044 中級ダンジョン攻略1
10階層を突破したリュージたちは、当然ながら11階層を突き進んでいた。
ロケーションはこれまでの森林と荒野のロケーションと違って、洞窟だった。
実はこれが結構厄介で、洞窟内は迷路になっており、なかなか、思った通り進めない。
途中、罠も仕掛けられており、ある程度罠のパターンを知るために、わざと罠に掛かったりした。
罠のパターンとしては
・落とし穴で、下に鋭利な刃物や岩がある。
・壁から武器が飛び出してくる。
・飛び石になっており、落ちたら酸に犯される。
・上から、大きな岩が落ちてくる。
・岩と岩に挟まれる。
・突然、暴風が吹いて、飛ばされる。
・上から、液体が落ちてくる。
・壁が出てきて、パーティーが分断される。
・下から鋭利な棘が出てくる。
・モンスターハウスになっている。
・宝箱を開けると、毒霧が吹き出してくる。
・スイッチを踏むと横合いから炎が吹き出す。
・宝箱を開けると、鋭利な尖ったものが突き出してきて、毒が塗ってある。
上記の罠のバリエーションパタン。
・宝箱を開けたら毒霧ではなく、麻痺霧が吹き出してくる。
・飛び石になっていて、下は酸液、横から突然突風が吹いてくる。
・上から液体が落ちてきて、避けたところに下から鋭利な棘が出てくる。
流石に、転移するとか、即死系のものはないが、罠に掛かったりしたら、軽傷から重症にはなるだろう。
リュージたちは初級ダンジョンにはなかった罠に戸惑う。
エアーブリッジを歩けば、何ら問題ないのだが、今後のことも考えて、敢えて罠にかかるようにしている。
すると不思議なことに、どこに罠があるかと言うことが、だんだんとわかってきた。
リュージもジローも、鬼人族もレベルアップしており、身体能力が上がっていることもあり、視力や注意力といったものも上がっているようだ。
よく見ると、岩の色が違っていたり、宝箱を開ける時に、毒霧や麻痺霧が出てきそうな噴射口がわかったりした。
11階層から15階層は罠だらけで、たまにいるモンスターは、モンスターハウスになっており、その時はストレス解消とばかり、モンスターを倒しまくった。
おかげで、罠を見破る経験値を稼ぐことができた。
見破れたとしても、解除して進むというより、リュージたちはそれぞれに適応した、処置をとった。
罠というより、ロケーションが厳しいと思う、飛び石は普通に気をつけて渡った。
途中、突風がくるタイミングで、踏ん張った。
宝箱は噴射口を塞いだり、突起物が出てくるところには予め、注意して開けた。
宝箱は、見かけると、開けたくなるものである。
これは仕方ない。
目の前に気になる宝箱があり、未知のものが入っているとなれば、誰でも開けるよね。
上から落ちてくる系は、リュージのエアースキャホルドと傘を使って、最初は防いでいたが、慣れてきたら咄嗟のことでも、対応できるようになってきた。
分断系だけは、その後のパーティー構成に関わるので、基本的には、リュージのアイテムボックス刀で岩を切り裂いたり、ジローのストーンクリエイトで穴を開けたりして、合流するようにしていた。
もし、完全に分断された場合は、基本的にはリュージがいない方は極力動かず、じっとしているルールにしてある。
リュージは空間把握能力に優れ、エアーサーチもあるため、例え分断されたとしても、相手の位置を特定することができる。
ただし、障害物があると、精度は落ちる。
初級ダンジョンでも、砂の中にモンスターがいる場合は、探知できなかった。
その後、レベルアップはしているので、多少の障害物があっても、距離が近ければ、探知できるようになっていた。
「よし、この辺でお昼にしよう。」
リュージは15階層に到着してしばらくしたところで皆に声をかけた。
早朝、出発して、ボスを倒してから5階層進んだが、お昼時間はとっくに過ぎていた。
8時間近く、ずっと動いていた計算になる。
リュージはディメンションワールドを唱えて[ワールド ワン]に繋ぐ。
今日は6人での行動だったので、お昼係はいないはずだった。
しかし、セイフティハウスからはいい匂いが漂っている。
リュージだけはわかっていた。
リュージはディメンションワールドをエロイムのモコートさんのお店の事務室に繋いでいる。
出入り口は、わからないようにしてあるので、普通の人にはわからない。
また、出入りする時、リュージには誰が出入りしたかわかるようになっている。
出入したのはモコートさんとトコートさんだ。
二人には[ワールド ワン]のことは話してある。
