011 収穫作業はアイテムボックスで!
早朝、時間はだいたいだが、鐘の音によると、午前4時。
鐘の音は東西南北にある時計塔がそれぞれ6時間ごとに鐘を鳴らし、知らせる。
それぞれ、鐘の音が違う。
夜は夜中に聞いても、イライラが、来ないような鐘の音になっている。
また、夜中に鳴っても構わないエリアで鳴る。
逆に昼間は人の多いエリアで鳴る。
各エリアの時計塔は最高6回鳴る。
居住区が少ない西エリアの時計塔が2回鐘を鳴らせば、夜中の2時と言う訳である。
居住区が多い南区が鐘を6回鳴らせば、丁度、お昼の12時となる訳である。
そのため、人々は時間を何時何時と言うよりも、西2回だ、とか 東3回だとか言うことが多い。
リュージたちは西4回の鐘の音を聞いて、起床して、目的地へ向かう。
エロイムの郊外にある、農村地帯だ。
南門を抜けてしばらく歩くと、街中とは全く違った風景が広がる。
緑が広がる牧草地といった雰囲気だ。
ただし、手入れは全くされていないので、草は伸び放題だ。
街道を逸れると、あっと言う間にジャングルだ。
密林まではいかないが、人があまり入らないため、草木が豊かに育成している。
街道が無ければ真っ直ぐ進むのも困難だろう。
リュージたちは、足早に農村地帯を目指す。
小一時間も経たずに、目的地に到着する。
ギルドの資料によれば、収穫のサポート。
野菜や果物の収穫繁忙期らしい。
現地に着いたら、すでに数十人のサポーターが、畑に集合していた。
「待っていたぞ。今から、すぐに取り掛かってもらう。今きた2人は白菜とほうれん草、大根とごぼうの収穫をしてくれ。収穫をしたら、あっちに見える収穫倉庫にある、ザルに入れつつ、順に並べていってくれ。 採取する畑は、ここからあっちまでだ。」
「おーぃ、親父、ここからあっちってかなりあるぞ。辺り一面 白菜じゃねーか。広すぎねーか?」
ジローはついたばかりなのにいきなり壮大な作業を押し付けられたため、文句を言う。
「まぁ、こんなもんだ。白菜の次はほうれん草だ。向こうに見える濃い緑エリアがそうだ。今年は大豊作だ。うほほーぃ!!」
「ほうれん草、奥が霞んでるやんけ。マジで大豊作やなぁ。2人で今日中に終わるかな?」
ジローはあまりの多さに辟易した。
「大根とごぼうはあの辺りだ。早く、収穫倉庫に入れないと新鮮じゃなくなるだ。なるはやでお願いしたいだ。」
予想通り、尋常じゃない数だ。
「うむむむ。…。なんか予定と違うが、ここでクエスト放棄はできない。なるはやでやるしかないな。」
ジローは何かまだ釈然としないが、作業に取り掛かった。
一方、リュージは自分のスキルがどんな具合に作用するか早く知りたかったので、すぐに作業に取り掛かった。
「ジロー、とりあえず白菜をスコップで、掘っていってくれ。それを俺のアイテムボックスで回収していく。」
そう言って、リュージは自分でも畑に実った白菜を根元で切り、収穫していく。
少し慣れてきたので、アイテムボックスの閉じたタイプで白菜の根元を切ってみる。
ものすごい切れ味だ。
ただ、操作は難しい。
「んー、切る作業がかなり難しいな。アイテムボックスに勝手に入っていってくれればいいのだが…。」
量が多すぎだ。
白菜は畑に対して根だけが地面に埋まっている野菜だ。
「アイテムボックスで覆って、閉じた時、うまく根だけきれないかな?」
やってみる。
できた。
ただ、きちんと目視して覆うイメージをしないといけないようだ。
だが、作業効率は格段に上がる。
「ジロー、白菜は何とかいけそうだ。ジローは先に大根とごぼうを掘り出して、地面に置いておいてくれ。流石に地下にどれくらい埋まっているかわからないから、白菜と同じような作業はできないからな。」
「流石はリュージさんです。もう、最適解を見つけてるんすね。わかりやした。大根とごぼうはお任せ下さい。」
そう言ってジローは大根畑に向かう。
ジローは大根畑な行くと、ディグと硬化の魔法が付与されたスコップでサクサクと掘り出していく。
ほぼ、力なしで、地面にスコップは突き刺さり大根を掘り出す。
『ヤッベぇ、めっちゃ楽しくなってきた。おっと、大根に近過ぎて、大根を傷つけるところだった。気をつけなきゃな。』
大根は掘り出すときのコツは大根のすぐそばではなく、少し手間からスコップを入れ、テコの原理で掘り出す。
地面が柔らかく、そのまま引っ張って抜ける場合もあるが、ここは硬いようだ。
ジローはものすごい速さで、大根を掘り出して、ごぼう畑に向かった。
「ジロー、かなり早いな。もう、大根終わったのか?」
そう言って、後ろから、声をかけてきたのはリュージだ。
「リュージさん、どうしたんすか。休憩っすか?」
「いや、ほうれん草が終わったから、今から大根を回収するところだ。」
「えー、マジっすか、自分今、大根終わったばかりですよ。 リュージさん速すぎです。自分もかなりの速さで掘りましたっすけど、神速っすね。」
「慣れてきたら、ほぼ自動化したぞ。ほうれん草に入ったら、オープン、シャッゼム、オープン、シャッゼムとか、歌歌っていたわ。」
「何スカ、その反則。訳わかんないっす。」
ジローは話しつつ、ごぼうの収穫をするために、スコップで掘り出す作業を始めた。
ジローがごぼうを掘り出している途中で、大根をアイテムボックスに回収できたので、リュージは収穫倉庫へ行き、収穫した白菜とほうれん草、大根を取り出した。
ここで、大きな誤算があった。
回収は楽だったが、取り出すのは手を使って1つずつ取り出す必要があったので、大変だった。
収穫倉庫は[チルド]の魔法がかけられているらしく、収穫した際の新鮮さがなるべく損なわれないようになっていた。
これだけの規模で魔法がかけられているのは、すごい。
リュージは収穫した野菜を傷つけないように丁寧に下ろしていった。
再度、畑に行き、ジローが掘り起こしたごぼうを回収して、収穫倉庫に運んだ。
丸1日かかるかもと思われた作業も、2〜3時間もかからず終わったようだ。
リュージとジローは作業の指示をしていた担当者に報告する。
「うぉぉぉわーーーわ、おめーら、もう終わっちまったのか。遅く来たから、1番大変なのやらせたのに、まだ朝飯前だぞ。でも、ここにあるのは収穫した野菜たちだ。間違いないな。」
「こんなに早く終わらせるなんて、初めてだ。あぁー、ありがとうよ。お土産に野菜も少し持っていくといい。依頼確認書は今、持っているだか? おー、サインしとくだ。また来てくれな。」
リュージたちは感謝され、畑を後にする。
量に慣れてきました。
1話がだんだんと、長くなってきました、、




