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マーダーダンジョンAI攻略記!  作者: あきらとけん
第二章:ダンジョンの仕様と攻略
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【08話】ダンジョン攻略の初回

 魔法の事はなんとなく分かった。

 あとは実戦で試していくのと、覚えさせる『キオク』を考えればいい。


 じゃあ次はそろそろ、本命のダンジョン、行ってみますか。

 まずは勇者がどういう行動するのか把握しないとな。


〔メイ、これからダンジョンに向かおうと思うけど、注意することある?〕


〔特には無いかの

 『ヒョウイ』しておればススムが危険になることは無いはずじゃし〕


 あ、機嫌治ってる。


〔ちなみに『ヒョウイ』が勝手に解ける事ってある?

 ダンジョンの罠とか、モンスターの能力とか〕


〔わからん〕


〔え…〕


〔ワシ、ダンジョン内は自分の階以外は知らんし、モンスターの情報も分からん〕


〔ラスボスなのに!?世界を観察してるのに!?!?〕


〔だ、だって別に部下ってわけじゃないし!

 ダンジョンだって人間がその階に来て初めて作られるから、勇者が行った所までしか見たことないし!〕


 あーそういう作りしてるんだ。


〔じゃあ攻略の情報はほとんど無いってことだな〕


〔そうじゃな!がんばれ!〕


〔ちなみに勇者が何階まで行ったことあるとか覚えてる?〕


〔奇跡的に10階まで行ったのは見たことあるぞ〕


 10階か。

 てことは最低でも10階以上は進まないといけないのね。


〔分かったありがとう〕


〔待ってるぞー!〕


 気軽に言ってくれちゃって。

 いつになるか分からないってのに。


 …


「さて、じゃあ勇者さん、ついにダンジョン行ってみましょうか!」


 コクリ


 いつも通り素直。

 完全にこっちに主導権握られてるのに。


「あ、そうだ、これからバディ組んでやっていくのに、他人行儀じゃやりにくいですかね?」


 コテン?


「敬語無しで、呼び捨てでいいです?」


 コクリ


 本当にスレてないな。

 自我が無いとはいえ、基本的な性格みたいのは設定されてるだろうに。


「よし!よろしくなセイ!行くぞ!」


 こうして1回目のダンジョン攻略が始まった。




 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



<地下1階>


「おー、ここがダンジョンかーってちょっと!」


 ダンジョンに入った直後、勇者が近くの敵らしき物に爆速で突撃していく


「待った待った!ストップ!ちょっと待って!!

 あ、そうか呪文か!『テイシ』!」


 ピタッ


 と、止まった!

 あぶねー!考える間もなく動き出したよ!


 待ってって言ってもそのまま進んだし、やっぱりダンジョン内だと普通のお願いとかは聞いてくれないのかもしれない。

 決められた通りに動く事最優先。


 うん、階を降りたらまず『テイシ』する。

 今後はこれを徹底しよう。


 …


「さて、いきなりで焦ったけど、まずは色々確認してみよう。」


 俺の視点は本当にゲームでの視点みたいだな。

 斜め上から見下ろして、ある程度の範囲が常に見える。


 ゲームと違うのは、周囲が把握しやすい事かな?

 頭を回せば今いる部屋は全部確認出来る。


「今いる部屋には、近くに敵が1体。

 少し離れた所にアイテムっぽい物も見えるな。」


 セイが爆速で寄っていったので、敵がもうすぐそこだ。

 マジで一直線だった。


「見たところ、水玉飴みたいな生き物?」


 俺の人生初のモンスターとの邂逅だ。

 昨日食べた水玉飴にそっくりだ。


「多分最弱の…スライムみたいなヤツかな?」


 なにせ1階だ。

 多分そんなヤバイ奴は出てこないはず。


「よし、セイ行くよ!『コウドウ』!」


 再び動き出したセイ。

 水玉飴に向かって攻撃を始めた。


<勇者の攻撃 水玉丸に3のダメージ>

<水玉丸の攻撃 勇者に2のダメージ>

<勇者の攻撃 水玉丸に3のダメージ>

<水玉丸の攻撃 勇者に2のダメージ>


 おお、交互に殴り合ってる。


<勇者の攻撃 水玉丸に2のダメージ>

<水玉丸を倒した>


「いいね!」


 やっぱり最初のモンスターだけあって弱かった。

 おそらく最弱モンスターだろう、と考えてたら、今度は見えてるアイテムに爆速で進んでいく。


「ま、待って待って『テイシ』!ちょっと1回ずつ落ち着かせて!」


 セイにとっては2億回以上やってる事だろうけどこっちは初めてなんだ!

