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015 初めてのお使い 後編

長くなったので、分割します。

倉庫を後にしたリュージたちは、配達先に向かって歩いていた。

歩いている途中に南区の鐘が5回鳴った。

午前11時である。

南5の鐘である。


この異世界も24時間制を採用している。


西1が午前1時。

南1が午前7時。

東1が午後1時。

北1が午後7時となる。


それぞれ

西区にある時計塔

南区にある時計塔

東区にある時計塔

北区にある時計塔


が違った音色の鐘を1から6回叩くことにより、街の人々に時を知らせる。


「ジロー、腹減らないか?今朝は早かったが、途中なんか体が興奮していて、さして空腹を感じなかったが、南5の鐘を聞いて、妙な話だが、急に腹減ってきたわ。」


「リュージさん、自分も同じっす。先に東区の食堂に配達してから、飯を食べましょう。ダメと言われても、我慢できないぐらい、減りました。」


「まぁ、そこまで卑屈にならなくていい。俺も腹減ったって言っているじゃんよ。でも、まー、先に食堂の配達は終わらせよう。急ぐぞ、ジロー。」


「ヘイ、ついていきやす。」


リュージとジローは小走りで東区に向かう。

食堂につく。


「リュージさん、ここは昨日きた食堂ですね。配達場所ってここだったんすね。」


「あぁ、みたいだな。位置的にここかなとは思っていたがな。」


「ギルドの配達依頼を受けて配達にきました。この食堂の荷受担当者はいますか?」


「はぁーい!少しお待ち下さいませ。」

奥から元気な女性の声が聞こえてくる。


「お待たせしました。奥の保存庫にきて下さいな。」


そう言って、店の奥に案内される。

保存庫は思ったよりも大きい。

てかバカデカイ。

リュージは伝票の数の小麦、雑穀、芋袋を保存庫の棚に置いていく。


「あら、アイテムボックス持ちなのね。楽でいいわね。 はい、これ受領書よ。きちんとサインもしてあるから、倉庫番のマスバックルさんに渡してね。」


リュージたちは食堂で食事をする気満々だったが、雰囲気的に無理そうだったので、そのまま、次の食堂に向かうことにした。


「あそこのエールと野菜煮込み、食べたかったっす。マジうまかったっす。」


「まー、ジロー、食堂はあそこだけじゃねー。次も食堂だ。もしかしたら、違った食べ物で、また、美味いものが食べられるかもしんねーぞ。」


リュージたちは次の食堂に急いだ。


「こんにちは。食材の配達に来ました。」

今度はジローが先に食堂の人に声をかける。


「待ってたよー。やばかったよー!食堂なのに、仕込みもままならなかったよー。あなた達、いま暇?暇よね。仕込み手伝ってーーー!!!」


有無を言わせない、大阪のおばちゃん並みの勢いでリュージたちは巻き込まれる。

おばちゃんはリュージたちに『かかかっかっ!』と指示を出す。

リュージたちが終わる間際で次の指示。

プロだ。

物凄い勢いでおばちゃんと周りのおばちゃんズが動き回る。

おばちゃんの動きじゃない。

きっと何かしらのスキル持ち。

残像が残るかと思えるぐらいの勢いで色々な食材が加工されていく。

リュージたちが持ってきた芋や雑穀、小麦も、どうやったかはわからないが、次々と麺や煮物、焼き物に加工されていく。

やがて、チラホラとお客が食堂に入ってきた。

加工された料理が出来上がっていく。

オートメーション?

やがて、残像は普通のおばちゃんズに戻っていく。

おばちゃんの1人がリュージたちに向かってにっこりと微笑んでる。


「すまなかったね。いつもはもう少し余裕があるんだけどね。おかげで、開店までに何とか間に合ったよ。2人ともありがとうね。」


「貴重な経験だったよ。 残りの配達物は奥の保存庫に入れておくぞ。検品を頼む。」


リュージは奥に保存庫があるのを把握していた。


「へー、アイテムボックス持ちかぃ。 いいスキルを持ってるね。検品OKだよ。 ほれ、これを倉庫番様に渡して完了だよ。」


「あー、そだ。あんた達、腹が減ってるだろう。 あたいはそういうのわかるんだ。ここで食べていきな。 なぁに、お代は取らないよ。手伝って貰ったからね。エールも好きなだけ飲んでいきな。」


