047 中級ダンジョン攻略4
リュージたちは3つ目の建物に向かって[エアーフライングバイク]を走らせていた。
「エアーバイクってフィットネスのバイクみたいっすね。」
というジローの言葉を聞いて、リュージも何となくイメージしてしまったから、改名だ。
3つ目の建物にはモンスターはいなかった。
代わりに階段があった。
「モンスター、倒さなくてもここにくれば、正解でしたっすね。」
ジローは言ったが、まぁ、ここに階段があることはここに来ないと分からなかったわけで、結果論である。
ジローが階段を降りようとしたら、リュージがとめた。
「待て、ジロー、最後の1つ、気ならないか?ここにくれば階段があるのはわかった。じゃぁ、残った1つはおそらくモンスターがいるんじゃねーか? 残った一つのモンスターが何か見ときたくねーか?」
「さすが、リュージさんです。自分も見たいです。残ったモンスターの存在、想像していませんでした。」
「リュージ様のおっしゃる通りです。目的はレベルアップですので、早く進むことではありません。私たちにも異存ありません。」
「わかった、ありがとう。残った建物に向かおう。」
リュージはそう言って[エアーフライングバイク]を出した。
残った建物に向かって走り出した。
途中、オアシスがあったので、少し休憩した。
[ワールド ワン]に戻れば、いくらでも美味しい水や紅茶、食料もあるのだが、一旦[ワールド ワン]に戻ると、せっかくのダンジョン探索の雰囲気が壊れるとの意見があり、なるべくダンジョンで休憩やお昼をするようにすることにした。
ジローが人数分の椅子と大きなテーブルを土魔法で作った。
もはや、ジローのストーンクリエイトで作るテーブルや椅子はかなりのレベルである。
ほぼ、セラミックに近いので、硬度、強度もかなりのものだ。
リュージとジロー、鬼人族は持ってきたお茶とお湯を取り出し、ティーブレイクとした。
モコートさんからスイーツの差し入れも貰っていた。
王都で人気の焼き菓子らしい。
「ダンジョンのオアシスで、優雅にティーブレイクとはなかなか得難い経験だな」
とリュージは思った。
最後の建物の中に入ると、やはりモンスターがいた。
鑑定小
モノケロース
『またもや、ファンタジー!! ユニコーン?一角獣じゃん。』
「モノケロースだ。デカい角に注意だ。」
「了解っす。」「了解です。」✖️4
6人は素早く散開した。
モノケロースは1匹だったので、周りを取り囲む形だ。
一人が攻撃を受けている間に、周りがダメージを与えるという、オーソドックスなスタイルだ。
しかしながら、モノケロースは急に突進してきて、頭のツノをブンブン振り回すので、なかなか、厄介だ。
動きも雑だから、読みにくい。
急にポップしたり、旋回したり、走り出したり止まったりして、とにかく忙しない。
鬼人族も、攻め倦ねている。
攻めは突進、角ゴリゴリのくり繰り返しなので、単調なのではある。
「ジロー、突進した時、止めてくれ。」
「ヘイ、リュージさん」
ジローはモノケロースの包囲メンバーから外れる。
そして、タイミングを合わせて、ストーンウォールを出す。
「ストーンウォール!」
「ドッッッッゴゴゴゴゴゴゴゴコーーーーーーン!!!!!」
大きな音を立ててモノケロースはストーンウォールにぶち当たった。
「グァーヌェェエーーーーィ!!!!!」
モノケロースは呻き声を上げた。
瞬間に、鬼人族がモノケロースに、殺到した。
リュージも倒しに向かう。
リュージが最初に狙ったのは角だった。
一番のモノケロースの武器である。
リュージは頭の付け根から綺麗にツノを分断した。
鬼人族は足のアキレス腱などを切断にかかる。
「アガアガアガガガガッッッッグァーヌェェエーーーーィ!!!!!」
モノケロースは倒れた。
かなり悲痛な叫び声だった。
しばらくするとモノケロースはドロップ品に変わった。
モノケロースのドロップ
・モノケロースの角
・モノケロースの肉
・黒色の宝玉
・上級魔石2
モコートさんによると、貴族は蓄財に金貨とかではなく、宝玉を使うことが多く人気がたかいとのこと。
プラチナ貨より価値が高く、見た目も美しいため、高価で取引されているとのことだった。
「モノケロースの肉はうまいのかな?」
リュージは宝石には構わず、焼肉にした時のモノケロースの肉を想像した。
最後の建物のモンスターを倒したので、先ほどの階段のあった建物に向かう。
3つ目の建物の中に入り、階段があったので、降りようとした。
「待て、ジロー、あそこ、隠し扉が開いている。」
リュージが指し示したところを見ると、さっききた時は壁だったところが、よく見ると、開いている。
開いているのは僅かで、よく注意して見ないと、わからないぐらいである。
「リュージさん、入って見ますか?」
「勿論、イエスだな。入ろう。」
リュージたちは小さな隠し扉の中に入った。
念のため、鬼人族には外で待機して貰った。
隠し扉の中には小部屋があり、背の高いリュージにとっては身を屈めないととてもじゃないけど、入らなかった。
「かなり窮屈だな。」
リュージは言いながら入った。
ジローは余裕だった。
「リュージさん、宝箱ありました。あそこです。」
「これ、どー考えても罠だよな。宝箱取ったら扉が閉まるとか、天井が崩れるとか、結構やばめな気がする。」
リュージは小部屋を一旦出る。
そして、その場で唱える。
「ディメンションワールドワン!」
出入り口を設定した。
そして再び小部屋に入る。
「ジロー、もし、天井が崩れた時の為に、土魔法でこの小部屋全体に、小部屋作れるか?」
「おおー、さすがリュージさんですね。できます。やれます。やります。」
「ストーンクリエイト!」
ジローは早速、この小部屋全体を内側から覆うような感じで、小部屋を作る。
「セィフティハウスより全然簡単でした。かと言って、ヤワじゃありません。めちゃ硬いっすよ。この部屋。」
リュージが再び唱える。
「ディメンションワールドワン!」
「よし、ジロー、大丈夫だとは思うが、宝箱取ったら、ディメンションワールドワンに一旦入るぞ。宝箱自体小さいから、毒霧や毒矢の類は無いと思う。」
「ヘイ、リュージさん。」
リュージは宝箱を開ける。
中には宝石や宝玉が30個程、入っていた。
「ほぉ、纏まってこの量は初めてだな。なかなか壮観だ。」
リュージは宝箱を閉めて、宝箱ごと持とうとする。
すると、小部屋の入り口が閉まった。
「扉が閉まる罠だったか。良く考えたら、扉が閉まる罠なら、入り口につっかえを空間魔法で作っとくのもアリだったな。」
リュージとジローは宝箱を手に持って、[ワールドワン]に入る。
小部屋の出入り口は極小にしておく。
そして再び、小部屋前に開けた出入り口から、ダンジョンに戻る。
「宝石や宝玉だったよ。あとで分けよう。」
鬼人族は声を荒げることこそしなかったが、表情が女子高校生のように可愛らしく、宝石や宝玉を見て、目を輝かせていた。
リュージは宝箱をイベントリにいれた。
この階層の罠はモンスターを全て倒す、隠し部屋を見つける、小部屋を何らかの方法で出る。
こんな罠だったようだ。
罠と言うより、謎解きか、或いは宝箱を手に入れるための手順だったのかもしれない。
「よし、じゃぁ、改めて下に降りよう。」
リュージはそう言って17階層に降りていった。
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