017 クエストリザルト
いつもより長いですね。
街に帰還後、リュージたちは早速冒険者ギルドへと向かった。
受けたクエスト4つのうち、3つが達成できたので、その報告をするためだ。
冒険者ギルドは日によってある程度、波があるのか、昨日と同じような時間に関わらず、受付は比較的空いていた。
リュージたちはクエストの報告をした。
受付嬢はクエストを説明してくれたかわいい系の嬢だった。
「リュージ様、おまたせしました。クエストの清算でしたね。067野草採取と114配達クエストと701収穫クエストの清算でよろしかったでしょうか?」
「あぁ、頼む。 野草採取はリストのものを全部採取してきた。そちらは先にギルド倉庫の受付で検品チェックを受けた。こちらが明細リストだ。クエスト以外のものは全て買取でお願いしたい。配達クエストと収穫クエストの依頼確認書はこれだ。」
そう言ってリュージは明細リストと依頼確認書を出した。
受付嬢は明細リストと2枚の確認書をチェックした。
「チェック致しました。非常に高い評価がつきました。リュージ様とジロー様はこのクエストを達成した時点でギルドランクEとなりました。冒険者ギルドカードの提出をお願い致します。」
2人は冒険者ギルドカードを差し出す。
受付嬢はデスクの横にある50センチ四方の謎機械に冒険者ギルドカードを入れる。端末を操作して再びカードが出てきたら、2人に手渡しする。
「初クエスト完了と同時にギルドカードにランクが印字されるのですが、Fを飛ばしていきなりEとは、素晴らしいと思います。好きです。」
「ありがとう。頑張った甲斐がある。」
リュージは好意的な受付嬢に返答する。
「採取クエストに関しては、先に裏手にある冒険者ギルド倉庫の[採取受付]に実物を納品頂きましたので、ここでギルドポイントの付与と清算金が受け取れます。付与ポイントに関しての明細は、受付でしかわかりません。お聞きになりますか?」
「いや、明細は別にいい。信用している。ランクにもこだわってない。」
「そうですか…。ギルドランクが上がれば、受けられるクエストの幅も広がるので、なるべくあげておくことをオススメします。」
「ギルドランクがDランクになりましたら、中級ダンジョンに入れますし、ギルドカードの色も変わります。街や村に入る時に優遇されたり、敬意を払われる対象となります。」
「まぁDランクぐらいから、ようやく冒険者と見られるわけですが、それでもID代わりに登録する目的の輩とは一線引かれることとなります。」
「それにしても、野草の採取量が非常に多いですね。普通の方はこの量は1ヶ月かかって集まるかどうかです。しかも、鮮度も非常に高評価だったので、ギルドポイントが高くなりました。いったいどこで採取されたのですか?」
「収穫クエストの農場と南門の間にあるジャングルの奥にたくさんあったよ。途中、モンスターがたくさん出てきたから、時間は多少取られたな。」
「なんですって!!南の森の奥地で採取ですって!なんて危ないことを。あそこは街道沿いはいいですが、奥地に入るとモンスターが際限なく出てきて、非常に危険とされています。群れると危険でBランクにもなるモンスター[キラーエイブ]の目撃例もありますので、今後入る時は気をつけて下さい。」
リュージはそれらを倒しまくり、まして、ボスまでやってしまったことは、面倒くさい感じになりそうなので、しばらくは黙っておこうと思った。
「403のコボルトの毛皮に関しては、まだ、お聞きしていませんが、後日ということでよろしかったでしょうか?」
「コボルトは後日っす。ダンジョンの途中で、腹が減ってきたので、戻ってきたんだ。」
ジローは自分が無視されて話が進行しているような気持ちになり、口を挟んだ。
「そうですか…」
受付嬢は短く返答すると、リュージに向かい合い、話を続けた。
「067の採取クエスト以外の常設クエストにある野草は冒険者ギルドで常に買取をしていますので、野草で貴重なものを見かけたら、積極的に採取を今後もお願い致します。」
「コボルトの毛皮に関しては同じく裏手にある倉庫の[素材受付]にご提出頂ければ、検品チェックを致します。その後はこちらの受付でゆっくりできますので、今後はそちらをオススメ致します。」
「わかった。では、いったん、裏手の倉庫に行って残った野草類の検品チェックを受けるとしよう。清算金とギルドポイントは後日でいい。」
「そうですか。残念です。」
受付嬢は本当に残念そうに答える。
リュージたちは、冒険者ギルドの裏手にあるギルド倉庫に向かう。
このギルド倉庫は、収穫クエストのときの収穫倉庫以上に巨大な建物だった。
魔物肉や野草、魚、果物等のクエストで依頼を受けて納品されたものの多くがここに集まる。
また、それらとは別に[解体受付]といった場所があった。
ここは狩ってきたモンスターや動物などを、解体して食用にしたり、武具や防具や魔道具の材料にしたりする場所である。
謂わゆる、レンタル解体場所である。
解体したものをそのまま買い取ってもらう場合はこの同じく[解体受付]で買い取ってもらえる。
