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019 初級ダンジョン攻略準備 前編

リュージたちは冒険者ギルドに着くと、先に[採取クエスト]の採取リストを作成して貰う為に冒険者ギルドの倉庫に向かった。

採取リストを作成してもらい、ついでに討伐したモンスターリストを解体受付へ提出しておく。


「今日も随分、狩って来られましたね。このブラックリザードなんか、魔法も効かない。剣も弾かれる。ってモンスターで、Bランク指定ですよ。肉は上物でぷりぷりの鶏肉の様な味がするらしいですが。皮は丈夫で魔法や剣が通り難いので、防具加工に重宝されます。大変な貴重品ですよ。」


「まぁ、持っていても仕方ないから、全部売るで頼む。」


そんなやりとりをして、[解体受付]を後にした。

リュージたちが討伐して売りさばいたモンスターは1日約金貨200枚として約2400枚にのぼっていた。それ以外に採取した野草が金貨1200枚、合わせて3600枚にも及んだ。

凄まじい金額である。



冒険者ギルドの受付に並ぶ。

いつもリュージたちは列の少ない受付に並ぶ。

今回は、お姉さん系の受付嬢のところだ。

特に意識はしていない。


「清算を頼む。」


「はい、わかりました。 リュージさんたちは毎日、素晴らしい成果をあげていますね。清算致します。しばらくお待ちくださいませ。」


そう言って受付嬢は奥から書類を取ってきた。


「リュージ様、今回のクエストで、リュージ様とジロー様は2人ともCランクに上がります。おめでとうございます。このエロイムの冒険者ギルドで最短記録です。素晴らしいですね。結婚したいです。」


「ありがとう。Dランクで充分なんだがな。悪目立ちしたくない。」


「冒険者ギルドカードが変わりますので、お2人ともギルドカードをお渡しください。」


2人は冒険者ギルドカードを受付嬢に渡す。

受付嬢は横にある不思議マシーンに冒険者ギルドカードを入れて端末で操作する。

その後、別の材質のカードを入れて、再び端末を操作する。


「こちらが新しい冒険者ギルドカードになります。」


見ると、材質が緑っぽくなり、見た目もインテリジェンスな感じが漂う。


「魔力の波形登録をしますので、一度魔力をカードに流して下さい。」


リュージとジローは魔力を流し込む。

以前のカードと違って、はっきりくっきりとカードに紋様のようなものが浮かび上がる。


再度、受付嬢にカードを渡す。

魔力の波形を登録する。


「以上で、完了致しました。こちらが登録済みのカードです。ご確認下さい。」


リュージたちは受け取る。


「なお、以前のカードは登録情報は引き継いでいますので、不用品となっています。穴は空いていますが、記念に持ち帰る方もいますが、どうなされますか?」


「不要だ。可能であれば、そちらで破棄してもらえないか?」


「承知しました。」


なぜか、受付嬢は嬉しそうだ。


「そしてこちらが、清算金です。以前、清算して受け取りがまだだったものも入っています。」


受け取った皮袋はずっしりと重い。

金貨数百枚はある。


「ありがとう。モンスター売却の分はまた、次回にもらう。」


「リュージ様が討伐されたモンスターの一部はオークションにかけられています。その売却益は、孤児院やスラム街の一部に寄付されると言うことですが、本当にそれでよろしいのですか? 結構な金額になると思いますが…」


「構わない。元々、自然の恵みから頂戴したものだ。その一部は還元していいと思う。それで育った者が、また、そう考えて、同じことをしてくれたら嬉しい。ペイフォワードの精神だ。」


リュージは映画やドラマに影響を受けやすい。


「わかりました。立派な考えだと思います。ペイフォワード、ギルドの看板の下につけたいぐらいです。」


数ヶ月後、冒険者ギルドの支払いカウンターという場所が新設され、そこにはペイフォワードと書かれた看板と、寄付ボックスが設置されたとのこと。



冒険者ギルドを出た2人はスキルボールの店に向かった。

自身のスキルを確認するためである。


ジローはネコミミ獣人さんと会うことができるため、足取りが軽い。


スキルボール屋は休み?と勘違いするほど、地味で薄暗い。

スキルボールは薄暗いところでないといけないのか?