おばちゃんはそう言って、にっこり微笑む。

おばちゃん、ありがとう。

異世界のおばちゃんは優しくて、残像を残す素晴らしいおばちゃんだった。


リュージとジローは言われた通り、食堂で飯を食べた。

美味かった。

麺もスープもエールも全部美味しい。

煮物も肉も魚もあったが、今度きた時の楽しみに取っておくことにした。

美味しいものを食べて満足した2人は、再び配達をするべく、北区の卸販売店に向かった。


卸販売店はすぐに見つかった。

商業ギルドの隣だった。

商業ギルドは主に街で商売をする時の許認可を管理したり、販売物や加工品を検品したりする。


サービス業や建築、製薬や武器防具の精錬はまた別の機関が管理しているらしい。


新しいものを販売する場合は必ず商業ギルドを通す必要があるらしく、通さず販売して問題があった場合は、厳しい罰則を課される場合があるらしい。


また、新しくエロイムの街で商売を始める場合も、商業ギルドを通しておく必要がある。

街のスペースは有限だから、仕方ない。


リュージ達は卸販売店に荷物を下ろす。

ここは、販売もしているらしく、店舗も併設していた。

だいたいにおいて、卸販売店は安い。

今回の運搬は食料だったが、店舗には、色々なものがところ狭しと並んでいた。

ドンキー?と勘違いするぐらい、品数は多い。


ふと見ると、ジローが見えない。

リュージは辺りを見回す。

ジローはすぐに見つかった。

ある商品の前で、止まっていた。


「ジロー、どうした? 何か買いたいのか?」


リュージも鬼ではない。

ジローが買いたいものがあれば、買えばいいと思っている。

ジローが見ていたものはベッドだった。

さほど高級品というわけでもないものだが、木で出来ており、シンプルだが、丈夫そうだ。

更に、サンプルとしてだろうが、布団が敷いてあった。


「リュージさん、ベッド買いませんか?理由はダンジョンっす。ラノベで学んだダンジョン攻略での大きな課題は睡眠です。ダンジョンを攻略する際は、何日もかかる場合があります。」


「当然ながら、寝たり、休憩は必須です。 休憩はともかく、睡眠は必ず取る必要があります。その際は通常、ダンジョンの地面に何かしら敷いて、壁に寄りかかって寝ます。常に魔物=モンスターが出現するので、気をつけないといけないからです。」


「で、何でベッドなんだ? ベッドぐらいなら、確かにアイテムボックスに入れて持ち運びできるだろう。」


「リュージさん、自分は土魔法が使えます。ストーンウォールもまだ未熟ですが、キラーエイブをやったとき、土壁から石壁になっていました。レベルが上がって土から石へ強化されたんだと思います。おそらく今は意識してやれば石壁で覆うぐらいのものも作れると思います。」


ジローはリュージが聞いてくれているので、続ける。


「ダンジョンで、それができれば、セーフティハウスが作れると思います。ダンジョンはもちろん危険なところで、モンスターがいます。そのモンスターを辺り一面排除した上で、セーフティハウスを作れば、安全を確保することができると思います。」


「ジローの言うことはもっともだ。ただダンジョンは俺たちは実際まだ行ったことがない。モンスターも辺り一面排除したとしても、移動してくるタイプのモンスターなら、絶対安全とは言えない。ベッドは確かにあっても困らないから買っていこう。ダンジョンに行って試してみよう。ジロー、ダンジョンでの、楽しみが広がったな。」


ジローはリュージに褒められて嬉しそうだ。


リュージとジローはベッドを2つ購入して、リュージのアイテムボックスに収納した。

実際はイベントリに移した。


2人は卸販売店を出ると南区の倉庫へ向った。

倉庫には倉庫番のマスバックルと数人のドワーフが事務所で話し合っていた。


「おー、戻ってきたか。配達できたか?」


マスバックルはリュージたちに笑顔で聞いた。


「無事終わりました。これが受領書です。こっちのギルド依頼確認書にサインを頼む。」


「お疲れ様。いろいろありがとうよ。ほら、サインと評価を書き込んどいた。あと、これはそれとは別にドロボウを捕らえてくれたことと、ワシを救助してくれたお礼と感謝の気持ちだ。」


そう言ってリュージに小さいが重い布袋を倉庫番のマスバックルは渡す。


「気を使ってくれてありがとう。金欠だから助かる」


リュージは素直に受け取る。

その場で、中を開けて見るのも失礼かと思ったので、そのままアイテムボックスに布袋をしまうり


「あやつは時々、ちょろまかしていたようだ。今日は抜き打ちでワシが検査したから、鉢合わせしたようだ。棚の崩落もあやつのせいじゃった。全く困った奴じゃ。あやつは奴隷落ちした。」


「クイックルも反省するまでは奴隷落ちしたままにすると言っておったから、数年は戻って来れないじゃろ。バカな奴じゃ。その金はドイッスルを奴隷落ちした時に販売した金じゃ。あやつの親父のクイックルもそうしてくれと言われたから、おめーらに渡す。あやつが今後同じように盗んでいたらと思うとゾッとするワィ。」


「ワシも長年ここの倉庫番やっておるが、ここ数週間での在庫の差異は酷かった。倉庫の管理はここにおる数人のドワーフでやっとるんじゃが、毎日やっとる訳じゃない。交代で休みにしたり、全員で休むときもある。まさか身内がドロボウとか思わんかったから、気付くのが遅くなった。セキュリティを見直そうと思っとる。」


そう言ってドワーフの親父は悲しそうな顔をして、深く考え込むような仕草をした。


リュージは事務所にいるドワーフたちに挨拶をして、倉庫を後にした。

今までの文章量とのバランス考えてわけました。

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