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024 初級ダンジョン攻略 4

リュージたちは、20階層に降りてきた。

ボス階層である。

ボス階層は基本的にはボス部屋しかない。

ボス部屋には扉があり、開けるとお約束のようにボスが出現してボス戦となる。


ボス部屋扉は、時間が経つと閉まるタイプやある一定の人数が入ると閉まるタイプ、全く閉まらないタイプがある。


ボスはボス部屋からは出てこないとされている。

扉が開いているタイプは、万一倒すことができなかった場合、一旦ボス部屋を出るという選択肢がある。

また、後からきたパーティーが援護することができるが、ドロップ品は最初のパーティーに優先権がある。

それを奪うのは、マナー違反とされる。


ここ、サイムのダンジョンは[初級ダンジョン]と言われている。

ボス部屋は10階層、20階層、30階層にある。

10階層は時間が経つと閉まるタイプだったが、ここ20階層は閉まらないタイプだ。

そのため、ボスドロップ目当てのパーティーが数日係りで狩りをすることがある。


20階層のボスはヘルリザードマン。

単体で武器を持って襲ってくるらしい。

硬い硬質の鱗で覆われており、鋭い剣でも、刃滑りすることがあるとのこと。

ドロップはリザードマンの鱗、リザードマンの槍、魔石などらしい。


リュージたちが20階層のボス部屋の前についた時、ヘルリザードマンと戦うパーティーと遭遇した。

パーティーは男女7名の混成パーティーだった。

7名のパーティーたちは手慣れた感じで、ヘルリザードマンと戦っていたので、リュージたちは目で挨拶して、ボス部屋をパスした。そして、21階層降りる階段を降りていった。


この7名のパーティーは、今回は、このヘルリザードマンをメインで考え、2日がかりでここまで辿りつき、ボスフロアーでキャンプ張りながらドロップ品を稼いでいた。

ボスは一定の間隔で沸くため、倒せさえすれば結構な稼ぎになる。

[ヘルリザードマン]のドロップである[リザードマンの鱗]は硬くて表面か滑らかなため、防具に加工される。

[リザードマンの槍]はそのまま使うには重いため、やはり加工して槍に使用される。

魔石は中級1(6等級)と言われている。


魔石の等級は1から15等級に分類されている。

1から5等級までが初級魔石

6から10等級までが中級魔石

11から15等級までが上級魔石

とされる。

中級1というのは中級魔石の1つ目と言う意味で、6等級と同義である。

更にその上のランクもあるらしいが、市場には出てこない。


もちろん、等級が上がれば上がるほど、その価値も高くなる。


「さっきのパーティー、だいぶ疲れていましたねー。 大丈夫っすかねー。」


ジローはさっきのパーティーを見た実直な感想を言った。


「んー、俺たちのようにアイテムボックスやイベントリがないと、長期間は厳しいかもな。まだ、数日とかなら大丈夫だろ。蓄えもあるだろうし。何より、ボス部屋の後ろには地上に戻るゲートがあるらしいしな。いざとなればそのゲートを通って地上に戻るから大丈夫だろう。」


リュージの言う通り、ボス部屋の後ろにはゲートと呼ばれる地上に戻ることができる装置がある。

ファンタジー世界で言うところの[転送装置]である。

潜れば地上と言う一方通行だが、元の世界にはない不思議装置である。

これもなぜここにあるかわからない。

誰がここに設置したのかも不明。

どうやって動いているのか謎。

ボスを倒さなくても、ここにある以上、辿りつければ利用できるのだろう。


リュージたちは今回は潜る予定がないため、パスして、21階層へと降りて行った。


21階層から25階層は大型魔獣が出現する。


リュージたちは21階層に降りてすぐ、辺りを見回す。

モンスターと言わず、魔獣と言うわけはメインで出てくるのが魔物化した肉食獣であるからである。

数は少ないらしいが、1匹1匹は体が大きくパワーもありタフネスだ。


「リュージさん、森ですね。南の森よりも木が全体的に高いようです。木が大きい分歩きやすいですが、光を遮って暗いっすね。」


「うむ。ジロー、ここから25階層までは大型魔獣ばかりだが、何が出てくるかは、ランダムらしいぞ。逆に言うと、5階層までは変わり映えしないってことだ。ここも、山あり谷ありの地形だが、エアーブリッジで、山は直登直下で谷は直進でいくぞ。魔獣は出会ったら倒す方針で、25階層を目指してGoGoだ!!」


