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109 中級ダンジョン42階層2

ふっかーつ!!

サハギンたちはリュージが作ったエアーブリッジに次から次へと上がってきては、リュージたちの方に突っ込んでくる。

リュージたちも人数はまぁまぁいるのだが、サハギンの数はすでにリュージたちの3倍以上はいる。


「後ろを取られないように円陣系でー!!」


リュージはこの数は流石にヤバイと思ったので、安全策をとる。

鬼神族も獣人族もジロー作の兜のようなヘルメットを被っており、普通に不意打ちをくらっても大丈夫そうなのだが、いかんせん数が多い。

辛うじて、防衛ラインは突破されていないので、少人数でもなんとか、なっている。


「魔法で殲滅しよう。」


リュージがそう言うと、魔法が使えるものが一斉に魔法を発動させた。


ファイヤーボルト、サンダーボルト、ウォーターボルト、ウィンドーボルト、ファイヤーボール、ファイヤーウォール、ウォーターボール、ウィンドーカッター、ウォーターカッター、など、様々な魔法が飛び交う。

驚いたことに、ほぼ全員が魔法を使っての攻撃ができていた。

これは以前、スキルボールをリュージがコピーして頭数分渡したことも影響があった。また、モコート、トコートのスキルボールの店が提供したものもあったからだ。


加えていくら魔法を使おうと、今回のチームJにはミカがいるので不動であれば、60人程度の魔力回復は簡単である。


「よし、じゃぁ、次は物理攻撃行ってみよう。」


リュージは魔法攻撃が効きにくい個体がいるのを見て取れたので、戦法の変更を指示した。

実際は魔法攻撃でもサハギンに聞きやすいのはサンダー系の魔法だけで、他は効きにくいのであった。特に火系の魔法はサハギンが水属性と言うことを考えると相性は良くない。


ンギャーワォー、ンギャーワォー!!


不気味な鳴き声が鳴り響く。


ミカはその間に魔力回復ポーションを出して、自身の総魔力を回復する。

他人に魔力回復のスキルを発動させるには、ミカ自身が魔力を使うためだ。


「リュージ様、ミカ、そのうち、お腹ポンポンになっちゃう。」


まだ、1回しか飲んでないのにミカは泣き言を言い出した。

まぁ、確かに魔力回復ポーションなどそう何本も飲むものじゃない。

普段は自然回復で充分だったので、飲む機会がなかったためだ。


「もう少し減らすかな。」


リュージはエアーブリッジを変形させて、以前、スキャホルドと呼んでいた時のように、自分たちを中心に円状にした。

するとそれまでエアーブリッジを渡ってこちらに来ていたサハギンたちが一斉に水の中に落ちた。


「見えないだけで、水中にはまだかなりいるようだな。おぉ、閃いた。」


リュージはそう言うと、水中のサハギンに対して、ディメンションワールドの入り口を使って水ごとすくった。

入り口は10メートル四方だが、10匹以上のサハギンが金魚すくいのポイのようなディメンションワールドにすくわれていった。


「ほぉー、これは面白い。金魚すくいみたいだな。金魚じゃない、サハギンだから、サハギンすくいか。」


リュージはそういいつつ次々とサハギンをディメンションワールドのポイですくっていった。

当然ながら、ディメンションワールドの先はワールドになっている。

水も同時に入っていっているから、ディメンションワールドの中に入ったサハギンも生きているだろう。

元から陸上移動もしていたから水がなくても生きていける魔物だとは思うが。


ザブーーンとディメンションワールドのポイを入れては根こそぎ、サハギンをすくっていった。


『あまりやりすぎると、ダンジョンドロップがなくなるな。ほどほどにしておこう。』


リュージはかなりの数のサハギンをディメンションワールド内に入れたが、湖の中にはまだサハギンが数多くいているようだった。


「リュージ様、ミカはあれを思い出しました。幟町公園のコイ。餌に群がるコイとサハギンがそっくりです。」


ミカが言ったのは、リュージやミカがたむろしていた幟町公園のコイのことである。

ここの公園のコイは人影が見えると一斉に寄ってきて、池面一杯に広がり、口をパクパクさせるのである。

その姿たるや、まさにサハギンのようである。


「あそこのコイは襲ってこないから、サハギンよりはマシだけど、インパクトはコイの方が断然あったな。サハギンは地味過ぎる。」


リュージはどうでもいいことだったが、ミカの気持ちを思ってか、返答した。


何度かサハギンを魔法、物理、リュージのサハギンすくいを繰り返すうちに、やがてサハギンの最後が見えてきた。

サハギンのドロップはリュージが全て回収していた。



☆☆☆☆☆☆☆


ダンジョンマスター部屋


「マスター、42階層のサハギン詰まりが解消しました。ずっと詰まってパンパンだっなので、気になっていたのですが、なんかついさっき、お通じがあったようにスッキリ解消しました。」


「………… ………。」


☆☆☆☆☆☆☆


リュージはダンジョンでここまでたくさんのモンスターがひっきりなしに出てきたことはなかったので、本当にびっくりした。

おそらく湖の体積の数百倍に等しいぐらいのモンスターがいたに違いない。

現に、リュージがディメンションワールドですくったサハギンは移った先で元気にはしているが、3ワールド分を使う羽目になった。

なぜかはわからないが、ある一定以上、途中ですくえなくなったので、ワールドを増やしたのだった。

基本的にはワールドワンをコピーしているので、魔素濃度や環境は整っている。


リュージはたまたま今回はサハギンをすくっていったが、このワールドをどうこうすることは全然考えていなかった。

何も思い浮かばなければ、放置ワールドとなるだろう。

見たところ、一体一体はかなり凶悪で見た目もグロテスクで怖いとしかいいようがない。

これだけの量がいて、喧嘩した様子もないことから、単に典型的なダンジョンモンスターと言えるだろう。

リュージの広大なディメンションワールドを3つも消費して、なおかつその半分くらいはここで倒したことを考えると、ダンジョンモンスターとしては考えられないぐらいの量だったと言える。


サハギンのドロップ

・新鮮な魚身

・美味しいヒレ酒

・サハギンの素 *激レア

・中級魔石

・ウォーターボール スキルボール



鑑定大 /イベントリ鑑定


・新鮮な魚身:新鮮な魚の身。ナマ食よし、煮付けよし、焼きよしの三拍子そろった美味しい魚身。

・美味しいヒレ酒:ヒレ酒の一種。お酒好きにはたまらない。

・サハギンの素 *激レア: 水につけると吸収してサハギンが無限に増殖する。


「やったな。生魚ゲットだぜ。料理の幅が広がる。魚が食えるのは嬉しいな。」


リュージは思わぬドロップ結果に内心ニヤリとした。


「サハギンの素は、普通のところでは使うのはヤバイな。俺のディメンションワールドで使うべきだろう。そういえば、湖の水がいつのまにか無くなっていたな。」


リュージのサハギンすくいは結果的には良かったと言える。

その後、リュージたちは43階層に移動して引き上げたのだった。

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