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コロニス対イカルガ

 Cランク第2回戦最終試合、シャルロッテ選手対イカルガ。カーフがやられた事、そしてその倒し方に疑念が生まれた事で1回戦以上に注目が集まった。


「何がダークホースだクソガキが!年功序列ってのを教えてやらぁ!!」


 シャルロッテ選手は真正面から突撃した。


 なんで得体の知れない相手に正面突破するかなぁ?もしかしてこの人1回戦見てないのか?


「くらいやがれ!俺様の拳は10人分に相当する!」


 常人の10倍の威力か、確かに強力そうだ。


 そう思っているとーー


「ーー連撃。1度の攻撃につき×10の追撃が来る。別に威力が高いってわけではない」


 アリアさんが冷静に・・・というか退屈そうに解説してくれた。多分、この人じゃ碌に情報を引き出せないと思ったのだろう。


 実際その通りだった。バカ正直な正面パンチはいとも簡単に避けられ、背後から首を叩かれて試合終了。全てのランク合わせ最速で終了した。


 ・・・な、ナイスファイトー!すげぇテンポの良い試合だったぜ・・・!


 俺は取り敢えず心の中で賛辞を送ったが、アリアさん、レヴィ、ディアスは全く情報を経ることが出来ず不服そうである。


 ・・・そんな顔してやんなよ。あの人だって頑張ってたと思うよ。ちょっと軽率だっただけで。


 その後、3回戦ほどあったのだが、コロニス決勝進出。そしてイカルガも決勝進出となった。


 結果として一番イカルガとやりあえたのはカーフということになった。何せその他の人達は全て魔法を使われることなくやられたからだ。まぁ新参者も多いランクらしいし、仕方ないのかも知れんが。


 ・・・というかわざとランクを上げなかったらしいコロニスとは違い、イカルガは先月キルト入りし、その時にCランクとなった。つまり新参者だ。だが戦闘力は他に引けを取らないどころか、多分Bランクでも普通に戦えそうだ。にも関わらずCランクにいるということは、魔法、魔力、そして身体能力のいずれかが相当低かったということだ。


 とはいえ、空間魔法なんてのがB、ましてやC判定以下なわけ無いし、カーフ以外の全員を一撃で倒しているのだから、身体能力も低くは無いはずだ。寧ろ高いはず。


 ・・・ということは魔力がめちゃくちゃに低いとか?そう言われてみれば結局攻撃手段は相手の攻撃の転移だ。つまり自身の攻撃力では無い。この戦い方なら魔力が低くても戦える・・・これならギリギリCランクでもあり得なくは無い。


 ・・・ってあっ、いつの間にか俺も疑問探しに参加しちゃってんな。


 だが実際、イカルガは不思議だ。今日初めて会ったのだから色々知ってる方が変ではあるのだが、それにしてもよく分からない。何故か不思議と探りたくなる魅力?があるのかも知れない。


「ーー結局答えは分からなかったけど、仮説だけでもコロニスに伝えてくるよ。無いよりはましだろう」


 ディアスはコロニスの元に助言をしにいくそうだ。


「おうっ!行ってらっしゃい!」


 ディアスを送り出した俺達は、3人で話すことになった。


「結局、あのイカルガという青年の魔法はあれから使われなかったな。Cランクとはいえ、大したものだ」


「私去年までCランクでしたけど、流石に魔法をあそこまで使わずに決勝行くなんて無理でしたよ。ほんと、何者なんですかねイカルガって」


 何者・・・ねぇ。まぁ俺だって思うよ。真っ赤な瞳にギルドに入って1ヶ月で決勝進出。この世界では珍しい空間魔法を扱い、俺と同じ4文字の魔法。


 もしかしてお前が異世界召喚者なんじゃないかって思えるくらいの実績である。もしかしてあれか?俺ってイカルガと間違って召喚されちゃって、本当の勇者はイカルガでした!って感じか?ちょっとずるいよ。


