第51話:交際を認めてもらえた二人
このお話は主人公目線で語り口のように綴っております。
暫く4人で会話をしていたが、ご両親は満足したのだろうか
「二人で少し庭を散歩してくるといい。我が家の庭は見応えがあるからな。」
「はい。」
「そうだ。昼はどうする?一緒に食べて行くか?」
「いえ、次の機会にします。今日は会うだけでも緊張してそうだからな。ハハッ!」
そう言って要さんが答えていた。確かに会うだけで緊張してるのにお食事まで一緒となるともう心臓がもたないかもしれない…。要さんはそういう心配をしてそう答えてくれたのだろう。
「それもそうだな。また一緒に出来る事を楽しみにしているよ。」
「はい。ありがとうございます。」
私は本当に歓迎してもらえて嬉しかった。つまり、交際を反対されてるわけではなさそうだ。
要さんが
「じゃあ、行こうか。」
そう言って手を差し出してくれたのでその手を取って
「失礼します。」
そう言って応接室を退出した。
そのあと要さんはさっき応接室から見えた池を案内してくれた。
「まあ!やっぱり鯉を飼っていらしたの?」
「ああ。父さんの趣味でね。ほら、コイツなんて凄い大きいだろ?」
「本当!こんなに大きい鯉って初めて見たわ!」
「食べる為じゃないからね。」
「え、食べる為に飼う人もいるのですか?」
私は驚いて聞き返した。
「ああ、中にはそういう人もいるな。うちは単純にステータスだったのだが、愛着がわいて今では餌やりが父の日課だな。俺たちは見るだけだよ。決して餌をやってはいけないんだ。」
「まあ、ふふふっ。」
私が楽しそうに笑っているのを見て要さんが言った。
「俺の親たちに会ってどうだった?」
足元で鯉たちが餌をくれると思っているのかピチピチと近付いて跳ねている。
「どうって…。最初はとても緊張したわ。だけどお二人とも凄く気を遣って下さって私、とっても楽しい時間を過ごせました。」
そう私が答えると要さんは目尻が下がり、口角が上がっていた。
「そっか。よかった。」
そう言ってから鯉にパラパラと餌をやっていた。
「え、要さん、餌やりはお父様の…っ!」
「ハハハ!いいんだよ。こんなに気分がいい事はないよね!」
「もう、要さんたら…。」
私は困りながらも楽しそうにしている要さんから目が離せなかった。
足元の鯉たちも嬉しそうにピチピチと跳ねていた。
ん…?でも、ここって確か応接室から見えるんじゃ…。その事に気付いた私は内心焦っていた。
「か、要さん。ここって応接室から見えるんじゃ……………。」
「ん…?構わないじゃん。俺たちが仲良くしてたらきっと微笑ましいって思ってるよ。」
「そうかもしれないけど、そういう事じゃないと思うのよ…。」
私達がはしゃいでいたらやっぱり応接室から見えていたようで後日、廊下ですれ違った会長から「仲良しだね。」と言われた……………。
ご覧下さりありがとうございます。どうやら要の両親から交際を認めてもらえたようで安心する奈々でした。




