036 ディメンションワールド開拓4
セイフティハウスに入ったリュージたちは早速、鬼人族の4人に、買ってきた家具と魔道具を出して見せた。
追手問題が解決するまでは、当面、ここに住むことになりそうなので、環境整備だ。
鬼人族たちは、次々と出される家具に「あぁ、素敵、いいわぁー。」とか「センスがあるわー。」とか「わー。」とか「きゃー。」とか言っていた。
リュージが出した家具はトコートさんプレゼンツだ。
カーテンや布団、布団カバーは数種類用意した。取り替え用だ。
ソファやテーブル、飾りテーブル、棚、姿見、洗面台、など設置。
クッションや絨毯、テーブルクロス、花瓶、などの小物も取り揃えた。
便利な魔道具もラインナップ豊富だ。
特に衣類を入れたら、汚れを取り除いてくれる魔道具は、鬼人族に非常に喜ばれた。
どうやら、洗濯がなかなかできなかったようだ。
拡大コピーして4台設置しておいた。
鎧も入る大きさだ。
キッチンに設置したチルドの魔法のかかった保存庫はルイーズの提案で、大きくして2分割した。一方を氷魔法で作った氷を入れて、さらに効果を高めた。
闇魔法のバキュームの魔法が付与された、非常に珍しく高価な掃除機のような大型スティックは、吸い取られたゴミがどこに行くのか不明だが、使えそうなので、リビングに置いておいた。
もっとも喜ばれたのは、魔力を流すと[ディサセンブリィ]の魔法と[デオドランス]の魔法がかかり、水分とそれ以外のものに分解してくれるトイレだ。
水分は配管を通り水として処理。
それ以外は別タンクにたまり、堆肥となる。
消臭もしてくれるのはありがたい。
鬼人族にはスキルボールの[ダンジョンセット]をLV10MAXまでインストールして貰ったから、プチウォーターの魔法も使えるようになった。
つまりそういうことだ。
ジローに言って、セイフティハウスも少し改装した。
基本はストーンなので、家具を入れたりするスペースが半端だったりしたので、ウォークインクローゼットにして衣類は纏めて収納した。
ベッドルームも4人1部屋だったのを1人ずつ分けた。
ひとしきり、セイフティハウスの中の整備ができたので、外の整備に取り掛かった。
ジローに言って貯水タンクは少し高い位置に作ってもらい、セイフティハウスの中に高低差で入るように配水設備を整備した。
リュージのイベントリにある水をたっぷり入れたので、しばらくは大丈夫だろう。
次にリュージが出したのは、フェイムの農場で手に入れた農作物だった。
大量に仕入れたので、出すのも一苦労だ。
たた、今回はリュージのディメンションワールド中ということもあり、イベントリから、バシバシと出していった。
農場長の配慮で、土も大量に貰ってきたので、作物用のスペースも広く大きく使った。
農場長のアドバイスによると、魔石を地中に入れておくと、成長も早く、土地が安定するとのことだったので、リュージはイベントリにある魔石を地中に「これでもか!!」というぐらい、大量投入した。
イベントリの中の小中級魔石を許す限りコピーして、地中に埋めた。
その結果、最近はあまりなっていなかった魔力枯渇になった。
しばらく休んでまたコピーして枯渇を繰り返したが、全ての作物を無事土地に移すことができた。
余談ではあるが、翌朝、畑は一夜にして、全ての作物が一気に豊かな実りをもたらすことになった。
魔素の過剰摂取である。
リュージたちが、収穫に追われることになることは、今は知らない。
その日の夜、鬼人族の4人とリュージたちはミーティングを持った。
今後の方針を決めるためだ。
鬼人族は姿を24時間変えられるので、取り敢えずは見せかけは、安心だ。
モコートさんの店から手に入れた[隠蔽 中]のスキルボールと[誤認識 中]のスキルボールもインストールしたため、[鑑定 大]のスキル持ちでない限りは大丈夫だろう。
[鑑定 大]のスキル持ちは激レアだ。
『万全を期するなら[隠蔽 大]のスキルボールと[誤認識 大]のスキルボールが手に入れれそうならしたいな。』
『後は、その貴族の子弟の問題が何とかならないと、根本的な解決にはならないのか。』
「よし、みんな聞いてくれ。まず、このディメンションワールドを鬼人族4名の隠れ家 兼 俺とジローの拠点とする。名前がないから仮に[ワールド ワン]とする。」
「あと、スキルボール屋のモコートさんの協力で、この[ワールド ワン]とスキルボール屋が出入り可能となった。スキルボール屋はエロイムの街に繋がっている。勝手口の鍵も預かっているので出入りは自由だが、鍵は鬼人族1、俺たち1にしとく。その内、隣町や王都にも行って、移動範囲を広げようと思っている。」
