01-03
人間生きていれば腹が減る。それが朝の六時にラッパの目覚ましで叩き起こされ、そのままランニング。座学はあるが体力と精神力を鍛える事が強調される傾向にあるので教育隊の期間は何かにつけて体を動かしていることの方が多い。
それが18才の、高校を卒業して僅か2ヶ月程度の年齢であれば代謝もよく、どんな食事だとしてもその時間が待ち遠しいことは理解いただけるだろう。断っておけば、教育隊の食事が不味いということではない。たとえそうでも午前中短艇の教練で汗をかいた後であれば、その日の昼食がハズレメニューであってもまず文句が出ることは無いだろう。
それは憲国軍がおおまかに陸海空と3つに分かれていて、その中でも海軍の食事は一番美味しいと言われているため、そもそもの基準が高いからだ。
何も他の2つが不味いのではなく、海上勤務の場合は一度航海に出てしまうと陸上勤務と比べ娯楽が制限されるので、食事も娯楽や楽しみの一つとして上のランクに位置していることからレベルが底上げされているとの噂だ。
また、新鮮な素材が手に入らないことや閉鎖空間も前提としているので、料理を美味しくする工夫などの土台が違うことも起因している。
そして、いつ頃決まったかは定かでないが、教育隊に限らず憲国軍では陸海空すべての部隊で金曜の昼食はカレーとなっていて本日がその日である。
さて、800人程を収容できる食堂としてもそれを一気に捌けるわけではない。
一般的な企業のように金銭や食券等のやり取りは無いのだが「いただきます!」っと、一人一人が調理員に対し、特に新入隊員は元気に声を掛けて食事を受け取るので少しばかり時間がかかる。
この動作もなし崩し的な流れ作業ではなく、調理場の方を向き、姿勢を正し、それなりに大きな声で言うよう初期の教育で言われるため、毎年人数は異なるが今回は約500名の新入隊員に加え、元よりここでの勤務の者も階級に関係なくこの動作をするので、昼時の大行列を回避するにはいかに早く食堂に辿り着くかが(食堂前待機は禁止ではないがあまり早くからいると目を着けられやすい)後に記す入隊したての隊員の貴重な自由?時間を確保できるかに関わってくるのである。
時に幹部は先に通すよう教育されるが渋滞のピーク時に悠々と歩いてきて、さも当たり前の様に並んでいる新入隊員の前を通る姿は空腹時であればなおさら敬意の念がどこかに出かけてしまうかもしれないが誰もが通る道。これも精神鍛錬と堪え、食事と一緒に飲み込んでしまうのが良いだろう。
そんな階級社会の当たり前な部分ではあるがどんな事にも例外はある。優先的に通れる者だが外部からの来賓者、企業間の忖度や大人な言い回しの「接待」といったニュアンスではなく、招いた客人に対しての当然のもてなしとしてはまずその列に並ばせるようなことは無いだろう。
だが他の隊員同様入隊式も同じ場所で受け、尚且つ今並んでいる赤い二本線の階級の隊員達と同じものを着けているのにも関わらず、部隊で言えば艦長や幕僚、果ては大臣かのように逆に幹部の方が道を譲る者の一人が、入隊から2ヶ月以上経っても慣れないのか食堂の片隅で食事を終えかけ、一応遠慮がちに会話している。
「お前たちは順応し過ぎだ」
そう言った男は毎日散髪をしているのかと思える程綺麗に刈り揃えられた坊主頭に、ナンバー13の名を持つ殺し屋よりは控えめだが、色濃く、良く言えば真面目だが堅物の方の意味が強い精鍛な面構えをしている。
もちろん机を挟んで自身の対面にいる二人に言った言葉だが、行儀悪く頬杖を突き、本日の昼食であったカレーを食べ終えた後のスプーンを咥えて遊んでいる男は反応したが隣の、甘党では無いその隣人からもらった2個目のプリンを平らげるのに夢中で聞いていない様子の者がいる。