「わかりやした。GoGoですね。」


言葉通り、22階層目指して22階層の入り口があるところに一直線に、エアーブリッジを伸ばす。

リュージはエアーブリッジを伸ばす際に、だんだんと障害物や生命体が伸ばす先にあるのを感じるようになっていた。

今は便宜上、人が一人分通れるぐらいの幅と強度で伸ばしているが、もしかしたら、薄く広く伸ばせば、また、違った使い方ができるかもしれないと思っていた。

言うなれば、[エアーサーチ]だ。

リュージは伸ばしている途中に、生命体の反応を感知したので、そこで一旦、伸ばすのをストップした。


「ジロー、生命体を感知した。おそらく魔獣だろう。大きさはおおよそしかわからないが、デカイぞ。」


「急ぎましょう。この階層は魔獣の数が少ないのなら、倒す数も少なくなります。魔獣倒したいっす。」


「ジロー、大型魔獣だぞ? オメーはどう倒すんだ?」


「えへへ。リュージさん、まぁ見てて下さいよ。思いついたことがあります。試してみたいんです。きっとリュージさんもビックリしますよ。」


「ふーん。じゃぁまぁー、そこまで言うのならやってみろや。」


リュージとジローは小走りで、魔獣の元へ急ぐ。

魔獣が見えた。

2メートルオーバーの[ブラッドグリズリー]だ。


「ストーンアームズ!!」

ジローは唱えた。

すると、ジローの全身に石の鎧が次々とくっついていく。

まるで魔法少女が変身する時のように順番にくっついていく。

いや、そんなかわいいものじゃない。

どちらかというと、ギリシア神話を模したアニメの1話限りのキャラの鎧の装着シーンだ。


「ジロー、オメー…。」


「リュージさん、実は…。」


「もしかしてオメーは、その格好は…。」


「お察しの通りです。実は…。 重すぎて動けません。 丈夫に作りすぎました。」


「やっぱりか…。だと思ったわ。」


ジローはブラッドグリズリーにガツンと叩かれる。

ジローはステータス的に大丈夫なのはわかっていたが、平気だった。

ダメージはない。

しかしながら、バランスを崩して、横倒しになる。

起き上がれない。


「ジロー、任せろと言った限り、自分で頑張ってみろや。いけるか?」


「いけます! 作り直します。ストーンアームズ!!」


ジローはブラッドグリズリーの2発目の攻撃を受けた瞬間、鎧を作り直す。

正確にには間接部分を開けて、全体を薄くして、動きやすくする。

ジローは転がりながら、体制を立て直す。

なんとか、バランスよく鎧を作り直せたようだ。

しかし、ブラッドグリズリーは、攻撃はやめない。

ジローに向かって、爪を立ててものすごい勢いで、腕を上げて叩く。

ブンブン叩く。

ジローは回避と受けを意識する。

回避できるものは回避する。

どうしても回避できないものは、鎧がある部分で受ける。

身体能力はジローが上回っている。

避けながら、ジローはアームズを調整する。

やがて、ジローは腕先に鋭い刃を作る。

手の甲の側に30センチほどの尖った刃。

ブラッドグリズリーの爪よりも鋭い。

ジローは腕先の刃で、ブラッドグリズリーの右手を切断する。


「グワァァァァォーーー!!」


ブラッドグリズリーは痛みで叫ぶ。

それは大きな隙になる。

ジローは素早くブラッドグリズリーの急所を突く。

喉元である。

心臓や金的は、一般的に急所とされるが、実際は大型獣に対しては狙いにくい。

心臓は位置が分かりにくい。

また、わかっても、狙いが外れると肋骨などに阻まれる可能性がある。

また、金的も睾丸がある敵なら有効かもしれないが、そもそも股を開いていなければ、狙えない。

高ささえなんとかなれば、喉元は急所足り得るのである。

そして、頭部が下がれば、頭部には目という一番効果的に相手の戦力を下げることのできる急所がある。

目、鼻、耳、この5感と言われる器官の3つを潰されれば、抗えない。

待つのは死だ。

ジローは素早くブラッドグリズリーの急所の喉元を突いたあと、目を軽く横薙ぎにして、顔を背けたところを狙って、首を切断した。

猛獣を確実に沈黙させるには、首を切断するのが、一番確実なのである。


