第52話:え?……………突然のプロポーズ?!
このお話は主人公目線で語り口のように綴っております。
あの日以来、私たちの交際は順調だった。
会社の中でも自然と私達の仲が広がり、今では私は社長秘書であり、社長の恋人であると誰もが知るようになった。私は何だか恥ずかしかったけど、それももう慣れてしまった。社長が私を自分の秘書にと抜擢してから1年が過ぎたのだ。私の仕事ぶりも認めてもらえたお陰で社長の抜擢が公私混同したものではないという事がキチンと評価されたので一安心だ。
「おう!春川っ!お前、社長の恋人って本当か?」
そう声をかけられたのは随分記憶の隅になった同期の笹川雄介だ。
確か前に要さんから私に近付くなって言われてたのに……………。私は呆れながら笹川の言葉を無視して歩いていた。
「なあ、そんな無視すんなよ。」
そう言って笹川は私の腕を掴んだ。
「何するんですか?笹川さん!」
そう言って私は掴まれた腕を振り払った。
「同期なんだから久しぶりに話くらいしたっていいじゃん、」
一体何を話したいというのだろうか…。
「私にはありません。それに私に近付かないって事になってませんでしたか?」
私は笹川さんが以前社長と話したことを思い出したらと思って言ってみたが、彼はお構いなしだった。
「はあ?関係ねぇよ。俺はお前の事が…っ!」
笹川も懲りない奴だ。また私の腕を掴もうとした。その時────!
笹川の伸ばした手を振り払って私の肩を抱きよせる人が現れた!
────要さんだ。
「はぁー、お前な。前に春川に近付くなと言ったはずだが?!」
「しゃ……、社長っ!?」
笹川が驚いて言う。要さんはギロッと笹川の方を見て睨んでいた。圧が凄い……………。段々騒ぎを聞いて人が集まってきた。
「お…、俺は同期のよしみで春川の事を心配して……………。」
「ほほぉ、心配ね。大丈夫だ。社長の俺が奈々を大切にしているから同期の君は何も心配する必要はない。」
「………………くっ!」
笹川は悔しそうな顔をして黙った。
「それに、奈々はもうすぐ社長夫人になるんだ。もう君に心配してもらう必要は一ミリもない!」
「────!!」
────要さん!私、まだプロポーズされてませんけど……………。
そんな私を無視してその騒動を見ていた周りは「ひゅ~」と冷やかしの口笛を吹いたりして賑やかにざわついた。流石にいたたまれなくなったのか、笹川は身体を翻してその場を去って行った。取り残された私達は周りに囃し立てられてその場で身動きが取れずにいた。
その時、要さんが私の前に跪いてしゃがみ込みジャケットのポケットから小さな箱を出してきて私の目の前で箱を開けて私に見せてから私に向かって私を熱くみつめて言葉を紡いだ。
「奈々。これからも俺を支えて欲しい。俺にはお前が必要だ。愛してる。どうか俺と結婚して下さい。」
その瞬間、周りがシーンとなった。
聞こえてくるのは私と要さんの二人の心臓の音だけだった。
ご覧下さりありがとうございます。とうとう社長がプロポーズ?!