「俺らがってよりこの場合、高野の方が物分かり悪いんじゃねぇか?」
スプーンを皿に置き、頭のトップにボリュームを持たせ、髪をオールバック(本人曰くアイパーらしい)にした男は頬杖から更に姿勢を低くし、重ねた両手に顎を乗せるよううつ伏せた。
「ワシだって理解はしているつもりだ。何度も言ってる通り、その上で精神に異常があるから田舎に帰してくれと医官にも説明しているのに最近は全く相手にしてもらえんのだ。早乙女、いくら何でも行儀が悪すぎだ。せめて体は起こさんか」
姿勢を注意された早乙女と呼ばれた男は特に気を悪くするでもなく、「素直に」少しだけ状態を起こし。
「でもさ、……リーダー……夜中、んぐ……抜け出して、ハグ……脱柵したとか言うけど……朝にはさ……」
「あぁそうだ。夜中抜け出したはずなのに、急な眠気に襲われたり転んだりと何かのタイミングで意識がなくなると次にはもう隊舎のベッドで朝を迎えている。辰巳、食べ終えてから話さんか。躾に関しては最初の教練で言われただろ」
高野と同じく髪は短く刈り込んではいるのだがサイドの指4本分より上を長くし、肌色からスパっと分かれて黒く色づいているその髪型を以前早乙女に「なんか頭に具が乗ってるみたいだな」と言われた。
三人とも同い年だが、一番幼く見える辰巳はまだ開けていな高野のプリンへと手を伸ばしながら言う。
「えっと……スマートで、目先が利いて、几帳面、負けじ魂、これぞ船乗り……だっけ?スマートもスマート♪この髪型見ればわかるっしょ?」
忍びよる手を軽く叩き、自分のプリンを保護する高野。早乙女は頭の後ろで腕を組み、背もたれに体重を預けた。
「まだ船乗ってねぇけどな。7月入ってからだっけか、配属決まるの?」
「ほら早乙女、背中を着けるな。作業服に皺が寄るだろ。辰巳もだが二人ともその髪型がスマートか?」
その髪型とやらを指摘された二人は顔を見合わせ、微妙に心外そうな顔で高野を見た。
「なんだよ綺麗にまとまってるだろ。案外セットするのに時間かかるんだぜ?辰巳の頭は言われても文句ねぇけどよ」
「隼兄酷くない?でもこれってPXの隣の床屋で三曹がやってたからお咎めは無いはずだよ。映画とかでも外国の海兵隊がやってるマリンカットってやつ」
本人はそう信じているが辰巳のそれは上の髪の量を多くしていることに加え、はっきりと長短の境目がわかるため、厳密にはツーブロックと呼ばれる髪型に近い。
「ってかよ、髪型に関しては高野だってあんまり言えねぇぜ?」
「そうだよリーダー。規則では一応坊主禁止でしょ?」
特殊公務員にあたる憲国軍には通常の法律に加え軍法というものが定められていて、その中に「品位を保つ義務」というものがある。
衛生面で言えば作戦行動で何日も風呂に入れない時や水を節約しなければならない時、最低限の水量で頭を洗うなどと言った意味で坊主は良さそうに見えるが、ヘルメットを被ったり、狭い艦内のパイプに頭をぶつけた時等の安全面では些か防御力が薄いと見られる。
後は一番曖昧に見えてしまうのが一括りに「世間体」と言ったところだろうか。
高校卒業して間もなくの若いとみられる年代においてはさほど違和感がないかもしれないが、高野のように元々精鍛な顔立ちの者がこれから厳しい訓練を受け、経験を経て鍛え上げられてそれがある程度の年齢になった時に坊主だった場合、威厳より威嚇が強調され、品位を保てているかはご想像にお任せする。
また、そのある程度の年齢になった、またまたある程度の階級の者がいわゆるパンチパーマにしているのをごくごく、ごくたまたま見かけたことがあるような気がするが、あれは一体何を目的としているのかは個人的な疑問である。勤務中は基本帽子を被っているのに。
また男性隊員に比べれば少しばかり寛容だが、女性隊員も教育隊においては短髪が基本となっている。