ジローはこれまでの戦いの中で、それをリュージから学んで嫌というほどわかっていた。

下手に苦しめるような情けは、返って不要なのである。


「おぉー、ジロー、やるじゃないか。見事だった。」


「ありがとうございます。これもリュージさんのおかげです。リュージさんのプロテクションからヒントを得ました。刃はリュージさんのアイテムボックス刀からヒントを得ました。両方とも自分とリュージさんの合作です。このスキルは自分とリュージさんの結晶と言っても過言ではないかと思います。」


「ジロー、オメー、わざと言っているな。まぁいい。ジローもいろいろ考えていることがわかった。そのストーンアームズは一回作ってしまえば、いろいろ変形させることもできるようだな。魔力が上がって魔力操作のスキルを極めれば、大きくても動かせるかもな。今後が楽しみだ。」


「精進いたしやす。」


25階層にたどり着くまでに、


ブラッドグリズリー 14匹

ダークブラックパイソン 35匹

グレースマイルベアー 7匹

ジャイアントビー 108匹

フェイクベアカブ 53匹

スーパーヘビーアルマジロ 3匹

ヒュージレッドボア 8匹

キラーブルーイン 24匹

ジャイアントワイルドボア 11匹


などの敵を倒した。


ドロップで特にいいなと思ったのは[ジャイアントビー]である。

ハチミツをドロップしたので、ルートを外れて探してキルした。


また、[キラーブルーイン]ほ熊だったんだが、非常に可愛そうだった。

[キラーブルーイン]は珍しく群れで行動していた。

こちらがエアーブリッジで谷を渡ろうとしていたところ、こっちを発見して襲いかかってきた。

リュージはエアーブリッジを伸ばして、谷の対岸まではつけていたが、エアーブリッジを渡ろうとしてきたので、リュージたちに届く直前で、足元のエアーブリッジを消した。

すると、当然ながら谷に[キラーブルーイン]は落ちる。

谷はいくら浅いと言っても谷だ。

無事では済まない。

せめてもの救いは全[キラーブルーイン]即死だったことだろう。

ドロップは涙型した宝石と魔石だった。

いったい、ドロップを決めているのは誰だろう?と思うぐらい、ピッタリのドロップだった。


一番、エゲツなかったのは[フェイクベアカブ]だ。

見た目はかわいい子熊。

しかし、見た目とは裏腹に、鋭い爪と非常に素早い行動力を持っており、このダンジョンで一番タフじゃないかと思うぐらいの、能力を持っていた。

更に、数匹のグループで行動して動いていたため、グループで戦略的な攻撃もしてきた。

ジローがストーンアームズで耐えて、リュージがガシガシと削るといった戦法で、倒した。

25階層の山頂近くのここを降りれば26階層の入り口というところだったため、避けて通れなかった。

普通の冒険者は通らない道をショートカットして進んでいた弊害だった。

結局、通り抜けるまでに、53匹も倒していた。

ただ、1匹だけ、スキルボールを落とした。

[子熊変身]というスキルボールだ。


イベントリ鑑定によると


[子熊変身]スキルボール

:かわいい熊に10秒間だけ変身できる。

(複製可)

特記事項【進化の可能性有】


『10秒間だけ変身できていったい、どうしろというのかわからない。』


とリュージは思ったが、


『まぁ、なんかの役に立つかも知れない』


と思い直し、イベントリに5個だけ複製して放置した。


予想外もあったが、ようやくダンジョンもあと5階層を残すまでとなった。

しかしながら、既に夕闇が迫る時間になったため、残りは明日にしようということになった。

リュージたちは、ダンジョンで初のお泊りをすることになる。

普段の冒険者は20階層にたどり着くまでに最低でも2日ぐらいはかかる。

それをたった1日で25階層までたどり着いたのは、驚異的である。

リュージとジローのチートと言える能力があって初めて成立する速さである。


ダンジョン初の野営である。

戦いの描写、楽しいー。

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