出入は自由にしていいと言ってあるので、入ってきたのであろう。
いい匂いが漂っているのは、きっと、モコートさんとトコートさんが気を使って、料理をしてくれたのだろう。
セイフティハウスに入ると、8人分の食事ができるようにセッティングされていた。
「お帰りなさいー♩」「お帰り〜♩」
モコートさんとトコートさんが出迎えてくれた。
「ただいま〜♩」✖️6人
出来上がったばかりの料理は熱々だった。
野菜と肉の炒め物、小麦を使った麺と出汁の煮込み、生野菜、などなど。
モコートさんとトコートさんは料理上手なようだ。
見るからに美味しそう。
「食材があったから、少し勝手に使っちゃった。」
「構わない。今後、もし作ることがあったら、遠慮せず、使ってくれ。食材はたくさんある。あり過ぎて困るぐらいだ。畑にもまだある。あぁ、そうだ。モコートさん、チルドのスキルボールがあったら手に入れて欲しい。」
「わかったわ。数日待ってくれたら、目処が立つと思うわ。」
「あぁ、それと、隣町の[サトゥ]と繋がったんだけど、どこか扉をここのお店のように設置できるところある?」
「あるあるあるあるあるあるあるあるぅーー。」
トコートさんが寄ってきた。
「あるよ。ウチの[サトゥ]にあるお店ー」
「へぇー、トコートさん、お店もちだったんすかー!」
珍しく、ジローがトリップせずに、トコートと会話していた。
「持っているよ。[サトゥ]だから、土地は安いし、広いよ。少し中心よりは外れるけど、なかなかいい店よ。」
「リュージさん、良ければ是非、ウチの店に扉を開通させて欲しいわ。一応、従業員はいるけど、お店と事務所とプライベートスペースは別だから、大丈夫だと思うわ。」
「うん、わかった。トコートさんのお店はどの辺り?」
リュージはトコートにディメンションワールドの出入り口として設定したエアースコープを覗かせる。
勿論、[サトゥ]のものとして渡したエアースコープだったが、どうやら間違えて違うものを渡してしまった。
「リュージさん、ここどこですのーー?」
「トコート、どうしたの?[サトゥ]は私の方が詳しいわ。」
モコートもエアースコープを覗き込む。
「えっえええっーーー!!!り、り、リュージさん、これは王都ではないですかー!」
「一体、いつ行かれたのですか?」
「えっ、そんなとこ、行ってないけどぉ?」
そう言いつつ、リュージもモコートが覗いている、エアースコープを覗く。
「あぁー、ここは間違えて行った遠くの街だ。大きそうだったから、一応、取っておいただけだ。王都だったのか?」
「えぇそうです。王都なら、私の叔母がいるので、そこの倉庫やお店なら出入り口が設置できるかも知れません。」
「じゃぁ取り敢えずその辺の交渉はモコートさんに任せるよ。勝手に一旦こっそりとそこに設置しちゃおう。移動させるね。指でナビゲートしてね。」
リュージはそういうと、エアースコープを移動させた。外見は小さな拳大のエアースコープは透明なので、ある程度の上空を飛んでいればわからない。しかし、地上に降りたら、それはわからない。
なるべく上空を移動して、モコートの叔母の倉庫に移動する。
モコートのナビゲートに従って、リュージはエアースコープを移動させて、遂には倉庫にたどり着いた。
大きな倉庫だ。
「ここは普段は使われていなくて、一族でも、叔母さんと私たちしか知りません。ここなら、使っても文句は言われないでしょう。一応、王都に来たので、何かしら、していこうとは思います。」
「取り敢えず、ここに設置する。」
と言うとリュージは一旦。、王都側に出て、出入り口を設置する。
見えないように、細心の注意を払う。
そして、別の出入り口を開いて、上空に飛ばしておいた。
「よし、これでよし。」
リュージはそういうと[ワールド ワン]に戻った。
戻ったら、トコートさんが、今か今かと待ち構えていた。
「リュージさん、今度は[サトゥ]をお願いします。」
と言うことで、同じくサトゥにも設置して、また別のエアースコープをサトゥの上空に飛ばしておいた。
一連の流れを見ていた鬼人族は、リュージの動きを待って、声をかけた。
「リュージ様、王都と繋がったとお聞きしました。」
「うん!繋がったよ。」
「本日は、ダンジョン探索は続きますよね?」
そう言われて、リュージは久々に女性に関する、超感覚が蘇る。
「いや、今日は時間的に結構やったから、明日でいいかと思っている。」
そういった瞬間、鬼人族は王都に続く、出入り口から、出て行った。
「暗くなるまでには帰れよー」
リュージはそう声を掛けて見送った。