そんな疑問も湧く。


店内に入ると、ネコミミ獣人さんとケモミミ獣人さんの2人がいた。

2人は同じような服を着ているのを見ると、ここの店員さんと店主のようだ。

よかった、ちゃんと店員さんいたのね。

ちゃんと交代して休めるね。

そんなことも考えてしまった。


ジローは興奮のあまり、プルプルと震えている。

また、アナザーワールドに突入しているようだ。

まぁいいけど。

ジローを放っておいて、リュージは話をする。


「いらっしゃい、リュージさん、本日はどうしましたか?」


「モコートさん、こんにちは。実はお願いしたいことがあってね。」


「きゃー!! 貴方はもしかして、リュージ様。モコートが言っていた彼ね。会えて嬉しいです。」


「こちらの方は?」


「いとこのトコートです。すみません、お話遮ってしまって。」


「いや、構わない。いとこさんなら、信用しても良いか?」


「大丈夫です。トコートは私と一緒に店を切り盛りしているので、私がいない時は彼女を私と思って、頼って頂いていいです。彼女も鑑定持ちです。仕入れや運搬、経理も担当してもらっています。店番も通常シフトで入っています。」


「リュージさん、よろしくね。」


トコートと紹介された彼女はケモミミ獣人、獣のミミを持った獣人だ。

もう砕けた調子だ。

モコートさんより、明るくて軽いようだ。


「よろしく。」


リュージは短くこたえる。


「ところで、リュージさん、先程、頼みごとと言われていましたが?」


「あぁ、モコートさんは既に知っていると思うが、俺たちはスキルボールをインストールしてから、あちこちで、モンスターを倒してきた。それに伴い、ベースレベルとスキルレベルが随分上がったみたいなんだ。これから、初級ダンジョンを完クリしようと思うんだか、それまでに、スキルチェックとレベルのチェックをしたいと思ってな。鑑定小だとスキルはわかってもスキルレベルがわからないし、ベースレベルもわからない。」


「なるほど、それで、ここを訪ねてこられたのですね。それは正解です。エロイムの街で、私たちほど鑑定に優れた者はいません。それにスキルレベルやベースレベルは迂闊に人に話すことでもありません。私たちなら秘密は守りますし、なんなら契約を交わしても構いません。」


「すまない。必要経費は払う。なんなら、足りないスキルはここでまた買い足す。」


「いえいえ、リュージさんには先日お売り頂いたアーティファクト玉の借りがあります。あれは素晴らしいものでした。1つを残し、全て、高価格オークションで、最高値で落札されました。おかげで、更なる投資ができます。」


そう言ってリュージの手を握ってモコートさんは感謝の意を込めて握手する。


そして、リュージをじっと見て驚く。


「リュージさん、一体どうしたら、そこまでランクアップできるのです。あれから2週間ぐらいですね。驚きです。今のリュージさんのベースレベルは86です。しかも、空間魔法のスキルレベルが随分上がっています。

とりあえず、書き出しますね。」


名前:リュージ

種族:人族

年齢:20歳

ベースレベル 86

スキル:鑑定小LVMAX、プチファイヤーLVMAX、プチウォーターLVMAX、プチウィンドーLVMAX、プチストーンLVMAX

魔力操作LV8、魔力回復LVMAX、体術LVMAX、棒術LVMAX

[隠蔽中]経験値アップ、スキルアップ、隠蔽魔法、空間魔法LV30

[空間魔法スキルリスト]

空間把握LVMAX、アイテムボックスLVMAX、イベントリLVMAX、プロテクションLV4、


[称号]自衛王、無自覚タラシ、収穫の達人、採取の達人



いろいろヤバかった。

レベルはなんとなく自覚があった。

いつも体が熱くなり、その度に、体の動きが良くなっていった。

称号は今回初めてあるのを知った。

タラシってなんダァ?