何事においても限度があるものだが、どこの世界にも思い切りの良い者はいるもので、上の階のアイドル事務所と間違って扉を叩いたらそのまま入隊してしまったのかと思うほどの華奢な女性隊員が丸刈りにしてしまい、本人も何かスイッチが入ってしまったのかデミィ・ムーアを目指すようになる。
そして目指した結果、部隊内に何人も「彼女」ができてしまうのは珍しくないようなので、そういった趣向が無いのであれば入隊時は程々の髪型で行き、後は隊内の床屋に任せればまず間違いはないだろう。
ちなみに「お化粧したい」と思う者は寧ろ「化粧も官給品の一部」と言われる広報や音楽隊を視野に入れてみてはいかがだろうか。
「日本男児、大日本帝国海軍の兵がそんな軟弱で軟派な頭で務まるか!」
「リーダー声大きいって」
「一番スマートじゃねぇじゃん」
勢いよく立ち上がった高野だがすぐにハッとして慌てて着席した。
「まぁ俺ら帝国海軍でもねぇし、ジョーが言ってたなんだっけ、ジエイタイ?ってのでもねぇから髪型でとやかく言う必要ねぇんだけどよ」
「だ、だから言ってるだろ。ワシは精神がおかしいんだ。それに……」
早乙女を見ていた高野はそのすぐ後ろを見て言葉を止める。そして自分の方に歩いて来る奇妙な存在を見つめて続けた。
「……お前たちが言う通り、ここが戦後に組織自体が変わったのなら、ワシにはその時の亡霊が見えるとな」
8人がけの長テーブルの端に固まるように座っている3人。その早乙女の席から一つ空けて高野の言う亡霊は本日の昼食を載せたお盆を置いて座った。
高野が顔を逸らしながらも話しを続けていたので、早乙女と辰巳もその方向を見たが一体なんのことを言っているか理解できず、またいつものアレかと思い、二人は席を立とうとした。
「いや、待て。もう少しだけ」
僅かに中腰の態勢で言われた通りにしていると、厨房の奥から白い布を腕に掛けた長身の女性が歩いて来た。
今し方高野達のテーブルに着いた者を除けばこの食堂内にいる人間はみな作業服か制服である。調理の場合は外からの一般人のパート従業員は隊員の青い作業服ではないが、それでも調理場においては見合った格好をしている。
いや、こちらに歩いて来るその女性も、高級レストラン等で言えば正装と言えるのかもしれないがこれから社交パーテイにでも行くかのような薄い銀糸のラインが入った濃い紫色の背広、首元には紐タイ。濃い茶色のエナメルを思わせるフォーマルなシューズを履きこなし、誰かがスパンコールでも撒いているのかと思うくらいの輝きを放つその姿は視界に入れるなと言う方が無理であり、ロングでストレートな濡れ羽色の髪を後ろでまとめ、言い寄られた女性ならまず二つ返事でOKしてしまいそうな凛々しい顔立ちの彼女は辰巳から席を一つ空けたところに腕に掛けていた白い布、シルクを思わせる滑らかなテーブルクロスを軽やかに舞わせ、流れるようにセッティングし始めた。
先ほども述べたが昼食はカレーである。他の隊員もその奇妙な存在も自分でお盆にのせ持ってきたのに対し、テーブルクロスを配した誰も座っていない席の高野側には、皿は通常サイズだがそれに山盛りのご飯が置かれ、対面には子供の掌程度の金属製のカレー皿があり、共にカレールーはかかっていないが対面のものとは違い、天辺は平らにされていてご丁寧に小さな日章旗が立てられている状態で置かれた。
「妾の妾のカレーは♪」
陽気な歌声がどこから聞こえてきたかと思えば、さっきまで誰もいないと思われた亡霊の隣には木で拵えた土台に座布団をクッション代わりにして椅子の高さを稼いでいる、人間のように動いてはいるが明らかにサイズのおかしい金髪の少女とその向かいで「あ、ナーガしゃん、アタチは最近ダイエットをでしゅね……でも食欲を掻き立てるこのカレーの芳香、今日は(も)チートデイとしましゅ」そう当たり前のように人語を話している幼いが竜、場違いな調理員も含めたこの四名。だが高野にとってここ最近では当たり前の光景である。
