第143章:二十七人のユキ問題 - ハナだけがお茶を運べる理由
序章 - 名前について
名前は。
大切だ。
名前があれば。
その存在が確かになる。
名前があれば。
呼べる。
名前があれば。
届く。
しかし。
同じ名前を。
二十七人以上につけると。
何が起きるかについて。
誰も教えてくれなかった。
私も知らなかった。
知った日に。
遅すぎた。
第一章:始まりの話 - 暗黒大陸の記憶
過去 - 暗黒大陸
暗黒大陸は広かった。
非常に広かった。
人間が来る場所ではなかった。
しかし私は来た。
十一人の至高の精霊を連れ帰る前のことだ。
暗黒大陸には。
様々な存在がいた。
その多くが。
名前を持っていなかった。
神珠尾と同じように。
名前がなかった。
誰も呼ばなかったから。
私が見つけるたびに。
名前を与えた。
最初の者に。
ユキという名前を与えた。
白い霧の中にいた存在だった。
雪のようだったから。
ユキにした。
二番目の者も。
少し似ていたから。
ユキにした。
三番目の者は。
全く違う種類の存在だったが。
なぜかユキにした。
(なぜそうしたかは。)
私は内心で思った。
(今となっては。)
(よくわからない。)
それから。
しばらく続いた。
ユキが増えた。
増えた。
また増えた。
王国に戻った時。
数えた。
二十七人以上だった。
全員の名前がユキだった。
第二章:問題の発覚
宮殿の廊下 - ある朝
最初に気づいたのはリスカレスだった。
「マスター。」
リスカレスが来た。
「何だ。」
「名前の件で報告があります。」
「名前の件?」
「はい。」
リスカレスは言った。
「暗黒大陸から連れてきた存在たちの。」
「名前の件です。」
「何かあったか。」
「全員の名前を確認しました。」
リスカレスは言った。
「そうか。何人いた。」
「ユキが二十七人います。」
リスカレスは言った。
私は止まった。
「二十七人。」
「はい。」
「全員ユキか。」
「はい。」
「...。」
「加えて。」
リスカレスは言った。
「加えて?」
「まだ数えていない存在が。」
リスカレスは言った。
「いくつかいます。」
「それも恐らくユキです。」
「...そうか。」
私は言った。
「問題があります。」
リスカレスは言った。
「言ってくれ。」
「ユキと呼ぶと。」
リスカレスは言った。
「全員が来ます。」
「全員が。」
「はい。」
「昨日。」
リスカレスは言った。
「ユキに書類を取ってもらおうとしました。」
「するとユキが来ました。」
「何人来た。」
「二十三人来ました。」
リスカレスは言った。
「残りの四人は。」
「他のことをしていたので気づきませんでした。」
「後から来ました。」
「二十三人が書類を取りに来たのか。」
「はい。」
「書斎が埋まりました。」
「...。」
「次の問題は。」
リスカレスは言った。
「次もあるのか。」
「はい。」
「お茶の件です。」
「お茶の件。」
「マスターがユキにお茶を頼むと。」
リスカレスは言った。
「全員がお茶を持ってきます。」
「全員がお茶を。」
「二十七杯以上のお茶が来ます。」
リスカレスは言った。
「...実際にそうなったか。」
「今朝。」
リスカレスは言った。
「なりました。」
第三章:今朝の事件
書斎 - 今朝
今朝のことを思い出した。
「ユキ。」
私は言っていた。
「お茶を頼む。」
しばらくして。
扉が開いた。
ユキが来た。
白い髪のユキが。
お茶を持って。
続いて。
扉が開いた。
また開いた。
ユキが来た。
また別のユキが来た。
また来た。
また来た。
全員がお茶を持っていた。
全員が私にお茶を渡そうとしていた。
書斎がユキで満ちた。
「...。」
私は止まった。
「マスター。」
最初に来たユキが言った。
「お茶をどうぞ。」
「マスター。」
二番目のユキが言った。
「お茶をどうぞ。」
「マスター。」
三番目のユキが言った。
「お茶をどうぞ。」
二十七回。
同じ言葉が来た。
書斎にお茶が二十七杯以上並んだ。
私は。
お茶を一杯だけ持った。
「ありがとう。」
私は言った。
全員が嬉しそうだった。
二十七人以上のユキが。
全員嬉しそうだった。
(これは困った。)
私は内心で思った。
(お茶が二十七杯ある。)
(飲めない。)
(しかし。)
(全員嬉しそうだから。)
(捨てるとは言えない。)
(どうするか。)
それが今朝の問題だった。
第四章:会議
会議室 - 午前
リスカレスが会議を開いた。
参加者は私とリスカレスと。
