013 キラーエイブとの戦い
リュージはアイテムボックスを閉じた状態ので、3つ準備した。
トンファーは手元に構えた。
ジローはスコップを構えた。
土魔法をいつでも発動できように準備する。
キラーエイブが襲い掛かってくる。
キラーエイブは1匹ではなかった。
4匹いた。
正面の1匹は囮だった。
リュージとジローの横合いから、2匹が、最後の1匹は後ろから襲ってきた。
リュージは横と後ろから襲ってきたキラーエイブをアイテムボックス刀とトンファーで強打した。
トンファーはキラーエイブの頭部を破壊した。
後ろのキラーエイブはアイテムボックス刀に真っ二つにされていた。
リュージは油断しない。前に見えているキラーエイブは囮だったが、一瞬の隙をついて、噛み付こうと距離を詰める。
デカイ牙だ。
噛まれたら、相当痛い。
リュージはもう一方のトンファーで、前から襲ってきたキラーエイブを突く。
突いたトンファーは最短距離で当たる。
つまり、キラーエイブのおでこの辺りにヒットした。
キラーエイブは即死した。
ジローは右手からきたキラーエイブに集中した。
左はリュージだった為、絶対の安心感を持っていたためだ。
スコップを構えてつつ、同時に心でストーンウォールを唱える。
出てきたストーンウォールは低い。
キラーエイブが躓く。
スコップで叩くちょうどいい位置にくる。
キラーエイブの頭部をスコップで強打する。
キラーエイブはしばらく痙攣した後、やがて動かなくなった。
「リュージさん、倒せましたね。顔の怖い猿。 普通の猿じゃなさそうです。 あっ、なんか、体があついです。」
「俺もだ。体が、かっーーってなったわ。でも、今は平気だ。寧ろ調子がいい。[キラーエイブ]と鑑定小では出ていたが、どうなんだろうな? アイテムボックスに入れて見るか。」
[キラーエイブ]:森に住む猿の魔物。
非常に好戦的。 群れをなしてボスを中心として30〜120匹程度のコミュニティをつくる。
噛みつき攻撃は非常に強力で、手足に噛みつかれると骨ごと砕かれる。
また、非常に頭もいい為、油断していると、背後から攻撃されたり、待ち伏せされたりする。
「結構、ヤバイ猿だったようだな。しかも、鑑定結果にフラグ入りだ。ジロー、油断するな。久々の喧嘩だーーー!!」
「やるっす!リュージさんと一緒に戦うの久々っす。」
「この位置は不利だから、ジロー、あつちの崖に行こう。崖についたら、崖に落ちないように、ストーンウォールを頼む。敵を正面だけにするぞ。数はどれくらいいるかわからないが、危なかったらストーンウォールで狭めろ。俺が必ず前からくるやつは殲滅する!」
リュージたちは移動した。
移動途中にキラーエイブ、数匹が襲い掛かってきた。
リュージは半身になり、アイテムボックス刀を4つ振り回した。
「ギャー!!」
キラーエイブが断末魔をあげる。
一気に数匹が吹っ飛ぶ。
スクリューのように回転させながら、背後を守りつつ、先を急ぐ。
「ジロー、あっちだ。」
リュージは指を指して崖の方向をジローに教える。
リュージは背後を見ると、ものすごい数のキラーエイブが見えた。
背後に注意しながら、先を急ぐ。
「ジロー、待て!そこでいい。そこにストーンウォールで厚めの壁を頼む。」
言われたジローは半楕円状の太めのストーンウォールを出現させた。
既に辺り一面にキラーエイブは存在した。
リュージは一旦、周りに向けて大きく威圧した。
辺り一面のキラーエイブは硬直した。
かなり広めに威圧したので、各単体に与える威圧感は低い。
しかし、リュージにとってはそれで充分だった。
「アイテムボックス刀ーーー!!!」
大きく伸ばしたアイテムボックス刀を振り回す。
振り回す。
振り回す。
大きく振り回す。
振り回す…。
キラーエイブは仲間たちの屍を乗り越えて次々とやってきては、切られていた。
中には超低空姿勢で、アイテムボックス刀を避けて突っ込んでくるものもいた。
