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乙女の心理当てゲーム?

「改めて説明しますね!私の魔法は光属性魔法--煌々(シャイニング)です!」


 ・・・光?レヴィが?光属性っていえば、異世界召喚ものだと、クラスの一番イケてるカリスマにつくやつだろ?それが・・・言っちゃ悪いがレヴィに?少なくとも光感はないぞ。


「あっ!もしかして光って魚とかのヒカリっすか?光物魔法みたいな!」


「--煌めきの一撃(シャイニングフィスト)


 光を纏ったゲンコツで腹を殴られた。


 いったいっ!なにこれ?女性の力じゃねぇ。


 俺は腹を抱えうずくまった。


「なんだよ、冗談だろ!それと殴るにしても腹はやめろ。目の前で吐くぞ」


「どうせ発した言葉以外にも、失礼なこと考えてたんでしょ?それも含めよ」


 なんだよそれ、もし俺がそんなこと考えてなかったら酷い冤罪だぞ!責任とれんのか?


 ・・・まぁ、事実なんですけど。ほんとなんでバレるかなぁ?もしやこれも光の力?!


 そんな俺の脳内独り言をよそに、アリアさんはレヴィに質問をした。


「でレヴィ。魔法の説明はどんなのだっけ?」


「光を纏ったり、出した光を自由に造形する魔法--ですね。アリアさんの魔法と似た効果です」


「うん・・・ならば光と言うものをもう少し調べてみたり、様々な相手の動きを観察して、その相手ごとに対応出来る型を見つけることがいいかもしれない。そのための魔導祭でもある」


「そうですね、まだあんまり応用とか出来てないのでまずは調べてみようと思います!」


 --と、ここで疑問が湧いた。応用できない?


「あれっ?人の心を読むのは?」


「ん?なに言ってるの?そんなの出来ないわよ」


 つうことはあれか、レヴィが俺の考えを読めるのは・・・読心術か。これ身につけるのにすげえ努力したんだろうな。


 俺はレヴィの方に手を置き、思いの丈をぶつけた。


「レヴィ!」


「ひゅっ!・・・なに?」


「お前、その技術身につけるのにすげぇ努力したんだろ?すごいよほんと!よかったら今度俺にも教えてくれよ!」


「教える・・・?何が・・・?何を・・・?」


「ん?・・・ああ!悪い、言葉が足りなかった。あれだよ--読心術!」


 レヴィはなぜかすごいキョトンとした顔をしていた。アリアさんは何があったのかため息をつき頭を抱えていた。


「蓮、相手が喜ぶものならともかく、そういう天然は治せ。相手を傷つけるだけだぞ」


「ん?傷つけるってなにが・・・?」


 ふと視線をレヴィの方に向けると、何故かこちらは只々死んだ目でこちらを見ていた。


「・・・えっと・・・レヴィさん?何か・・・あった?顔・・・怖いよ」


「・・・大丈夫。何もないよ。」


 微笑みながらそう言ったレヴィだが、目が笑っていない。あと何もないなら指をパキパキ鳴らさないで頂きたい。何故って、すごい怖いから。


「あのさ、俺なんかしちゃったんなら謝るから。だから頼むよ、せめて問題が何か教えてくれないか?じゃないと多分次もやる」


 これも怒られるのかもしれんがこの先ずっと怒られ続けるよりはずっとマシだ。今1発殴られることでのちの100発を避けることが出来る。・・・てか100発も食う前に気付けよ俺。


 すると、アリアさんがまたため息をつきながらもヒントをくれた。


「はぁー。レヴィは読心術なんて使えん。あと、誰から構わず考えを当てれる訳じゃない。・・・これ以上はレヴィも言うな。蓮の為にもならん」


「はい、アリアさん」


 ヒントをもらい、俺の中で色々と考えてみた。


 まず知り合いならば当てられる説。2つ目に、顔などに出やすく、当てやすい人間がいて、それがたまたま俺だった説。そして最後は・・・レヴィが俺を・・・いや、これはないな。自信過剰甚だしい。仮にそうだったとしてなんて言う?「レヴィ!お前俺のこと好きだから当てられんだよな!」って言うのか?馬鹿だろそいつ。恥とか外聞や羞恥心とか客観視点がねぇのかよ。それと違った場合自殺するまであるぞ。


「3つまで浮かんでるんですが・・・全部あり得て絞れません」


「はぁ、仕方ない。私に耳打ちしろ。本人には聞かれたくないだろ?その中に答えがあれば取り敢えずセーフにしてやる」


 セーフとかなに?って言ったら怒られそうだからやめとこう。とにかく、本人には言わなくていいのはだいぶでかい。


「えっと・・・じゃあ・・・と、・・・だった説に・・・その・・・レヴィ・・・好・・・」


 全部聞き終えたアリアさんは、少し驚いた顔をしていた。


「なんだ、答えあるじゃない。てっきり全部的外れだと思ってたのに。よかったわね、レヴィ!」


「えっ!いや・・・その・・・取り敢えず、ありがと」


 少し照れながらレヴィが言うので、不覚にも第3の説を思い出してしまった。


 違うぞーこれは違う!確かにレヴィは他の奴らにはこんな顔見せないだろうし、てか見せて欲しくないけど・・・じゃなくて!これは3の説じゃない!煩悩よ鎮まれ!不動明王ヘルプミー!


