第24章:大変革 - 森から農地へ
新たな発想
四王国との外交会談から、数日が経過した。
ある午後。
私は、城のバルコニーに立っていた。
眼下には、ドラゴンハート王国が広がっている。
繁栄している。
平和だ。
だが――
ふと、疑問が浮かんだ。
「我々は...全てを輸入している」
食材。
資材。
消耗品。
「なぜ、自分たちで生産しないのだ?」
そして――
閃いた。
「農業だ!」
古代知識の書への相談
私は、即座に永遠世界へと転移した。
三つの古代樹の元へ。
そして、古代知識の書を開いた。
「書よ」
私は尋ねた。
「ダーク・フォレストで――」
「農業は可能か?」
ページが、自動的にめくられ始めた。
パラパラパラパラ...
そして、特定のページで止まった。
『ダーク・フォレスト農業の可能性』
知識が、私の脳に流れ込んできた。
『理論上、可能です』
『ですが――』
『重大な問題があります』
『ダーク・フォレストには、魔力が過剰に集中しています』
『通常の植物は――』
『成長できません』
『突然変異するか、枯れるか』
「では...」
私は尋ねた。
「解決策は?」
『森の過剰な魔力を、吸収することです』
「どうやって?」
『あなたの1000万本以上の永遠の剣』
『それらは、無限の容量を持ちます』
『もし、森に展開し――』
『魔力吸収を命じれば――』
『全ての過剰エネルギーを、吸収できます』
大吸収作戦の発表
翌日。
私は、全ての配下を中央広場に集めた。
50,000名以上の住民が、集まった。
「皆、聞いてくれ」
私は宣言した。
「今日――」
「我々は、何か特別なことをする」
「ダーク・フォレストを――」
「変える」
ざわめきが広がる。
「森を...変える...!?」
1000万の剣召喚
私は、両手を天に掲げた。
「永遠の剣召喚――最大出力!」
(Eternal Sword Summoning: Maximum Output!)
瞬間――
空が、暗くなった。
いや――
剣で、埋め尽くされた。
1000万本の剣
空を覆い尽くす、無数の剣。
炎の剣。
氷の剣。
雷の剣。
光の剣。
闇の剣。
風の剣。
大地の剣。
全ての属性。
全ての形状。
1000万本以上の剣が――
空を埋め尽くしていた。
太陽の光さえ、遮られた。
全ての住民が――
完全に、言葉を失った。
「こ...これは...」
ヒマリが、震える声で言った。
「1000万本...!?」
グロマシュが叫んだ。
「マスターの力は...」
「これほどまでに...!?」
ラーヴァンも――
深く感銘を受けていた。
「息子よ...」
「お前は、毎日私を驚かせる」
魔力吸収開始
私は、全ての剣にテレパシーで命令した。
『ダーク・フォレスト全域に展開せよ』
『全ての隅々、全ての木々、全ての土地に』
『そして――』
『過剰な魔力エネルギーを吸収せよ』
『だが――』
『樹木と生物を傷つけるな』
『過剰分のみを吸収せよ』
瞬間――
WHOOOOOOSH!!!
1000万本の剣が、一斉に動き始めた。
それは、壮観だった。
無数の剣が、まるで鳥の群れのように――
森の隅々へと飛んでいく。
ダーク・フォレスト全域――
17,098,246平方キロメートル――
全てに、剣が展開された。
そして――
吸収が、始まった。
環境の変化
剣たちが、輝き始めた。
紫色。
青色。
緑色。
赤色。
金色。
それぞれの剣が、異なる属性の魔力を吸収している。
【世界の声】:『大規模魔力エネルギー吸収開始。推定時間:6時間。警告:環境変化が予想されます。』
第1~2時間
空気が、軽くなり始めた。
これまで常に感じていた――
重圧的で、息苦しい感覚が、薄れていく。
突然変異していた植物が、正常に戻り始めた。
第3~4時間
空が、晴れ始めた。
これまで、常に薄暗かった森に――
太陽の光が、完全に差し込むようになった。
動物たちの鳴き声が、変わった。
より穏やかに。
より平和的に。
第5~6時間
森の色が、変わり始めた。
暗緑色だった木々が――
明るい緑色に変わっていく。
新種の花が、咲き始めた。
水源が、透明になった。
完了
6時間後――
全ての剣が、永遠世界へと戻った。
【世界の声】:『吸収完了。総魔力エネルギー吸収量:95%。ダーク・フォレストは現在、通常森林エネルギーレベルです。農業:可能。』
私は、周囲を見渡した。
ダーク・フォレストは――
もはや、暗くなかった。
美しく、活気に満ちた森になっていた。
セレスティアが、感動して言った。