「セキュリティ面も考えて、元々最初に開けた南西の森の入り口とスキルボール屋の入り口とここ[ワールド ワン]は、仕切りを入れて出入りを制限する。と言っても、見えない扉を設置するぐらいだから、知っているものだけが、その位置を特定できることにする。南西の森に出て、魔物を狩ってもよし、街に出て買い物しても良しだ。あぁ、それで思い出した。サイムのダンジョンでドロップしたものを売ってきた。現物はまんま残ってはいるから現物分配希望なら後で、希望聞く。取り敢えず、鬼人族にはドロップを売った半分を渡しとく。」
と言ってリュージはプラチナ貨45枚の約半分23枚を渡そうとした。
「いえ、リュージ様、それは拒否します。リュージ様には私達の隠れ家を用意して頂きました。家具や魔道具も取り揃えて頂きました。私達が合流したのは25階層からです。そこからのドロップでさえ、リュージ様たちがかなりの割合で倒しています。私達は受け取れません。寧ろ、今回は私達の隠れ家のために、かなりの散財をさせてしまったと思っています。流石に今回は遠慮させて下さい。」
「真面目だなぁ。俺は細かいことは気にしない。今日、購入したものは、俺が必要かな?と思うものを適当に買ってきただけだから、不足分はサイムの街に出て、適当に買ってきてくれ。今後、鬼人族の4人にはパーティーとして、俺たちと頑張って貰うつもりだ。今から話す内容は後で話そうと思っていたが、先に話す。例の貴族問題に関することなのだが、貴族問題は鬼人族のレベルアップをすることで解決することとする。あらゆる冒険者、貴族、軍にイチャモンつけられても、頭抜けた強さで跳ね除けることにする。具体的には中級ダンジョンに挑戦する。これは俺とジローの今後の予定と合致する。どうだろう?この提案? 強制はしない。 ここ[ワールド ワン]の拠点維持も必要だから、ここでの作業を手伝ってくれても全然問題ない。」
「リュージ様、もっと私達には強制して下さい。リュージ様には身も心も捧げているつもりです。リュージ様がそうおっしゃるなら、きっとそれが最良の方法だと思います。私達も、リュージ様のパーティーに入れて貰う時に、もっとお役に立てるようにレベルアップはしたいとは思ってました。レベルアップは私達の意図とも合致します。拠点維持も致します。私達は4人いますので、何なら交代でパーティーを入れ替えるでも構いません。」
「わかった。お前らの決意は尊重しよう。パーティーの編成は追い追い考えよう。本当は、貴族問題はその貴族を直接叩けばいいのだか、情報不足だ。俺たちには敵を倒す手段はあっても、情報を的確に収集する手段は今はない。これも今後の課題だろう。それではパーティーを組む、そしてレベルアップをする、ここまではOKだな。とすると、パーティーとして、装備や生活環境の整備は必要だ。ドロップは今後取り敢えず俺が管理する。鬼人族には4割をジローと俺には2割、残りはパーティー資産とする。必要経費はここから捻出する。今後パーティー人数が増えることもあるから、その場合はその都度調整する。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「まぁということで、4割を支給する。今回は必要経費を引いた残りの4割としよう。これなら受け取れるだろう?」
「まだ、本当は過分と思いますが、これ以上、リュージ様のお心を痛めるのは、私達も本望ではありませんので、受け取ります。」
リュージはプラチナ貨の入った皮袋を鬼人族のルイーズに渡す。
ルイーズは受け取ると中身を見て、驚いていた。
明日、鬼人族には街に買い物をしに行って貰おう。
女性ならではの買い物もあるだろう。
今まで、拠点といったものがなかったため、買い物も控えていたらしいから、たくさん買えばいい。
リュージはそう思った。
その後のミーティングで、今後の行き先と[ワールド ワン]の整備、パーティー編成などを話しあった。
行き先は[アジンズの中級ダンジョン]にした。中級ダンジョンとしては割と優しい方でドロップが少なく人気がない。しかし、経験値はいいらしく、経験値アップにはいいらしい。
[ワールド ワン]には引き続き曖昧な部分をはっきりさせるために、土地を引き込む作業をする予定だ。
パーティー編成はリュージとジロー、鬼人族は2名ずつ交代でパーティー編成することとなった。日によって交代か、午前午後交代かは、ダンジョンの状況によって決めることにした。
リュージたちは明日、アジンズの中級ダンジョンに向けて出発し、入り口を確保することにした。
鬼人族はエロイムの街で、変身して実際にバレないかとか、街の雰囲気や何処に何があるかをトコートさんの案内で確認することになった。
「いけぼ」と言われて戸惑う。