「何者・・・か。そこまでは分からないだろうが、彼の力は次の試合でわかるんじゃ無いか?流石に魔法無しで勝てるほどの相手ではないだろう」


 まぁ確かに、アリアさんの言う通りこの試合では使うかも知れない。カーフにも使ってるしな。


『それではCランク最終決戦!コロニス選手対イカルガ選手です!両者、前へ!ーーこれまでの試合、両選手とも全ての試合圧倒的な勝利を上げてきました。そんな両者の戦い・・・果して勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!』


 2人が会場へと入り、所定の位置につく。イカルガに変わりはないように見えるが、対するコロニスはこれまでの試合とは違いふざけた様子は見せず、その眼差しは目の前の相手ただそれだけを見つめていた。


 2人が入ってくるとほぼ同時に、ディアスが帰ってきた。


「お帰り、ちゃんと伝わったのか?」


「あぁ。とわ言え、あくまでも仮定だからね。咄嗟の出来事にどこまで対応出来るかはコロニス次第だよ」


 俺達は会場に意識と視線を戻す。


「イカルガ・・・悪いが仇は取らせてもらうっすよ。ーー勝つのは俺だ!」


「仇・・・?別に殺してないけど・・・」


 その発言にコロニスは思わず吹き出してしまった。


「・・・ぶっ!はははっ!イカルガ細けー!ーーほら、仲間がやられた時とかにも使ったりするっしょ?仇を取るって・・・もしかして使わない派?」


「使わない派だよ。ボクのところではそれは自己責任って呼んでる」


「ひぇーシビアー!」


 最初の緊張感は何処へやら。いつの間にかコロニスはいつもの調子に戻っていた。


「・・・彼、昔から集中が続かないんだよ。だけどまさかこんなに早いとは」


 ディアスが頭を抱えながらため息をつく。


 まぁ・・・その・・・なんだーードンマイ!!


『それでは両者、準備はよろしいですか?』


 その瞬間、コロニスの空気が変わった。


「ーーイカルガ、楽しい話はまた後でにしよう。本気で戦うけど・・・恨みっこ無しっすよ」


「うん・・・キミにはちょっと頑張ろう」


『それではーー始め!!』


 ーー開始と同時にコロニスは地面に手をつけ、魔法を発動した。


 地面が次第に波打ち始め、ついには客席まで揺れ始めた。


地揺らす波(アースクウェイク)!!どうっすか?地上にいられないでしょ!」


 コロニスのその言葉通りなのか、イカルガは上空へと避けた。


 しかしそれはコロニスの狙い通り。


「計画通りっすよ!くらえ地面の大津波!ーー大海を飲み込む大地波(トラガールティエーラ)!!」


 地面が会場を覆い尽くすのではないかと思えるほどの津波状となり、イカルガを飲み込まんとする。真正面から避けようがない。しかも今は空中だ。


 だがイカルガはワープの魔法。そんな状況は関係ない。空間を作りコロニスの背後にワープする。そして脇のあたりに蹴りを入れるーーところで、コロニスは反応し振り返った。


 ディアスの話を聞いてから背後には気をつけていたのだろう。頭に入っていなければ対応できていなかったであろう距離。


 コロニスは波の壁を作り、蹴りを完全に防ぐーーだが、足は完全に振り抜かれているにも関わらず、壁に衝撃はない。その代わり、何故か自身の背後から脇に蹴りを入れられる。


「ーー痛っ!(なんで・・・?今防いだのーーなっ・・・!)」


 なんと、足の部分だけコロニスの背後にワープされていたのだ。


 コロニスは蹴り付けられた衝撃で自身の作った壁に激突する。


 ーーすげぇ!咄嗟に足のみワープさせるなんて・・・あの判断力、やっぱりCランクレベルじゃない。


「・・・ぐっ・・・!痛ったいっすねぇイカルガ。やってくれるじゃないっすか」


「言ったでしょ?ちょっと頑張るって」


「・・・まいったなぁ、どうしよ」


 コロニスは考えていた勝ち筋が潰され、しかもこれでちょっと、と言う言葉に軽い絶望感を感じていた。


 しかし、それで諦める男ではない。


「ーーははっ!おもしれぇ!やってやんよ無理ゲー攻略!」


 魔導祭Cランク決勝戦。現在イカルガ優勢で進む。


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