クロガネと。
アクアと。
ハナだった。
「問題は明確です。」
リスカレスは言った。
「ユキという名前の存在が。」
「二十七人以上います。」
「全員がユキという名前に反応します。」
「マスターがユキを呼ぶと。」
「全員が来ます。」
「解決策は。」
クロガネは言った。
「名前を変えることです。」
「変えない。」
私は言った。
「...なぜですか。」
「名前を与えた。」
私は言った。
「変える理由はない。」
「しかし二十七人以上が同じ名前です。」
クロガネは言った。
「知っている。」
私は言った。
「では番号をつけますか。」
リスカレスは言った。
「ユキ一号。ユキ二号。」
「そのように。」
「変えない。」
私は言った。
「...全員ユキのままですか。」
「そうだ。」
会議室が沈黙した。
アクアが言った。
「では名前は変えない前提で。」
アクアは言った。
「解決策を考えます。」
「頼む。」
「お茶の問題を例に考えます。」
アクアは言った。
「マスターがユキにお茶を頼むと。」
「全員が来ます。」
「これを防ぐには。」
「ユキ以外の者がお茶を運べば良い。」
「ユキ以外の者か。」
「はい。」
アクアは言った。
「マスターがお茶を飲みたい時は。」
「ユキ以外の者に頼む。」
「するとユキは来ない。」
「では誰がお茶を運ぶのか。」
リスカレスは言った。
全員が考えた。
ハナが手を上げた。
「私!」
ハナは言った。
「ハナが。」
リスカレスは言った。
「私が運ぶ!」
ハナは言った。
「私はユキじゃないから来ない!」
「私が運べばいい!」
「...それは正しいが。」
リスカレスは言った。
「ハナが毎回来られるとは限らない。」
「ハナが忙しい時は。」
「どうする。」
ハナは考えた。
「その時は!」
ハナは言った。
「ユキに手伝ってもらう!」
「でも私がリーダー!」
「私の許可がないと運べない!」
「なぜ。」
リスカレスは言った。
「私がリーダーだから!」
ハナは言った。
「なぜリーダーなのか。」
「私が決めたから!」
ハナは言った。
リスカレスは私を見た。
「...どう思いますか。」
「良い案だ。」
私は言った。
「マスター。」
リスカレスは言った。
「本当に良い案だと思いますか。」
「ハナが運ぶ。」
私は言った。
「ユキは手伝う。」
「ハナの許可が必要。」
「シンプルな規則だ。」
「シンプルな規則は守れる。」
「...わかりました。」
リスカレスは言った。
「やった!」
ハナは言った。
「私がリーダー!」
「リーダーという言葉は。」
アクアは言った。
「使わなくていいかもしれませんが。」
「でもリーダー!」
ハナは言った。
「...。」
アクアは何も言わなかった。
第五章:特別なユキの登場
廊下 - 午後
会議が終わった後。
廊下を歩いていた。
誰かが来た。
白い髪だった。
紫の目だった。
メイド服を着ていたが。
他のユキとは違う雰囲気だった。
「マスター。」
その者は言った。
(ユキか。)
私は内心で思った。
(しかし。)
(何か違う。)
「ユキか。」
私は言った。
「はい。」
その者は言った。
「ユキです。」
「...名前以外も教えてくれ。」
私は言った。
「暗黒大陸の森で。」
その者は言った。
「マスターに見つけていただきました。」
「そうか。」
「他のユキとは少し違います。」
その者は言った。
「どう違う。」
「ユイコ様の傍にいます。」
その者は言った。
「ユイコの傍に。」
「はい。」
その者は言った。
「ユイコ様が退屈していると。」
「私が現れます。」
「ユイコ様が困っていると。」
「私が解決します。」
「ユイコ様のことを。」
「誰よりも知っています。」
「ユイコより知っているか。」
私は言った。
「知っています。」
そのユキは言った。
自信を持って。
「なぜか。」
「ユイコ様は自分のことを。」
そのユキは言った。
「正確に把握していないからです。」
「私の方が正確に把握しています。」
「それはユイコに言ったことがあるか。」
「ありません。」
そのユキは言った。
「言うと怒るから。」
「正直だ。」
私は言った。
「私のことも。」
そのユキは言った。
「少し知っています。」
「どのくらい知っている。」
「マスターは優しすぎる。」
そのユキは言った。
「ユイコ様を子供のように扱います。」
「だから私がいても怒りません。」
「子供のように扱っているわけではない。」
私は言った。
「では何ですか。」