また、自身で解体はできない場合は、ここで解体を依頼することもできる。
解体のための手数料を引かれるが、同じく[解体受付]で買い取ってもらうことができる。
[解体受付]で買い取った素材や食材は、翌日、セリにかけられ分配される。
冒険者ギルドの大事な収入源である。
そのため、[解体受付]で働くものは、自身で解体ができるという能力と素材の値を見極める鑑定眼が必須となる。
リュージたちはダンジョンで手に入れた魔石はともかく、大量にイベントリに入っているキラーエイブは死体なので、できれば早く何とかしたかった。
しかしながら、さっきの受付嬢のリアクションから、キラーエイブを出すのは面倒ごとを招きそうだったので、イベントリにしばらくは死蔵することにした。
リュージたちはイベントリにある残りの野草を[採取受付]の担当者に話をして、買い取ってもらうことにした。
リュージは順番に野草をカウンターに置いていった。
畳でいえば100畳はあるであろうテーブルが野草で埋まった。
尋常じゃない量である。
「おっおぃ、あんた、幾ら何でも多すぎだ。どこにいったい入っていたんだ。あー、アイテムボックス持ちか、しかし容量の大きいアイテムボックスだな。何、イベントリ持ち?そいつぁー、すげーなぁー。何?目立ちたくない? あー、まぁそうか、わかった。内緒にしとこう。そりゃそうだな。こっちも面倒ごとはノーサンキューだ。イベントリだから新鮮なんだな。素晴らしい。 おー、これは!!! なぬー、マジか!! うひゃーうひひひひ! 初めて見たぁー、 めっっっずらしぃー、」
採取担当者は気の毒に、何処かにトリップしてしまった。
「おぁぃ!」
リュージは採取担当者が戻ってこれるよう怒気を込めて言った。
「あひぃーーーン」
逆効果だった。
採取担当者は完全に沈黙した。
横で見ていた、採取担当者の助手さんがヤレヤレといった表情で、近寄ってきた。
「すみません、この方、興奮すると周りが見えなくなる方なんです。それにしても、この量、この種類、このレア度、この鮮度、半端ないですね。 8年いますが、この規模の採取は見たことがありません。 私がわかるものは私の方で査定させた頂きます。ただし、このワーレ草とモート草、ウタエ草は私も見たことがなかったので、査定金額は出せません。この3点だけでも金貨100枚以上の価値があると思いますよ。この倉庫は倉庫全体にチルドの魔法がかけられいます。鮮度も非常に高いですが、イベントリでの採取からのここなので、より新鮮です。」
「ファァァ〜ぅーーうぅー。」
採取担当者が復帰できたようだ。
「あー、一瞬、気絶していたようだ。お客様、失礼いたしました。」
『一瞬ではないがとは言えない。』
「あー、大丈夫だ。ワーレ草とモート草、ウタエ草以外は助手さんが査定をしてくれたようだ。」
「夢かと思ったが、夢じゃなかった。良かった良かった。この3つはギルドで買取はするが、薬剤ギルドに優先的に販売してもらう。非常にレアな野草だ。調剤と製薬のスキル持ちの憧れの一品だ。金貨150枚で買い取る。あまり多く出せないのは勘弁して欲しい。この3つは採取のタイミングが非常にシビアで、しかも劣化が激しいため、実施的には採取不可能だろうと言われていたものだ。
ワーレ草は水虫の薬になる。モート草は毛生え薬になる。ウタエ草は声を変成させることができる薬が作れる。 いずれも特効薬なので、材料さえあれば、確実に製薬でき、確実に治り、しかも副作用もなく、効果も永続的と言われている。これがコーフンせずにいられようか?!!!うぉーぃ!やったぁー!!あはははっっーーー!!」
「きゅーん、かっかっかっ…、うぼぁ…。」
うるさいので、リュージは軽めの調整をした。
「では、こちらが料金となります。」
助手さんは非常に冷静に支払いをしてくれた。
「ありがとう。」
助手さんにもらった金額は金貨215枚だった。
昨日、今日と金銭感覚がおかしくなりそうな2日だ。
リュージとジローは冒険者ギルドに一旦戻り、参考となる情報を確認してた。
「リュージ様、ジロー様、少しよろしいですか?」
振り向くと、さっきのかわいい系の受付嬢がいた。
「どうした?何?」
「失礼します。実は、先程清算されたクエストの収穫クエストの方が、再度 収穫クエストを出してこられまして、しかも、リュージ様とジロー様を指定されています。期間は約2週間。間に2日お休み。早朝の3時間だけ拘束。 指名依頼なので、報酬は破格です。大手の農場の依頼なので、ギルドポイントも上がります。おそらくDランクに上がる条件[指名依頼を受けて成功する]をクリアできます。お受けになりますか?」
「朝早いが、なかなか楽しかった。帰る途中、また、採取クエストもこなせるだろうから、いいぜ。引き受けよう。」
そして、リュージたちは早朝は収穫、午前中は採取クエストと討伐。 午後からは弁当を持ってダンジョンのルーティンを約2週間こなした。
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