「か、勘違いしないでね!お礼は言ったけどそこまでのものじゃないから!結局絞れてないし!」


「そうは言いましてもね、あのヒントだけでここまで絞ったのは逆に凄いんですよ。他の人だったら4択出てくるまである」


「1択しか絞れてないじゃない!」


「バッカお前!一択絞るのがどれだけ難しいか知らないのか?人間大体のことを二者択一で迷ってんだ。2つだぞ2つ!それを今回は4分の1外したら死の戦いをしてたんだ。十分すごいだろこれ!」


「出た!屁理屈タイム!」


「説明しよう!屁理屈タイムとは--」


「--説明せんでいい!」


 ついにアリアさんに止められた。そりゃそうだろう。そもそも今日は修行の日なのだ。なのに今おしゃべりしかしてない。


「おしゃべりはここまでだ!十分休憩出来たろ?今度こそ始めるぞ!」


 こうしてようやく修行が再開した。こじれたの俺のせいなんですがね。

 ----------------------

 修行の内容は魔法の反復使用。何回も使い、同時に自身の魔法への理解を深めることで、ゆくゆくは進化させることが目的らしい。


 その最効率として挙げられた修行法、それは--


「お前たち2人で私にかかって来い!」


 アリアさんとの2体1の勝負だった。確かに実際動く標的がいることで、実戦形式で魔法を使えるし、頭も使う。一石二鳥だ。


 だが問題は・・・俺たち2人でアリアさんについていけるのか問題。圧倒的に負ければ修行になんてならない。


「安心しろ!流石に手加減するし、最初は手を出さない」


 それに対してレヴィが質問する。


「えっ?と言うことは避けるだけってことですか?」


「あぁ、そう言うことだ!」


 避けるだけ・・・ねぇ。アリアさんの魔法を日頃から使ってる俺は分かる。雷を纏った時のスピードの上がり方は相当だ。ただでさえSランクであるアリアさんが雷なんか纏われたら絶対に当たらない。


「あ、そうだ。避けてる間、魔法も使わないさ!単純な自力で避ける。2人は遠慮なく魔法を使ってくれ!」


 なるほど、それならまぁいけるかもしれない。レヴィも同じように考えたのか、すでに戦闘準備に入ろうとしていた。


「蓮、あなたも雷使っときなさい。攻撃当たるとしたらその間だけだから」


 切り替えが早いな。流石は伊達に先輩冒険者やってない。


 俺は雷を纏い、臨戦態勢に入った。


「準備できたらいつでもいいぞ!よーいスタートなんてないからな」


 アリアさんが腕を組んで立っている。


「蓮、ちょっと時間差で行くわよ。まず私が攻撃する。そして避けた方向にあなたが行って!避けた瞬間は流石に体が油断してる筈だから」


「OK!それで行こう」


 しばらくの静寂の後・・・レヴィが動き出した。そしてとんでもないスピードでアリアさんに接近する。これが光のスピード・・・!


慈愛の掌(ホーリーパルム)!」


 右掌に光を集中させ、アリアさん向けて叩きつける。しかし、その攻撃は軽々と避けられた。


 ここからが俺の出番。アリアさんは左に避けた。その瞬間、俺は左に移動し、着地の瞬間を狙い魔法を放つ。


「ここだ--雷神の裁き(ゼウスディオス)!」


 完璧なタイミングで攻撃が出来た。そう確信したのだが、まさかの空気を蹴って後ろに避けられてしまった。


「いやなにそれ!何で素でエトラみたいなこと出来るんすか!」


 後ろに着地したアリアさんに、レヴィが突撃する。


煌めく光の粒子(パラディ・ルーチェ)!」


 いくつもの光の玉がアリアさんにめがけ飛んでいく。ほとんど隙間なくばらまかれている。触れれば爆発するのだろうか。どこにも逃げ場はないこの状況で、アリアさんは笑みを浮かべた。


「--レヴィ、蓮。私がまだ手を出さないって思ってる?」


 そう言うと、アリアさんは光に向かって指を鳴らす。


 すると、何が起きたのか、光が全て爆発し、無くなってしまった。


「うそ・・・!あの数を・・・?」


「しかも指鳴らしただけだぞ?いったい何を・・・」


「--駆け抜ける雷鳴の轟(コリ・アトラベッソ)。分かりやすくいえば指パッチンで起きた静電気を光に送り、伝播させた。なに、大した技じゃないさ!」


 ・・・ははっ、やっぱこの人・・・すげぇんだ・・・!


「さぁお前たち!サービスタイムは終了だ。遠慮なくかかって来い!軽ーーく揉んでやる!」






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