「さぁ奇跡の姫君と我が眷属よ、ルーをおかけいたしましょう」
溶かして使う固形のカレールーの箱に描いてありそうなカレーポットを手にし、ルーを抄ったスプーンを高らかに上げ、華麗に二つの皿に具材から溢れ出したエキスが黄金色の光を放ち、銀色の船に盛られたブドウ糖のヒマラヤ山脈に緩やかな雪崩が、まるで味という名の春を告げるかのように彩を添える。
そのままコマーシャルに使えそうなパフォーマンスに拍手をする奇妙な三名。一仕事終えたその調理員は一礼し、花道を歩くように堂々とした後取で調理場へと戻って行った。
「ロメオの店でもあそこまでやらないのに、花屋はノリノリなんだな」
どこまでが本当かわからないし、高野自身半信半疑というより九割方信じていないのもあり、真面目に説明されたことを覚えが悪いことも手伝っているが、それにしても今朝、朝食時も一緒だったこのメンバーの名前を思い出すのに少し間が必要だった。
「えっと、そちらの金髪のお嬢さんは姫さんだったか」
特に確かめたいわけでは無かったが、聞かれたブロンドの存在は気を良くしたのか高野の方を向いた。
「おぉ井の頭、随分とすんなり思い出せるようになったんだな。ご褒美に今日は旗あげるんだじょ」
屈託のない笑顔で旗を持った手を伸ばす姫。断るのも悪いという考えに至る前に体が反応した高野は身を乗り出して旗を受け取った。
「初対面から言われてるその井の頭ってのがあまり理解できんのだが。高野 五郎という名前のどこにもかすっていないぞ」
「姫しゃまが好きな、おじさんがご飯を食べるドラマの主人公が五郎しゃんだからなのでしゅ」
既にカレーを口に運びその味に夢中で耳に入っていないのか、姫の代わりにその向かいの幼竜が答える。
高野が幼竜の方を向くとこちらは姫と違い、浮力を得るには理解に苦しむ大きさの翼をはためかせ、微妙に上下しながらも安定した位置で三本の指、それも爪の方が少しばかり長くて扱いずらそうなのだが器用にカレーの時はスプーン、サラダ類は箸を使いこなして食事をしている。
「えっとあんたはスパイクさん……だっけか。それなら苗字じゃなくて名前で五郎で良くないかい?」
「名前で呼び合うのはもうちょっと仲良くなってからなんだな。妾の言いつけ通りドラマは見てるの?」
今度はカレーマウンテンの攻略へと登山を開始したスパイクに変わり姫が答える。二名が交互に話す形になっているが高野も律儀にその都度顔を向けなおす。
「あ、いや丁度消灯時間後だから見ていない」
「!?もうシーズン11くらいまで進んでるから休みの日にまとめて消化していかないと追い付かないんだじょ。ネット配信してるからスマホでも観れるしレンタルもあるんだな」
立ち上がり、両腕を上げて高野に抗議する姫。すると隣の男が姫の口元を紙ナプキンで軽く拭う。
「お、妾としたとが取り乱したんだな、主ありがとなの。でも井の頭が上官の命令に従わないのはお仕置きものなんだな」
「その上官ってのもあまり納得いってないのだが」
高野が指摘したように軍の作業服、制服には方に階級を示す肩章と呼ばれる物が付けられるようボタン止めのベルトがデザインされている。先ほど岸壁での姿から着替えた姫は白い幹部の制服を着ていて肩章はついているのだが、そのサイズからしても今一信じるまでにいたらない高野である。
「なに、井の頭は妾のこと疑ってるの?」
「姫さん、というかこちらの皆さん全員と言った方が正しいんだが」