「...ユイコはまだ多くのことを学んでいる最中だ。」
私は言った。
「サポートが必要な時がある。」
「それを子供のように扱うと言います。」
そのユキは言った。
「しかしマスターはそれをしているから。」
「ユイコ様は安心しています。」
「だから私も認めます。」
「認めるか。」
私は言った。
「私はマスターを認めています。」
そのユキは言った。
「マスターがユイコ様に人間の形を与えた。」
「だから私もここにいられます。」
「感謝しています。」
「それは聞けた。」
私は言った。
「一つ確認があります。」
そのユキは言った。
「何だ。」
「名前についてです。」
そのユキは言った。
「他にも多くのユキがいると聞きました。」
「そうだ。」
「私は他のユキと混同されたくないです。」
そのユキは言った。
「どうする。」
「区別してください。」
そのユキは言った。
「どうやって区別する。」
「私はユイコ様の傍にいます。」
そのユキは言った。
「それで十分なはずです。」
「...そうか。」
私は言った。
「ではユイコの傍にいるユキと覚えておく。」
「それで十分です。」
そのユキは言った。
「お茶のことは知っているか。」
私は聞いた。
「知っています。」
そのユキは言った。
「ハナ様が運ぶことになったと。」
「それはどう思う。」
「正しい判断です。」
そのユキは言った。
「ハナ様はユキではない。」
「呼ばれても来ない。」
「お前は来ない方か。」
「私は。」
そのユキは言った。
「ユイコ様のお茶は運びます。」
「マスターのお茶はハナ様に任せます。」
「それが正しい分担だと思います。」
「合理的だな。」
私は言った。
「私は合理的です。」
そのユキは言った。
「他のユキとの違いです。」
「...そうか。」
私は言った。
「他のユキは合理的ではないのか。」
「合理的ではありません。」
そのユキは言った。
「全員がお茶を持ってくることが証拠です。」
「それは否定できない。」
私は言った。
第六章:ハナの初任務
書斎 - 午後
ハナが来た。
リーダーとしての最初の任務が来た。
「マスター!」
ハナは言った。
「今日からお茶は私が運ぶ!」
「リーダーとして!」
「そうだ。」
私は言った。
「ユキたちには伝えました!」
ハナは言った。
「私の許可がないと運べないって!」
「どう伝えた。」
私は聞いた。
「全員を集めて!」
ハナは言った。
「話しました!」
「全員が来たか。」
「来ました!」
ハナは言った。
「二十七人以上が全員来て!」
「廊下がいっぱいになりました!」
「そうか。」
「でも伝えました!」
ハナは言った。
「マスターのお茶は私が運ぶ!」
「手伝いたい時は私に言うこと!」
「許可したら手伝える!」
「反応はどうだった。」
「みんな頷いてくれました!」
ハナは言った。
「ちゃんと理解してくれました!」
「良かった。」
私は言った。
「では!」
ハナは言った。
「今すぐお茶を運びます!」
「マスターはお茶が飲みたいですか!」
「頼む。」
「はい!」
ハナは出ていった。
しばらくして。
戻ってきた。
お茶を持って。
一杯だけ。
「どうぞ!」
ハナは言った。
「一杯だけか。」
私は言った。
「はい!」
ハナは言った。
「一杯だけです!」
「良かった。」
私は言った。
「ありがとう。」
「えへへ。」
ハナは言った。
「リーダーとして初任務完了です!」
「リーダーという言葉は。」
私は言った。
「使っていいですか!」
ハナは言った。
「...使っていい。」
私は言った。
「やった!」
しかし。
扉が少し開いた。
隙間から。
顔が見えた。
一つ。
二つ。
三つ。
ユキたちだった。
廊下に並んでいた。
書斎の中を覗いていた。
「...。」
ハナが気づいた。
「何してるの!」
ハナは言った。
「覗かないで!」
「マスターがお茶を飲んでいるか確認したかった。」
一人のユキが言った。
「確認しなくていい!」
ハナは言った。
「美味しいかどうかが気になる。」
別のユキが言った。
「後で教えます!」
ハナは言った。
「だから今は廊下に戻って!」
少し間があった。
顔が消えた。
「行きました!」
ハナは言った。
「ありがとう。」
私は言った。
「リーダーの仕事です!」
ハナは言った。
お茶を飲んだ。
美味かった。
アクアが淹れたお茶だった。
「ハナ。」
私は言った。
「はい!」
「ユキたちに後で伝えてくれ。」
私は言った。
「美味かったと。」
ハナの顔が輝いた。