「これは...信じられない...」
「森が、完全に変わった...!」
ルナが、興奮して叫んだ。
「見て!あそこに普通のウサギがいる!」
「突然変異してない!」
森林伐採計画
「さて」
私は宣言した。
「農業のためには――」
「土地が必要だ」
「つまり――」
「いくつかの木を、伐採しなければならない」
シルヴァラ(自然のガーディアン)が、懸念を示した。
「ですが、ヴィカース様...」
「樹木は...」
「分かっている」
私は頷いた。
「慎重に行う」
「指定された区域のみ」
「そして――」
私は約束した。
「伐採する木1本につき――」
「10本の新しい木を植える」
全員が、頷いた。
計画的伐採
翌日。
組織的な伐採が始まった。
役割分担
オーガたち - 樹木の伐採(彼らの力が完璧だった)
ドワーフたち - 土地の整地
ドライアドたち - 不必要な損傷がないよう監視
狐族たち - 魔法で根を安全に除去
二週間の作業
二週間後――
約10,000エーカー(約40平方キロメートル)の土地が、開拓された。
平らで。
肥沃で。
農業に完璧な土地。
専門家の必要性
「だが――」
私は太郎に言った。
「問題がある」
「我々の誰も――」
「農業を知らない」
太郎が、微笑んだ。
「私が、手伝えます」
「サンライズ帝国に――」
「経験豊富な農家の知り合いがいます」
ドゥリン王が付け加えた。
「我が王国にもいる」
「ドワーフは、優れた鉱夫だが――」
「地下農業の専門家もいるのだ」
「完璧だ」
私は言った。
「彼らを、ここに呼んでくれ」
「良い報酬を支払う」
12名の農業専門家
二日後――
12名の経験豊富な農家が、ドラゴンハート王国に到着した。
サンライズ帝国から(7名)
ケンジ - 稲作専門家
ハナ(女性) - 野菜栽培専門家
タロウ - 果樹園専門家
ユキ(女性) - 薬草と香草専門家
ダイチ - 灌漑システム専門家
サクラ(女性) - 輪作専門家
リク - 害虫駆除と土壌健康専門家
ドワーフ王国から(3名)
ソーリン・アースティラー - 地下農業専門家
ギルダ・ルートワイズ(女性) - キノコ栽培専門家
ボーリン・シードキーパー - 種子保存専門家
エルフ国家から(2名)
エランディール - 魔法植物栽培専門家
シルフィナ(女性) - 森林共生農業専門家
第一印象
12名の農家が、王国に到着した時――
彼らは、驚愕した。
「ここが...」
ケンジが呟いた。
「ダーク・フォレストの中...!?」
「でも、こんなに明るい...!」
ハナが言った。
ソーリンが、微笑んだ。
「ドゥリン王が、特別な場所だと言っていた」
「今、理解した」
そして――
オーガ、狐族、竜たちを見た時――
少し緊張した。
だが、全員が温かく歓迎した。
訓練セッション開始
翌日。
開拓された土地で――
最初の訓練セッションが始まった。
ケンジが説明した。
「農業は、単に種を蒔くことではありません」
「それは――芸術です」
「土壌を理解すること」
「天候を理解すること」
「水を理解すること」
100名以上のボランティアが、注意深く聞いていた。
オーガたち(力仕事用)
狐族の一部(魔法補助用)
ドライアドたち(植物との繋がり用)
王国に住む普通の人間たち
ハナが、土壌を調べた。
「この土壌...」
「完璧です!」
「魔力エネルギーが、今やバランスが取れている」
「ここでは――」
「何でも育ちます!」
最初の植え付け
二週間の集中訓練の後――
最初の植え付けが始まった。
農地配分
区画1:稲田(5000エーカー)
区画2:野菜(2000エーカー)
ニンジン、キャベツ、トマト
区画3:果物(2000エーカー)
リンゴ、オレンジ、ベリー類
区画4:薬草(500エーカー)
薬用および料理用ハーブ
区画5:実験区(500エーカー)
魔法植物
ダイチが、灌漑システムを設計した。
水を効率的に配分するため。
結果への期待
「通常」
ケンジが説明した。
「稲が育つには、3〜4ヶ月かかります」
「野菜は、2〜3ヶ月」
だが――
エランディール(エルフの農家)が言った。
「ですが、この土壌は非常に豊かです」
「もしかしたら――」
「より早く育つかもしれません」
シルヴァラが、自然魔法で植物を祝福した。
「成長の祝福を与えました」
「様子を見ましょう」
全員が、希望を持って――
待ち始めた。
ドラゴンハート王国は――
もはや、軍事力や経済力だけの大国ではなかった。
それは――
自給自足可能な文明へと、進化していた。




