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050 中級ダンジョン攻略7

リュージたちは17階層の4つの建物の最後の建物に向かっていた。

エアーフライングバイクは余りのスピードに、もはや普通の形状では耐えきれなくなっていた。

空気抵抗もさることながら、低空で飛行すると、木や草、舞い上がった土煙が、大変なのである。

そこで、新幹線のように流線形に整形し直した。

空気抵抗はかなり緩和した。

空中を飛べばいいのでは?と思うかもしれないが、やはり、バイクなので、せめて地上近くを走りたい。

幸いにも、不人気なのか、冒険者もいないようだ。


ダンジョンで、バイクで爆走とか、なかなかない光景である。

リュージは風を受ける感じも好きなのだが、ここはダンジョンでもあるので、それに関しては我慢した。


十数分で次の建物に到着した。


リュージたちは建物の中に入る。

すると、数十匹目のミノタウロスが待ち構えていた。



鑑定小

[ミノタウロス] ×約30


鑑定小

[タイラント ミノタウロス]×1



「ミノタウロスだ。内一体が[タイラント ミノタウロス]だ。背格好が似ているから、見分けにくい。おそらく、強い個体がタイラントだ。」


「わかりやした。リュージさん。」


建物に入るなり、戦闘は開始された。

リュージは鑑定小で鑑定した個体をジローたちに示すために、[タイラント ミノタウロス]にまず、向かう。

見た目はミノタウロスだが、やはり、動きそのものが、違った。

力強く、機敏だ。


「あいつだ。」


リュージはそう言うと、タイラントミノタウロスにエアーフライングナイフで傷をつける。

すると、傷が瞬く間に回復していく。


「おー、タイラントミノタウロスは回復するスキル持ちだ。 しかも、回復が結構早い。」


言っている間に、タイラント ミノタウロスはほかのミノタウロスと混じる。


『うーん、どうしたもんか。全部、倒してしまえば簡単なんだが、何が目印になるようなものがつけれれば、いいのだが…。傷とかは回復する。何か旗みたいなものを頭に突き刺すか? それも、抜かれて回復されれば、一緒か。 うむ、じゃアレだな。」