虐殺王じゃなくてよかった。


アイテムボックスやイベントリはMAXなんだな。

スキルアップのスキルが上手く機能してくれたようだ。


「リュージ様は一流の冒険者と言えるでしょう。冒険者ランクで言うと!既にAランク冒険者です。スキルもプチ系がマックスなので、本来は中級のスキルボールをインストールするべきくもしれません。」


「いや、それはいーや。あまり、今まで使わなかったし、コントロールできなくなっても嫌だし。今なら、超高温の小さなプチファイヤーを極小圧縮して、超高速で飛ばすこともできるけどな。今のところ、お湯作るとかしか考えられないし。」


「それではリュージ様、トコートと握手して下さい。彼女はステータスを見ることができます。」


言われてリュージはトコートと手を合わせた。


鑑定

リュージ

HP 12450/12450

MP 18700/18700


ステータス

STR 560

INT 860

DEX 433

VIT 637

LUK 380


「あッあのー、リュージさん、私、とんでもないもの見ています。リュージさんは勇者だったんですね。私、涙がとまりません。こんなステータス見たの初めてです。人類ではないですね。」


リュージはステータスが見えないので、トコートの言っている意味がわからなかった。


「トコート、わからないから、ちゃんとステータス書き出しなさいよ。リュージさんのステータスはどんなだったの?」


モコートはトコートに紙を渡して、トコートにステータスを書き出させる。


そして、モコートもトコートと同じような感想を述べる。


リュージは比較する対象がないため、ステータスを見ても、ピンとこない。

その表情を見て、モコートが慌てて捕捉する。

普通の人は通常、どんなにレベルが上がっても、2桁以内だそうだ。ベースレベルは高い人は150とかあるらしい。

冒険者ランクで言えば、SとかSSランクの人がそうらしい。そう言った人でも、ステータスは250とか300程度らしい。

ましてや、人類では考えられないらしい。

伝説によると、勇者はステータス500オーバーだったらしいが、いない現在では定かではない。

唯一のSSSランクと言われている勇者がそのステータスと言われれば、勇者と言われても仕方がないのである。


「そんなにステータス高かったのか。困ったな。どうするかな。勇者とか、柄じゃないし、いっそ魔王にでもなるか。」


「ちょっとリュージさん、冗談が過ぎます。リュージさんは私にとって天使です。お任せ下さい。私に考えがあります。」


モコートはそう言って、スキルボールを持ってきた。


「これは珍しいスキルボール、隠蔽大です。これなら鑑定大持ちであっても、ステータスを隠蔽できます。そして、こちらの誤認識大を使いますとステータスを含め、スキルも誤認識させることができます。」


「マジかー、それなら助かるな。魔王にならずに済む。でも、モコートさん、それはかなり貴重品じゃないのか?」


「はい、貴重です。でも、貴重が故になかなか販売も慎重にならざるを得ないです。なんせ、鑑定大を誤認識させるのですから。私たちも鑑定大持ちで、相性が良いので、鑑定はかなり深くまで行えます。手を握るとかすると、相手の同意を得たらほぼ丸裸です。

だから、私たちも鑑定大の結果を全て鵜呑みにはしません。必ず確実な情報のみを開示します。今回もそうです。リュージさん同意を得られたら、リュージさんの女性関係まで分かりますよ。ウフフッ、そんなことはしませんが、そんなこんなもありまして、これを販売する方は私たちが知っている人物、できればきちんと信頼して頂いている人物と思っていました。リュージさんたちはピッタリです。原価価格は頂きますが、お二人分ありますので、お使い下さいな。」


モコートさんはそう言ってスキルボールを渡してくれた。

リュージは早速インストールする。


ジローの鑑定も後で行なった。

結果は以下の通りである。


鑑定大


名前:ジロー

種族:人族

年齢:19歳

ベースレベル 69

スキル:ホットウォーターLV4、プチファイヤーLVMAX、プチウォーターLVMAX、プチウィンドーLVMAX、プチストーンLVMAX、魔力操作LV4、ウィーク耐性LV1、テラー耐性LV5、毒耐性LV4、ユニークスキル:スコップLVMAX

[隠蔽中]経験値アップ、スキルアップ、隠蔽魔法、土魔法LV20

[土魔法スキルリスト]