「はい!絶対伝えます!」
第七章:夕方の事件
廊下 - 夕方
夕方になった。
廊下を歩いていた。
曲がり角で。
止まった。
廊下にユキが並んでいた。
長い列だった。
どこまでも続いていた。
「...何をしている。」
私は言った。
「ハナ様を待っています。」
先頭のユキが言った。
「なぜ。」
「お茶を運ぶ許可をもらうために。」
ユキは言った。
「ハナはお茶が必要な時に来る。」
私は言った。
「今お茶を頼んでいない。」
「知っています。」
ユキは言った。
「では何を待っている。」
「マスターがお茶を頼む時のために。」
ユキは言った。
「準備しています。」
「いつ頼むかわからないのに。」
私は言った。
「準備しています。」
ユキはもう一度言った。
「...どのくらい待っている。」
「三時間です。」
ユキは言った。
「三時間。」
私は繰り返した。
「はい。」
「帰れ。」
私は言った。
「でも。」
「帰れ。」
私はもう一度言った。
「...わかりました。」
列が動いた。
二十七人以上が。
それぞれの方向に歩いていった。
最後の一人が。
振り返った。
「マスター。」
「何だ。」
「またいつでも呼んでください。」
ユキは言った。
「...わかった。」
私は言った。
ユキが去った。
廊下が空になった。
ハナが来た。
後ろから走ってきた。
「マスター!」
ハナは言った。
「ユキたちが廊下にいたって聞きました!」
「見逃しました!」
「帰した。」
私は言った。
「私が許可を出す前に!」
ハナは言った。
「帰すのも許可が必要か。」
私は言った。
「...。」
ハナは少し考えた。
「帰すのは大丈夫です!」
ハナは言った。
「お茶を運ぶ時だけ私の許可が必要です!」
「了解した。」
私は言った。
「よかった!」
ハナは言った。
第八章:特別なユキの観察
ユイコの部屋 - 夜
特別なユキが。
ユイコの部屋の前に立っていた。
音が聞こえた。
ユイコの声が。
部屋から出てきた。
「退屈だ。」
ユイコの声が言っていた。
特別なユキは。
扉を開けた。
ノックはしなかった。
「ユイコ様。」
特別なユキは言った。
「ユキか。」
ユイコは言った。
「退屈ですか。」
「退屈だ。」
「わかっていました。」
特別なユキは言った。
「わかっていたなら早く来い。」
ユイコは言った。
「来るタイミングを考えていました。」
特別なユキは言った。
「考える必要はない。」
ユイコは言った。
「ユイコ様のことは。」
特別なユキは言った。
「私が決めます。」
「なぜお前が決める。」
「ユイコ様のことを一番知っているから。」
「私の方が私のことを知っている。」
「それは違います。」
特別なユキは言った。
「ユイコ様は自分が退屈だと気づくのが遅い。」
「私は三分前から知っていました。」
「三分前?」
「私はユイコ様のことを。」
特別なユキは言った。
「時系列で把握しています。」
「...気持ち悪い。」
ユイコは言った。
「把握するのが私の仕事です。」
特別なユキは言った。
「仕事ではなく友達でいろ。」
ユイコは言った。
「友達と仕事は両方できます。」
特別なユキは言った。
「...お前は変わっているな。」
ユイコは言った。
「ユイコ様も変わっています。」
特別なユキは言った。
「似た者同士だから合います。」
ユイコは少し間を置いた。
「...否定できない。」
ユイコは言った。
「では何をしますか。」
特別なユキは言った。
「お茶を飲む。」
「わかりました。」
特別なユキは言った。
「私が運びます。」
「ハナの許可は必要か。」
ユイコは言った。
「ユイコ様のお茶は。」
特別なユキは言った。
「マスターのお茶ではないので。」
「許可は不要です。」
「賢い解釈だ。」
ユイコは言った。
「ありがとうございます。」
特別なユキは言った。
お茶が来た。
二人が飲んだ。
「一つ聞いていいか。」
ユイコは言った。
「どうぞ。」
「他のユキはどんな者たちだ。」
ユイコは言った。
「真剣です。」
特別なユキは言った。
「マスターに認められたいと。」
「全員が思っています。」
「それだけか。」
「それだけです。」
特別なユキは言った。
「シンプルな存在たちです。」
「お前もシンプルか。」
「私は複雑です。」
特別なユキは言った。
「自分でそう言うか。」
「ユイコ様のことを把握しているので。」
特別なユキは言った。
「自然に複雑になりました。」
「...そうか。」
ユイコは言った。