ジローの出番だ。
「ストーンウォール」
『ビターーーン!?』
アメリカのコミックアニメのように綺麗に壁にぶち当たる。
さらに追い討ちで、リュージのアイテムボックス刀がストーンウォールごと、キラーエイブの上半身と下半身を寸断する。
アイテムボックス刀はかなりの切れ味だ。
昨日より線が細くなっている。
その分切れ味が増しているようだ。
リュージはなぜ、ひたすらキラーエイブが突っ込んでくるのか疑問に思う。
最初に見たキラーエイブは背後を取るとか、戦略を持っていた。
幾ら数で押すと言っても限度がある。
考えられる可能性としては、そうせざる得ない事情がある。
何者かに命令されている。
リュージたちが、かなりの数のキラーエイブを虐殺した頃、正面から、3メートルはあろう大型のキラーエイブが出現した。
[鑑定小] ビッグキラーエイブ
切られたキラーエイブたちは、邪魔だったので、アイテムボックスに入れていた。
万一、逃げるとなったら、障害物以外の何ものでもない。
ビッグキラーエイブは大きな咆哮をあげる。
『うぉーーーうぉーーーー、!!!うぉーうぉーーー!!!」
威圧だ。
しかし、リュージには効果ない。
ジローもリュージ程ではなかったため、耐えることができた。
ビッグキラーエイブは威圧に対して、ケロっとしている2人を見て、あてが外れて悔しがる。
ゴロゴロ転がる。
悔しがりつつ、間合いを詰めてきた。
突然、ビッグキラーエイブは、ものすごい勢いで、跳躍する。
一気にリュージに迫る。
アイテムボックス刀は正面中頃に置いてあったため、間に合わない。
リュージは3つの、とても大きな口を開けたアイテムボックスを出現させた。
ビッグキラーエイブの上半身が入るか入らないかといったタイミングで、シャッゼム!
ビッグキラーエイブは真っ二つになり、下半身だけが地面に残った。
「いやー、まさか飛んでくるとはな。びっくりしたよ。」
「リュージさん、あれ、絶対誘ってましたよね。わざと低空からは無理だと思わせて、ジャンプさせましたよね。」
「んー、だって地面にゴロゴロ転がるから、低空狙いがミエミエだし嫌だったんだよ。でも、まさか途中で方向転換できない空中から迫ってくるなんてびっくりしたわ。誘いがあざと過ぎて、幾ら何でもこれはないと思ったんだがな。まぁ、結果オーライだ。」
ビッグキラーエイブの下半身を回収しつつ、辺りを警戒する。
キラーエイブたちは、自分たちのボスを瞬殺されて、既に戦意を喪失している。
やがて遠巻きに警戒しながら、残りのキラーエイブは森に消えていった。
リュージたちは戦いに勝った。
そして、体があつい。
ジローは思った。
『きっとこれは体がレベルアップして、何かしらステータスが上がっているに違いない。』
『今は知る術がないが、この世界はレベルアップという概念がある。レベルアップすると確実に強くなる。』
『自分たちは今日の戦いで、おそらくレベルアップした。経験値アップボール、スキルアップボールのおかげで、経験値とスキルは上がりやすい。』
『リュージさんといると楽しい。ずっとリュージさんといよう。』
リュージは思った。
『体力が上がった。確実に魔力やスキルも上がった。何となくだが、今まで出来なかったことができるようになった気がする。』
『自分をもっと詳細に鑑定できないかな。ステータスやレベルがどれくらい上がっているのか知りたい。アイテムボックスは生き物は入れられない。やはり自分は鑑定できないのか? 鑑定スキル小程度だと、スキル鑑定までしかてできないのか?』
『ジローの野郎と24時間365日、今後毎時毎晩過ごすのはどーなんだろうな?まぁ、ジローの野郎も正直なところ、ずっととは思ってないだろうし、その内、女つくるだろう。お互いその可能性はあるしな…。まぁ今のところいっか。』
双方の思い違いはあれど、2人は無事、キラーエイブとの戦いを乗り越えた。




