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マーダーダンジョンAI攻略記!  作者: あきらとけん
第一章:世界の終わりと始まり
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【03話】その日俺は勇者とコンタクトした

 王様からダンジョン行きを却下されたのち、もう少し話を聞いたところ「勇者が諦めた時に次の攻略者が必要になるため、募集中で間違いない」との事だった。

 じゃあ勇者が諦めるの待つしかないってこと…?


「困ったぞ、何をしたらいいのかが分からない。」


 街の人がダンジョンダンジョン言うからダンジョン行くのが正解かと思ったら、そこが手詰まり。


 …


 いやまて、例えば何かしらのイベントを進めたら勇者が死んだり諦めたりするのかもしれない。

 そして役目を引き継ぐ俺、という流れか?


「となると一旦1階で情報収集か。

 イベントが進むかもしれない。」


 しらみつぶしに話しかけて、展開を進める。

 RPGの基本だ。


 いや不〇議のダンジョンならそんなの無くしてすぐに潜らせろとは思うが。



<<シュゥン>>


「うわっ!」


 先の展開考えてたら、さっき1階で見た甲冑マンが王様の前に沸いて出てきた!

 ワープ!?


「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない。」


「…え?勇者…?」


 この甲冑マン、勇者だったのか!

 いやでも確かにこいつだけしっかり動いてたしな。

 ちょっと納得。


「というか死ぬの早っ!」


 さっき見てから15分も経ってないぞ?

 序盤で事故ったのかな?


「これで2億4715万9921回目の挑戦じゃ。

 次こそはしっかり攻略してまいれ。」


 …


 ……


 ………


 …………は?


 にお…え?


 におく…なんだって???


 …この勇者2億回以上挑戦してるの!?


 確かに1000回遊べるRPGっていう謳い文句だけれどもそれを遥かに超越している!?

 てか2億回やって攻略出来ないのは、難易度バグってるか勇者がとんでもないアホかのどっちかだ!


 …


 その後、しばらく玉座の間で足踏みしていると、10分おきくらいに勇者が沸いてきた。

 このペースは流石に早すぎる。


「この勇者、多分何も学んでないぞ…」


 このジャンルの基本は、死んだらそれと同じ過ちはしないこと。

 これをやったら死ぬ、を避けていけば、基本的に前より先に進める。

 序盤は特にだ。


 …たまに理不尽に死ぬけど。


 だからこれだけ連続で序盤で死んでいるのは、勇者が行動を何も改善してないからだ。


 もしかしたら序盤から鬼のような難易度な可能性もある。

 けど『制限』で強制的にレベル1スタートな点から考えても、そんな滅茶苦茶な作りではないだろう。

 多分。

 おそらく。


 …


 なんかちょっと状況が分かってきたぞ。

 何故かは知らないけど、勇者は学ばずにダンジョンアタックし続けてる。

 当然攻略出来るはずもなく、無限に突撃を繰り返す。


 一種のハマり状態だ。


「このハマりを解消出来れば状況が進展するんじゃ?」


 何していいか分からなかったさっきに比べれべば、少し光明が見えた気がする。


「取れる選択肢はー…」


 A:勇者に諦めさせる

 B:勇者をダンジョン外で死亡させる

 C:なんとかして勇者にダンジョンを攻略させる


 …


 うん、Cだな!

 俺がダンジョンに行かなくてすむし!


「この『なんとかして』は、やっぱり勇者に定石を覚えてもらう、かな?」


 とにかくダンジョンの進み方を勇者に教える。

 あとは勇者に頑張ってもらう!

 もし勇者が攻略出来れば俺も帰れるかもしれない!


「よし方向性は決まったな!頑張れ勇者!」



 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



「さて、まずは勇者とコンタクトを取れるかだな。」


 少しすればまた死に戻りしてくるだろう。

 しばらく足踏み足踏みっと。


 どうでもいいけど足踏みしてもまったく疲れないの凄いな。


 …


<<シュゥン>>


「おお勇者ようんたらかんたら。」


「お、来た来た。」


 いつも通り、王様のセリフのあと勇者はすぐに下の階に移動し始める。


「あ、ちょっと勇者さん。」


 呼び止めたらしっかりこっちを向いて反応してくれた。

 会話できそうだ。


「今ダンジョン攻略、やってますよね。

 良ければ少しアドバイスしたいんですが、いいですか?」


 勇者がコクリと頷いた。


 あ、これ無口系の主人公か。

 あれ、じゃあこれ、勇者から情報を聞き出すのはかなり厳しい?

「はい」と「いいえ」しか答えられないやつじゃない?


 …


 想像通りであったが、なんとか細かく質問して判断していくと、やはりほとんど不〇議のダンジョンだった。

 それが分かれば、アドバイスは出来る!


「えーっと、じゃあまずはですね…」


 この手のジャンルの基本の事を色々教えてあげた。


 …


「こんな感じです。わかりました?」


 コクリ


 この勇者、素直だな。

 見た目は甲冑で凄いけど、ちょっと可愛く見えてきた。


「じゃあ、行ってみましょうか!」


 コクリ


 勇者は頷いて、ダンジョンに向かっていった。


 …


<<シュゥン>>


 10分後、帰ってきた。


<<シュゥン>>


 また10分後、帰ってきた。


<<シュゥン>>


 学べ―――――――!!!!!!!!

勇者君、何も成長していない。

この世界の現状が、なんとなく分かりますね。

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