リュージはイベントリから、さっきドロップした[黒い染色液]を取り出した。

ダークミノタウロスからドロップしたアイテムだ。

リュージはタイラントミノタウロスを再度、鑑定して特定すると、素早く近寄って[黒い染色液]を頭部にかけた。

染色液はかけたらあっという間に乾燥して、タイラントミノタウロスの頭部を黒に染め上げた。


タイラントミノタウロスは攻撃ではない液体をかけられて一瞬止まったが、すぐに群れの中に隠れた。

隠れたと思っているのはタイラントミノタウロスだけだった。

もともとミノタウロスは赤黒い体躯をしている。

タイラントミノタウロスも赤黒い感じだったが、今は頭部だけが黒い、目立つミノタウロスになっている。


鬼人族とジローのおかげで、ノーマルなミノタウロスは数匹倒されている。

まだ、1桁程度だが、戦いが始まって数分しか経っていないことを考えると、かなりなペースだ。


「黒い頭している奴がタイラントミノタウロスだ。仲間の隙間から、強襲してくるから、気をつけろ!!」


ジローたちは軽くだけ頷く。

戦いの最中に口を開けて喋ることは、実はあまり良くない。

ボクシングがいい例で、人間は踏ん張る時に口を強く噛みしめる。

ボクシングは力が入るように口を噛みしめることができるマウスピースを口に咥える。

パンチやキックなど、力を込める時は大概そうだ。

口を開けたまま、パンチを打っても、本当の力は出ないらしい。

防御する時も、攻撃があらかじめ当たる箇所に力を込める。

仮に腹にパンチを受けると、内臓の空気が圧縮されて、気管を通って口に抜ける。

その際には、口を開けて圧縮を逃すとも言われている。

この時は、力が抜けている状態。

逆に力が腹に入っている間は、口を開けずに耐えることができる。

ジローたちはそれを知っているので、不用意に口を開けて喋らないと言うわけだ。

頷く際にもモンスターに対して勿論、目線を切らさない。


ジローたちは、ミノタウロスを倒していく。

戦法は鬼人族が4人で前線に出て、ジローが後ろで補助役をやる感じだ。

ジローが土魔法でミノタウロスの隙を作り、隙ができたら、鬼人族が順番に攻撃する。

鬼人族が4人で敵が余る場合は、ジローのストーンウォールで時間稼ぎして、数秒留め置きする。

最近では[ストーンスワンプ]なるものも習得した。

いわゆる、泥沼だ。

完全にストーンではない気がするが、本人が納得しているので、よしとする。


ジローはストーンウォール、ストーンスワンプで時間稼ぎ、隙を作り鬼人族に攻撃させると言った、中々の活躍である。


リュージはタイラントミノタウロスを警戒していた。

事故が起こらないように見張りつつ、ミノタウロスを屠っていく。

リュージはエアーフライングナイフを降らせて、勢いを削ぎ、アイテムボックス刀で、トドメを、刺していった。

リュージはこれまでは、基本的にはステゴロ勝負が多かったために、刃物を使った戦いはあまり無かった。

異世界に来てから、本格的に刃物を使うようになったが、相手がモンスターなので、忌避感は全くない。

しかも、ダンジョンモンスターなので、グロいものも見なくて済む。

ひさびさに思い出したかのように、リュージはイベントリからあるものを取り出した。

武器屋で手に入れたナックルである。

今の自分がミノタウロスを腹パンしたら、どうなるだろう?と言う単純な疑問だ。

ステータスが上がった今の自分なら、ミノタウロスともタメはれるのでは?

そんな風に思ったからだ。


リュージはミノタウロスの攻撃を避けて、ミノタウロスを腹パンする。

すると、ミノタウロスは体をくの字以上に曲げて、数十メートルぶっ飛んでいった。

口からは大量の液体を噴き出していた。

エアーフライングナイフで血みどろになり、速度の落ちたミノタウロスはヨロヨロとしていた。

そんな時にリュージから腹パンを次々とくらい、吹っ飛び、絶命していった。

たくさんいたミノタウロスだが、リュージたちはタイラントミノタウロス以外をついに倒しきった。

タイラントミノタウロスはリュージの強さを目の当たりにして、飛び出して戦おうにもすぐに反応されるため、数発攻撃したら退却を繰り返していた。

そのため、リュージたちに実質的な被害は出ていない。

リュージはタイラントミノタウロスをどう倒すか、考えていた。


『やっぱり、いくら回復が早くても、バラバラにしてしまえば、アメーバやプラナリアじゃないし、さすがに倒せるだろう。』


「タイラントミノタウロスは、バラバラに斬りふせる!」


リュージは素早く言うと、タイラントミノタウロスに一瞬で近寄る。

近寄り、アイテムボックス刀を振り回して、タイラントミノタウロスを切り刻んだ。


「ごぉーーーーがががががっっっっっぁぁぁぁー!!!」


回復能力があり、強敵と思えたタイラントミノタウロスは倒された。

しばらくすると、タイラントミノタウロスとミノタウロスはアイテムをドロップした。


ミノタウロスのドロップ

・上級魔石4


タイラント ミノタウロスのドロップ

・リジェネレーションの軟膏

・ミノタウロスの肉

・上級魔石5



イベントリ鑑定

[リジェネレーションの軟膏]

・塗ると傷が徐々に治る。失った筋肉組織や血液細胞も、少しずつだが回復する。

ただし、治るまでは定期的に塗る必要がある。



「ほぉー、中々なドロップだ。レアな気がする。」


「定期的に塗ると言うところがネックですね。量がないから、一人分ぐらいでしょう。」


鬼人族の一人は言った。


最後の建物だったが、階段は出なかった。

リュージは他の建物に設置したエアースコープをチェックした。

すると、1つ目の建物に階段が現れた。

リュージは知らなかったが、モンスターを倒してから、時間経過してから、階段が出現するケースもあり、この場合がそうだったようだ。

リュージたちは1つ目の建物に、エアーフライングバイクではなく、ワールドワンを経由して戻った。

そして、18階層に降りる階段を降りていった。

英語をカタカナにするのって難しい。

しかも、アメリカ英語とイギリス英語と発音違うし。

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