言いながらガスマスクのままどうやってその口元に運んだカレーが消えるのかが気になる、唯一まともそうな人間にして一番不可解で不気味な存在に目をやった。
式典等を除けば食事の時などは脱帽し、制帽の場合は食堂入り口にある帽子掛けに預ける。この珍妙な男も外で見かけた時の銀飾がしてある革の帽子を預けてきているので無論頭が見えるはずなのだが、頭部は影の様に濃く陽炎のようにぼやけ、天辺に向かうにつれ霧が擦れるように揺らいでいるのだ。
高野が亡霊と呼ぶのはガスマスクと合わせたこの姿が印象強く、今しがた姫が名前を呼ぶまで全く思い出せず、この存在の声が自分には聞こえていない。いや正確には聞くことはできるのだがすぐに忘れてしまうなど奇々怪々なことが多いからである。
「まぁそれ以前に井の頭は自分自身を思い出すことに専念した方がいいんだじょ」
「ねぇリーダーそのくだりまだ続くの?」
姫に何か言おうした高野の言葉を塞ぐように辰巳が口を開く。
はっと思いとどまり自分の向かいを見ると、見るからに飽き飽きした目をしている辰巳と天井を仰ぎ、口を開けて鼾をかいている早乙女の姿であった。
些か興奮気味の高野がテーブルの主達がいる方を指して言う。
「な、なぁ本当にここにいる連中が見えないのか?」
早乙女の頭越しにその方向を見るが相変わらずの目つきの辰巳も早乙女の眠気に当てられたのか欠伸交じりに返答をした。
「ん~、1つ隣のテーブルになら幹部の人達がいるのが見えるけど……食事終わったならPXの裏行こうよ。アイス食べたいし」
隣の早乙女を軽く肘で突き起こすと、辰巳は高野が何か言う前に空の食器を載せたお盆を彼の分も持って返却口へと歩いて行く。
一間置いて眠気眼の早乙女も自分のお盆を持って行ってしまった。
慌てて立ち上がった高野は主達に「と、とにかくこれ以上ワシに変な事を言って惑わすのはやめてくれ」そう言うと足早に二人を追う。
すると向かいから先ほどのスマートな調理員が綺麗に盛り付けたデザートを顔の位置くらいにまで上げて歩いて来るので高野は今すれ違った早乙女の肩を掴むと「ほ、ほら。あの調理員も明らかにおかしいだろ?な、見て見ろ、その先にさらにこの場に似つかわしくない連中がいるだろ?」そう主達の方を向かせる。
そう言われても早乙女目に映るのは、言われればおかしな恰好かもしれないが入隊から見ているので騒ぐほどの存在ではかなかった。
「給食のおばちゃんだけだと大変だから若いの入れたんだろ?花輪さんって言うんだっけ、あれで女性隊員の王子様?なんだからあんまり大声で変な事いうなよ。女を敵に回すと怖いぜ」
一足早く食器の返却口で洗い物をしている隊員に「ご馳走様でした!」と、大きな声で言った辰巳が振り向き、その調理員に向けて言った。
「夜さ~ん。今度オレにもデザート作ってくださ~い」
辰巳の声を聞いたその調理員は振り向くとにっこりとした笑顔で言う。
「勲章の一つでも取って来たら考えてやる。根性のある奴は好きだが礼儀知らずは切って捨てるぞ?苗字で呼ばんか知れ者が」
花輪 夜。彼女がそう言うと階級問わず現在食堂にいる殆どの女性陣から刺すような視線が辰巳に向けられた。
「ほら、言わんこっちゃねぇ」
食器を返却した早乙女は辰巳の肩に手を回し、半ば引きづりながら歩いて行く。
辰巳はその間も花輪に手を振っていた。自分が場違いと感じた高野も二人を追うように食堂を後にしたのである。
執筆時は勘違いしていて、冊子版ではシガニーウィーバーさんになっています。エイリアンのイメージが印象的なので、強い女性俳優と想像すると彼女がでてきますが、G・Iジェーンはデミムーアさんでした。
微妙に読み方を変えているのは大人の事情回避なのでご理解ください。
孤独のほうは、執筆当時はシーズン9くらいだったのでこちらでは書き直してます。




