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マーダーダンジョンAI攻略記!  作者: あきらとけん
第一章:世界の終わりと始まり
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【04話】その日俺は食住を手に入れた

 勇者にダンジョンを攻略してもらう。

 そのために定石とかのアドバイスをしっかり教えた…はずだが、まったく改善しない。


 一応、戻るたびに状況を聞いてアドバイスを追加するが、全然ダメだ。


「この方向じゃ…ダメなのか?」


 何回やっても勇者は10分そこらで戻ってくる。

 絶対生存率が上がるはずのアドバイスをしても、帰ってくる。

 ほぼ進展無し。



「ちょっと別の方向を考えなきゃいけないか?これ」


 一緒に攻略すること:NG

 勇者にアドバイスすること:NG


 じゃあもう次の候補は、「勇者を諦めさせて俺自身が攻略を進める」じゃないか…


「嫌だなぁー、折角行かなくて良さそうな方法見つけたと思ったのに」


 しかも諦めさせる方法って何だよ?

 他で事件起こしてそっちに向かわせる?

 王様からクビ宣告させる?

 勇者の心を折る?


 …なんかどれもダメそうだ。


 他で事件起こしても関与しなそうな気しかしないし、王様がクビに出来るならそもそも2億回も待たない。

 勇者の心も、折れるなら2億回の中で折れてる。


 分からない。

 分からないが、とりあえず次はこっちの方向で何か出来ないか、考えてみよう。


「…とりあえず休憩がてら宿屋に行ってみようか。

 今後の拠点になるかもしれないし。」


 勇者の動向を試行錯誤していたら、思ったより時間が経っている。

 時間の概念はちゃんとあるみたいで、足踏みしてると時間が進んでいく。

 大体1行動で5秒進む感じのようだ。


 時間はお昼過ぎ。

 少しおなかも空いてきたので、ご飯も食べたい。

 きっと宿屋でご飯も出るだろう。


 …


「すみませーん、宿を利用したいのですが、良いですか?」


「おや、城のお客さんじゃない人は珍しいね。

 うちは城のお客さんの利用者がほとんどなんで、宿泊費は無料だよ。

 運用費は城持ちなんだ。」


 マジか。

 良かったー、お金なんて持ってないから払えって言われたらジャージかスマホを売らなきゃいけなくなる所だった。


「それは助かります。

 食事はありますか?」


「ああ、11時から13時までは昼食が、18時から20時までは晩飯が出るぞ。

 メニューは選べないがな。」


 よかったー!飢え死にする事は無さそうだ!

 この世界、ダンジョン潜ってなくてもお腹減るんだもの!

 いや普通に考えたらそりゃそうだ、なんだけど!


「ではすみません、宿を利用させてもらうのと、さっそく昼食を頂いても良いでしょうか。」


「よしきた。

 じゃあ階段上がって2階の左奥の部屋を使ってくれ。

 食事は1階の食堂だ。

 準備しとくから、15分程したら降りてきてくれ。」


「分かりました、ありがとうございます。」


 とりあえず食・住確保!

 早速部屋に向かい、内装を確かめてみよう。


 …


「わぁーお、シンプルぅー。」


 いや予想はしてた。

 予想はしてたよ。

 この手抜きゲーで宿の部屋を凝るわけがないと。


「ベッド!机!椅子!以上!」


 必要最低限!!!!!

 いやでも、とにかく寝れる場所だ!

 ありがたく使わせてもらおう!


 しかし宿屋の店主も普通に話せるな。

 街の人が適当なだけで城の人はちゃんとしてるのかもしれない。


 …


 …


 …


「あの…」


「なんだい?」


「これ、何ですか?」


「定番の料理、水玉飴だが?」


「…」


 15分後、俺は絶望していた。

 食堂の席で待っていたのは、手のひらサイズの水の塊のような丸い物体。


 これが…料理?


 料理ってもっとこう、主食とおかずとサラダとかさ…

 せめておにぎりとか、パンで何かを挟んでるとかさ…


 …ここではこれが定番…


「…わかりました、ありがとうございます。

 頂かせていただきます。」


 もしかしたら滅茶苦茶美味しいのかもしれない。

 なにせ定番だ。

 定番になるだけの理由が、きっとある!


 …


 ジュル…


 …


 うわ、ナニコレ、薄い膜に覆われた水分の塊?

 水は粘性があって、水飴のような食感。

 味も水飴に近い、甘いもの。


 …


 不味くはない、不味くは。

 水分と糖分がしっかりあり、凄くエネルギーになりそうだ。


 …


「ごちそうさまでした。

 一旦部屋に戻りますね。」


「はいよ、ごゆっくり。」


 …


 …


 …


「非常食か!!!!!!!!!!」


 部屋に戻るなり、叫んだ。

 流石に作ってくれた人の横では言えないが、あまりに非常食。


 定番料理の昼食なのに甘味。

 一品のみ。

 味の変化無し。


「確かにおなかは膨れた。

 膨れたけどさぁ…」


 ステータスを見てみると、36%まで落ちていた満腹度が100%まで回復していた。


「ちゃんとした固形物が食べたい…」


 水飴っぽい物だけ食べても、満足感はまったく無かった。


 …


「とりあえず、今まで分かった事をスマホのメモ帳に残しておくか。」


 ほとんど機能しないスマホ。

 けれどメモ帳があれば、情報は残せる。

 一旦これを活用して、今後に役立てよう。



【メモ帳】

 ・この世界は不○議のダンジョンベース


 ・1回行動する毎に、世界や人物が1行動分動く

 ・1行動で5秒が経過する

 ・60行動で満腹度が1%減る

 ・上記から、満腹度100%で8時間超持つ


 ・ダンジョン攻略は同時に1人しか出来ない

 ・現在は勇者が攻略中だが、2億回以上失敗中

 ・勇者にアドバイスをしても、改善されない


 ・主食は「水玉飴」 甘い水の塊


 …


 横になりながら分かった事をメモし今後の事を考えていたら、昼過ぎにも関わらずいつの間にか眠りに落ちていた。

現状までの整理と、宿屋関連ですね。

食が合わないというのは現代日本人では本当にキツイと思います。

…固形物が無いのは現代日本人以外でもキツイか…

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