 情報を整理させて!


「ふう。

 えーっととりあえず、セイは近くにある物にまっすぐ近づいていくみたいだな。」


 敵優先なのか何でもいいのかまではまだ分からないけれど。

 それで敵だったらそのまま攻撃する。

 状況によって違う動きとかしたりするのかな?


 …なんか凄いしなさそう。

 猪みたいに突っ込んで、ひたすら殴るしかしなそう。


「さて、近くに見えるアイテムは…宝珠に見えるな。

 なんだろうアレ」


 さっきセイはそっちに進んでいったし、進めれば拾ってくれるかな。


「『コウドウ』」


 お、いいね。

 拾ってくれそう。


<赤の宝珠を手に入れた>


 赤の宝珠?何だろうこれ?


<赤の宝珠を使った 赤の宝珠は火球の宝珠だった>


「何してんの!?!?『テイシ』!」


 えーっと、セイ君拾ったアイテム即使いましたね。

 そして火の玉が飛んでいき、壁に当たって消えた、と。


 一応、分かったことが3つ。


 一つ目は、落ちてるアイテムは未鑑定品だ。

 使ってみるまで何のアイテムか分からない。

 一度使う事で何のアイテムか判明し、その後同じアイテムは最初から何か分かる、という物だ。


 二つ目は、1回使い切りの攻撃用宝珠があるということ。

 きっと他にも色々あるんだろう。


 三つめは、セイは拾ったアイテムを即使う。

 アイテム温存とか敵に使うとか、そういう概念が無い。

 いやひょっとしたら未鑑定品にだけそうするのかもしれないが。


 これ、三つ目は早めに改善しないといけなそうだ。

 アイテムを上手く使っていけないと、攻略は夢のまた夢だ。


「よし、少しだけ状況整理出来た。

 えーとこの部屋にはもう何も無いな。

 次の部屋に進んでみよう。

 『コウドウ』」


 セイは部屋に一つある通路に向かっていく。

 多分あれだな、部屋にある物が無くなったら次に進む、って感じなんだ。


 通路を進んで二つ目の部屋。


「『テイシ』。

 えーっと、近くに敵が2体横に並んでて、その奥に宝珠が1つ。

 …いやこれ、位置関係が滅茶苦茶ヤバイ。」


 敵は赤い水玉丸に、ネズミの化け物みたいな奴。

 さっきの水玉丸より強そうなのが2体。


 そして問題なのが、敵との距離感。

 まっすぐ向かっていくと、先制攻撃を食らう距離だ。


 不○議のダンジョンではこっちから敵に隣接すると、先に攻撃される。

 こっちが移動で1行動して、そのあと敵が攻撃で1行動するからだ。


 だからその場で待って、相手に近づかせて、こっちが先制攻撃するのが基本だ。


 でもさっきのセイの動きを見る限り、多分そのまま突っ込む。


「…いやまだ分からん!

 ひょっとしたら滅茶苦茶弱かったり、セイが攻撃かわしまくるかもしれない!

 いけセイ!『コウドウ』!」


<紅玉丸の攻撃 勇者に3のダメージ>

<バケズミの攻撃 勇者に4のダメージ>

<勇者の攻撃 紅玉丸に3のダメージ>

<紅玉丸の攻撃 勇者に4のダメージ>

<バケズミの攻撃 勇者に4のダメージ>


<勇者は死んでしまった>


 …


 うん…


 知ってた…



 こうして俺たちの初ダンジョン攻略はあっさり終わった。

ダンジョン初挑戦は2部屋目で撃沈。

まだ何も改善してないから仕方ないですね。

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