方で、リュージはムキになっていた。
さっきから、メタリックスライムがリュージとエマ、リュージとイリス、リュージとカミーユ、リュージとルイーズと何度も何度も往復して、小まめにダメージを与えようとしている。
リュージはイライラしてきた。
「うっとおしーわ!!」
リュージはメタリックスライムを手づかみした。
捕らえられたメタリックスライムは高速で移動していたのに関わらず、捕らえられたため、びっくりして、必死でもがいている。
その高速移動していたのはスキルなのかもしれないが、リュージに捕らえられたメタリックスライムはリュージから逃れられない。
リュージも逃そうとしない。
リュージの体が浮くかと、思うぐらいの勢いで暴れる。
メタリックスライムの大きさは小玉スイカぐらいの大きさだが、その暴れっぷりは物凄い。
しかし、リュージのステータスも普通ではないので、リュージがしっかりと手をホールドしたら、暴れる挙動がおさまってきた。
すると、ジローと戦っていたサンダースライムが、リュージとメタリックスライムもろともサンダーボルトを落とす。
リュージもメタリックスライムに気を取られていたので、避けたのだが、手の中にあるメタリックスライムが感電して、ビリビリきたので、思わず手をはなしてしまった。
「うわ、やっちまった。でも、これで決まったな。狙いはホーリースライムだな。」
リュージはメタリックスライムは無視してホーリースライムを狙いにいく。
すると、驚いたことに、ホーリースライムを覆うようにメタリックスライムが被さった。
メタリックホーリースライムになった。
動きは若干遅くなったが、素早い。
リュージではなく、カミーユとイリス、エマとルイーズの間を往復している。
カミーユとエマはだんだんと、往復パターンが読めてきたので、二人で思い切ってメタリックホーリースライムを手づかみした。
ジローは再度、サンダースライムと戦っていた。
サンダーは聞かないが、ライトニングボルトは目をやられるため、地味に目にダメージを受けていた。
サンダースライムは稲光を伴うライトニングボルトと雷鳴を伴うサンダーボルトを使い分けていた。
ジローは目を暗まされたので思いっきりストーンスピアを地面と空中に発生させ、サンダースライムを攻撃した。
「ポチャランッ…」
サンダースライムは再び核を突かれ、倒された。
カミーユとエマは二人でメタリックホーリースライムを鷲掴みにした。
メタリックスライムはホーリースライムにかぶさっているので、うまく力が入らないようだ。
リュージが手づかみした時より、暴れっぷりが少ない。
横合いから、イリスとカミーユが刀で、メタリックホーリースライムの核を突いた。
ホーリースライムは
「ポチャラン」
といった音を立てて、小さくなった。
メタリックスライムは一旦、ルイーズとエマの手から逃れたが、それを見逃すリュージではない。
アッサリ捕まえると、核を潰した。
スライムたちはしばらくするとドロップに変わった。
[メタリックスライム]のドロップ
・メタリックオイル
・軟質メタル
・魔鉄
・素早さの種
[サンダースライム]のドロップ
・[レジストサンダー]のスキルボール
・避雷針
・雷の精霊石
[ホーリースライム]のドロップ
・聖の精霊石
・回復の雫
・ピュアスライムオイル
イベントリ鑑定
[メタリックオイル]
・金属製品の潤滑油として使われるオイル。金属と金属との摩擦を減らすことができる。
[軟質メタル]
・普段は軟質だが、ある一定の魔力を流すと硬質化する。硬質化したあとは軟質化することはない。レア。
[魔鉄]
・他の金属と混ぜて使用することにより、色々な特質を示す。汎用性が高い。
[素早さの種]
・食べると素早さが1、上がる可能性を秘めた種。激レア。
[レジストサンダー]のスキルボール
・雷耐性が上がるスキルボール。必ず上がるものでもないので注意。レア。
[避雷針]
・雷を避けることができるアイテム。
[雷の精霊石]
・雷の精霊が宿るとされる石。雷の属性を持つ。雷系の魔法を使用の際、上昇補正効果がある。激レア。
[聖の精霊石]
・聖の精霊が宿るとされる石。聖の属性を持つ。聖系の魔法を使用の際、上昇補正効果がある。激レア。
[回復の雫]
・復活薬の材料とされる雫。
[ピュアスライムオイル]
・ピュアなオイル。飲用可能。調理に使っても良い。
精霊石の別の種類が出たな。ピュアスライムオイルは使えそうだな。
レジストサンダーはありがたいわ。
そんな風にリュージはドロップを見て思った。