ストーンウォールLV6、ストーンバレットLV2、ストーンクリエイトLV5


[称号]

孤高のスコップ使い


『ジロー、ユニークスキルなるものが、あるよ。しかも称号になっている。耐性はなんとなくわかる。テラー耐性は俺が原因か?毒耐性はあれだな…。ポイズンドホークに散々、毒液をかけられていたからだな。

あの時は、ヤバかったな。

毒になった時の対処法を知らなくて、散々、ジローのやつにボヤかれたな。

やれ、腕をもげとか、死ぬから血を吸えとか、挙句にションベンかけてくれとか、散々だった。

まぁ、弱毒だったのと、途中から俺のプロテクションの傘を持たせたから、死にはしないとは思っていたがな。毒を浴びてから、しばらく放置していたから、耐性がついたんだろう。結果オーライだ。』


リュージはジローのステータスも確認した。


鑑定大


ジロー

HP 701

MP 1100


STR 80

INT 125

DEX 130

VIT 71

LUK 35


3桁のステータスが2つもある。

リュージと比べると低めだが、人類比較したら、かなりの高ステータスだ。

DEXである器用さが高いのは、前から分かっていた。

物作りが得意な奴だからだろう。

ストーンクリエイトで、今は簡単な家まで作ったりしている。


ジローも充分すごいのだから、隠蔽と誤認識のスキルボールを使って隠蔽しつつ、誤認識させる。


隠蔽大は金貨800枚、誤認識大は金貨1000枚 合わせて金貨1800枚。

それの2人分だから、金貨3600枚。

モンスター討伐や素材売却、野草の売却代金がなければ、払えてなかった。

まぁ、ほとんどの金貨は消えたが、使い道も特に決めていなかったから、安全が金貨で買えてよかったと思うべきだろう。

目立ち過ぎるとロクなことがない。


まぁ、ほかのクエスト達成の報酬のほとんどが残っていることを考えたら、まだ、懐は暖かい。


「リュージさん、たくさん使わせたしまって申し訳ありません。これでも、原価ギリギリなんです。」


「別に構わない。むしろこのタイミングでよくこのスキルボールがあったなぁと思ったぐらいだ。あぁ、店主の仕業か。こうなることがわかっていたのだな。先日、来たときに、このスキルボールは無かった。この間から今までの間に手に入れてくれていたのだな。ありがとうよ。モコートさん。」


店主はリュージに笑顔で感謝されて、真っ赤になって、照れている。


「リュージさん、アイテムボックスのレベルがMAXなら、アイテムボックス鑑定もできるんじゃない?」


トコートがリュージにたずねる。


「よくわかったな。鑑定できるよ。ただしアイテムボックスに入れないと鑑定できない。少なくとも、覆ったりすると鑑定できるようだ。」


「それって、自分に対してやったことある?」


「ないな。できるのか?」


「たぶん。できるっしょ。こと鑑定に関してはウチは詳しいんだ。もし、できるのなら、それを使って鑑定スキルをレベルアップすることができるかもねー。とりあえずやって見て!」


リュージはやって見る。

髪の毛辺りをアイテムボックスで囲む。

できた。

ただ、隠蔽されて、誤認識したステータスだ。

「誤認識された方のステータスが鑑定された。鑑定レベルが低いから当然か。」


「鑑定はスキルのレベルアップが困難と言われているのよ。鑑定すればいいと思われがちだけど、同じ人を鑑定しても上がらない。 そして、別な人でも、鑑定方法が同じであれは上がらない。ただ例外もあって、レベルアップしてステータス値が変わった自分を鑑定すると鑑定レベルが上がるとされているの。なので、鑑定者はレベルアップを頑張ったりするのだけど、戦闘系でない場合は足手まといになり、鑑定スキルレベルは上がらないという状況になるのよね。リュージさんはラッキーなことに戦闘経験でレベルアップするし、するたびに鑑定していけば、鑑定能力も上がるはすです。」


「なるほどなぁ。鑑定は奥深いな。そして、いつかアイテムボックス鑑定が自分自身を全て鑑定できる日も来るかもな。」


リュージはそう言って呟いた。


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