二人でお茶を飲んだ。
夜が続いた。
エピローグ - 書斎の夜
書斎 - 夜
私は書類を見ていた。
ノック音が来た。
一回。
「誰だ。」
「ハナです!」
「入れ。」
ハナが入ってきた。
お茶を持っていた。
「夜のお茶です!」
ハナは言った。
「マスターが飲みたいかなと思って!」
「ありがとう。」
私は言った。
「えへへ。」
ハナは言った。
「一つ聞いていいか。」
私は言った。
「はい!」
「今日ユキたちの様子はどうだった。」
ハナは少し考えた。
「みんないい子たちです!」
ハナは言った。
「ちゃんと言うことを聞いてくれました!」
「そうか。」
「でも。」
ハナは言った。
「でも?」
「廊下に三時間いたのは。」
ハナは言った。
「びっくりしました。」
「そうだな。」
私は言った。
「マスターのことが好きなんだと思います。」
ハナは言った。
「そうか。」
「だから待ってたんです。」
ハナは言った。
「お茶を運びたくて。」
「それは困った。」
私は言った。
「でもかわいいと思います!」
ハナは言った。
「二十七人以上が。」
私は言った。
「廊下に三時間いるのはかわいくない。」
「でもみんなそう思ってたんです!」
ハナは言った。
「マスターのために何かしたい!って!」
「...そうか。」
私は言った。
「明日から気をつけます!」
ハナは言った。
「廊下に長く立たせないようにします!」
「頼む。」
「はい!」
ハナが出ていった。
書斎が静かになった。
お茶を飲んだ。
一杯だけ。
美味かった。
「二十七人以上のユキが。」
私は思った。
「全員がお茶を持って来ることがなくなった。」
「良かった。」
「しかし。」
「廊下に三時間待っていたのは。」
私は思った。
「どうするか考えなければならない。」
「次は別の場所で待つかもしれない。」
「四時間待つかもしれない。」
「明日のことは明日考えよう。」
私は思った。
書類を続けた。
廊下から音が来た。
足音が。
一つ。
二つ。
三つ。
通り過ぎた。
(ユキか。)
私は思った。
(何人通った。)
(数えたくない。)
書類を見た。
仕事を続けた。
王国の夜が続いた。
どこかでユキが何かをしていた。
二十七人以上が。
それぞれ何かをしていた。
全員が同じ名前を持って。
全員が違う存在として。
王国にいた。
「それで良い。」
私は思った。
「名前が同じでも。」
「それぞれが違う。」
「それが正しい。」
「ユキという名前が好きだったから。」
「全員につけた。」
「後悔はない。」
「ただ。」
「お茶は一杯でいい。」
それだけだった。
【リンクが開けない方へ】カードの見方・別ルート案内
皆さん、こんにちは!
「ダークコンチネント:生きる大陸と至高の支配者」の作者です。
前回のキャラクターカード集について——
リンクをクリックしても開けない、
という声をいただきました。
そこで、別のルートをご案内します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ リンクが開けない場合
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もし——
記事内のリンクをクリックしても
うまく開かない場合は。
お使いのブラウザで、
以下のURLを直接検索欄に
コピー&ペーストしてみてください。
【安全なリンクです。ご安心ください】
https://drive.google.com/drive/folders/1aeslFKS4Ox7hypyBQaSOJpGBuYAr6Nip
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 貼り付け方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 上のURLを長押しして「コピー」
2. Google などの検索アプリを開く
3. 検索欄(アドレスバーでも可)に貼り付け
4. 開くと、キャラクターカードのフォルダが表示されます
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これで、カードをご覧いただけるはずです。
もし、それでも開けない場合は——
コメントで教えてください。
毎日19:00更新中。
お楽しみに!
#世界設定 #キャラクターカード集 #ライトノベル #ダークコンチネント




