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妹と妹と妹もどきと偽妹と偽妹と

アースが気を利かせすぎて灯里たちを呼び寄せた…ちゃっかりアース自身は撤退しているし。雰囲気に耐えられなかったのか…


でも、リーゼアリアとアリエルアを呼ぶ意味が分からない。というより、このまま襲われる気がしてならない。



「というわけで、灯里ちゃんと灯奈ちゃんは双子だけど灯奈ちゃんは死産して、その魂はあたしがちょこちょこっと…」



黒幕駄女神ばかなたが本人以上に詳しいのも疑問だが、やらかし過ぎだろうと思う。というか、そこまでやらかして構わないのかと思う…それに、何故黙っていたのかと。



「ふむふむ…つまり、生き別れの妹フラグ再びってわけだねっ!」


「「いや、死んでるから」」



生き別れの姉妹が的確なツッコミを入れた。灯里と灯奈…1人だったら里奈って名前になったそうな。ほら、余計な事を言うから「じゃあ、合体したらそう名乗ろう」なんて自称姉がそんな事言い出した。



「…奏多。お前、カティナを実験台にしたんだろ…俺がアレクの体に馴染むかどうかの」


「あ、あははぁ…」



奏多は視線を逸らした。やっぱりそうか。こいつ、俺のためとか言いつつ何でもやらかしそうで怖い。神とか送り込んで俺に倒せようとか考えてるんじゃないかと思えてきた。まあ、未だに世界をくっつけようとしている奴らは所在不明なんだが。



「と、とりあえずカティナちゃんにも指輪を渡してあげないと。妹だからって裸まで見たんだし」


「妹だから裸見たのはノーカンな気もするんだけど…」



見られた本人が開き直ろうとしているんだが…明らかに優秀な妹はこっちだ。



「カティナ。お兄ちゃんと一緒に幸せになるのは藤島家の繁栄になるんだよっ!」



明らかにダメな妹が変な事を言い出した。繁栄以前に子孫全滅で断絶してんだがな。考えてみれば親不孝な兄妹だったな、俺ら…



「こんなのが姉なら、生まれてこれなかったのが幸せだった…」


「その結果、殺されてしまったんだけどね」



奏多が塩を塗り込む。恨みでもあるのかと…



「でも、これであたしがお兄の左側には居られなくなっちゃうのかって思うとちょっと寂しいかな」


「…何をバカな事を言ってるんだよ」



本当にばかなたになってしまってるのか?


左側も右側も無いだろと。ハーレムの人数を数えてこいと言いたい。そう仕向けた実行犯のくせに…



「一度手に入れたものを手離すほど俺は甘くないぞ。手が足りないなら生やしてでもお前らの居場所を作る」


「お兄、さすがにそれは無いよ…」


「お兄ちゃんが分裂して増えるのは全然構わないよっ!」


「本当に灯奈として生まれなくて良かったと思う…こんな姉が居たら発狂する」


「その気持ち、なんとなく分かります…」



カティナとアリエルアが共感していた。まあ、あかりん菌に感染していたリーゼアリアを見ていたらそう思うよなぁ…



「それよりトウマ様…カティナさんに指輪を渡さないんですか?」


「渡した瞬間に襲ってきそうだから躊躇してる…」


「こんなのと一緒にしないで欲しい。妹に生まれなかったからこそ、異様さは尚更分かる。それに…妹でないからこそ一緒に居たい」


「そこは、リーゼアリアちゃんとアリエルアちゃんみたいにお兄ちゃんを思いつつ目の前で誘惑してってところだよっ!」


「「なっ…」」



リーゼアリアとアリエルアが灯里の指摘に絶句してるが、優秀なメイドたちからその話は聞いてる。2人の部屋のシーツ交換が大変だから早く何とかしろと。



「もうこのままこのメンバーで一線越えちゃおうよ。そうすればお兄だって躊躇しないで済むだろうし」


「何言ってやがる…それに、まだ残ってるだろ」



叩かれたり殴られたり引っ掻かれたりはしたが、きちんと向き合う必要あるわけだし。不誠実な事は…以下略にしておく。堂々巡りだからな。



「お兄ちゃんを殴るような子はお断りだよっ!」


「お兄デュラハンに斬りかかった時点で全滅だけどね…その理屈だと」


「とりあえず、こっちは放置しておいて指輪を渡すからな。いつまで経っても話が進まない」



カティナの左手を取り、指輪を嵌める。やる事はやったから、さっさと寝たい。というより、安らぎが欲しい。今朝の事もあるから叩き起こされない環境が欲しい。ちょっと酷いとは思うが、このメンバーと安眠なんて無理だ。


そう言ったらどうなるかは分かっているから言わないが…




「…とりあえず、あの14人にはもう一度確認してから渡すか渡さないか。あるいは、左か右かを考えたいと思う。状況によってはカティナが最後かもな」


「それは無いと思うよ。むしろ、14人で済むかなぁ…」


「また捧げ物とか…」



妹たちが不吉な事を言い出した。殴られた恨みでスルーしてもいいだろうか…



「…そういう時こそ、推薦とかじゃないんですか?」



アリエルアがよく分からない事を言い出した。推薦とか今まで灯里主体で散々やってきたわけだし。



「推薦されても嫌われてたら意味無いだろ」


「胸の足りない女の子たちに殴り飛ばされたからって、お兄は卑屈になりすぎだよ。無ければ揉んで大きくしてあげればいいだけなんだから…それに、お兄は足りない方が好きなんでしょ?」


「勝手に人の好みを決めつけるな」



奏多が自虐的になっているのはさておき、リーゼアリアたちが要塞都市と大森林の愉快な仲間たちのために頑張ろうと話し合っていた。俺に嫌われたら死活問題だとか物騒な事を言っている。


別に嫉妬とかで殴られたのは構わないんだけどな。逆の立場なら羨ましいから殴るなんて理屈はハーレムとかにはありきたりだし…


ただ、そういう話は当人の前でやるべきではなかろうか?


結局、5人で盛り上がったものの14人とあまり接点の無いこいつらでは役に立たないどころか無駄に夜更かししただけだと気付いたのは明け方近くになってからだった。

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