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012 野草採取はアイテムボックス鑑定で!

リュージたちは収穫作業の後、街に戻らず朝通ってきた街道の途中で、野草採取に取り掛かっていた。


「リュージさん、冒険者ギルドの依頼にあった野草ですが、どれくらいですか?」


「野草採取の最低納品数ってのがあって、今回は10種類だ。それぞれ5〜20まで、設定された納品数がある。実際は生えている場所にある程度、群生しているらしくまとめて採取できるそうだ。」


「街道から逸れて、だいぶ経ちますが、なかなかそれらしいもの見当たりませんね。」


「あー、いや、いくつか見かけたが、小さかったのと、数が少なかったので、採取しなかった。[採取の心得]というのが、冒険者ギルドの依頼確認書の裏面にあって、取り尽くすと、来年以降、そこから野草が生えてこなくなるから、『少し残す』『小さいのは取らない』というのが、ルールらしい。」


「あー、そうなんすね。確かに取り尽くしてしまったら、その後、困りますもんね。でも、リュージさん、それにしても、奥に入り過ぎじゃないですかね?」


「あー、そうだな。そろそろいいか。 ジロー、おめぇの土魔法、ここで見せてくれ。何ができる?」


「おっ、やりますか?自分、楽しみだったっす。ダンジョンまでお預けと思ってました。」


「えー、土魔法の代表的なものはストーンウォールとかっすかね。やってみます。 ストーンウォール!!!」


ジローが気合を入れて唱える。

すると、2メートルぐらいの土壁が3メートルぐらいの幅で出てきた。


「リュージさん、やりました。できましたよ。ストーンウォールっす。」


そう言ってジローは飛び跳ねる。

リュージの方からは壁があるため、髪の毛がチラチラ見えるだけだ。


「ストーンウォールなのに、土壁なんだな。」


「リュージさ…、エゥー、うぇぅぅー、魔法、土魔法できた、ストーン…ウォール…。」


ジローは男泣き…。

どうやら、ジローは昨日から、リュージの空間魔法を見せつけられ、自分が試せないのが悔しかったらしい。


「ジロー、、、…」


「ジロー…」


「おい!!ジロー、!!いい加減にしやがれ!!いつまで泣いてんだ!」


ジローはピクンとする。

また、リュージに威圧を向けられるんじゃないかと思って身構えた。

だが、リュージはジローに対しては威圧はしない。

ジローはホッとした。

そうホッとした途端に


「きゅーきゅーくゅー…」


ブラックアウト。


「リュージさん、ひどいっす。油断したときにピンポイントで威圧なんて、ムリムリっす。」


「バカヤロー、ここは異世界だぞ。しかも、街中じゃない。気合い入れていけ、気合い!!甘い世界じゃないぞ。」


リュージとジローは採取を始める。

リュージは予め、野草のイラストを見ていたのだが、実は嬉しい誤算があった。

鑑定小である。名前だけだが、鑑定できる。

そして、アイテムボックスに入れたら名前だけではなく、その野草のもっと詳しい内容まで、鑑定できた。


[コルポ草]製薬して傷回復ポーションの材料となる。簡単な傷なら揉みほぐして患部に当てておくと、治癒する。


[クロッソ草]製薬して毒消しポーションとなる。簡単な毒なら揉みほぐして患部に当てておくと消毒してくれる。


『この、テキストはいったい誰が書いているのだろう?』


とリュージは思ったが、後でスキルボールの店主、ネコミミ獣人さんに聞いたら


「鑑定の神さま ですよ。」


と、アッサリ返答があった。

やっぱり、神さま信仰はあったのね。


鑑定小で見て、だいたいあたりをつけて、アイテムボックスに入れて、閉めたら、綺麗にカット。

野菜収穫で鍛えた技術である。


ジローは鑑定はない為、リュージの指示に従って群生地にある同じものをカットしている。

ある程度、採取したらまた移動してまた採取といった具合だ。


「それにしても、ここは野草の宝庫だな。大して移動していないのに、こんなにもテンポよく採取できるなんて、楽すぎるな。」


「リュージさんもそう思いましたか、、自分もそう思っていました。人が入った形跡もないので、未踏破区域だと思います。」


「かなりの量、採取できたし、もう、充分だ。クエスト採取分は全部いけたし、そろそろ街に戻って配達クエストに取り掛かるか?」


「リュージさん、なんか、嫌な予感します。もしかしたら、知らない内にフラグ発言してしまったかもしれません。あそこ見て下さい。あれ、どー見ても猿ですよね。しかも、顔が異常にデカイっす。 モンスターっす。

こっちに向かって威嚇しています。」


[鑑定小] キラーエイブ :モンスター


「ジロー、モンスターだ。やるぞ。あっちもやる気だ。」


「アイテムボックスクローズ!!」

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