表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄泉がえり  作者: たま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/10

地蔵

「あ〜、毎年思うけど暇やなあ〜」従兄弟の双子が文句を言う。

「そうなんだ。いつも冴子面白かったと帰ってきてたよ。」織子が一緒に歩きながら答える。

織子、冴子、双子2人で朝っぱらから村を散策する。

「冴子は良いよ。1泊ですぐ帰るし。

俺等はヘタに近いから、帰りは自分達で帰って来いと置いていかれるねん。

ウチも両親働いてるからなあ〜

だいたいオトンもオカンも運送会社やから夜勤とか朝帰りとか多いし。家におっても誰もご飯作ってくれへんしな。ココが親も都合が良いらしい。」と上の身長がバカ高い子が言う。

結局、4人子供が居たが次男家の孫達が1番ココにお世話になってたらしい。

双子だが、(みやこ)はバレーやってるせいで中学生で180cmある。(みやび)もラグビーやってるので170cmで身体が大きくてガッチリしてる。

祖母祖父は、この2人をお盆時期は必ず預けられて食べさせてるだけでも大変だったろう。

「まあ、高校はスポーツ推薦でもう決まってるし。

練習が鬼だからお盆無いし。田舎は俺等はもう今年で最後や!」双子がちょうど地蔵の前で高笑いする。

「エ〜ッ、そうなの?じゃ、私も辞めようかな?

大人だけだとつまらないし。行き帰りもお母さん、全然買い物させてくれないし。いつも新大阪でたこ焼きしか食べさせてくれないし〜」と冴子も来年は来ないと宣言する。

織子はふと後から腕を引っ張られた気がして後を向いた。

本当に手ぬぐいを頭から被ったおばあちゃんが居た。

「ヒッ!」双子も冴子も大げさに驚く。

「美沙ちゃん!なんや、生きとったんかい?

どこに行っとったんや?」とおばあちゃんに聞かれた。

「もう!おばあちゃん、美沙ちゃんな訳ないやろ!

その子はお孫さん!1番上のお兄さんの所の子やで!」とおばあちゃんを探してたのか年輩のご夫婦が迎えに来た。

「ごめんね〜おばあちゃんボケてしもて。

ふらふらと地蔵から森の方へ入ってしまうねん。

美沙ちゃんの事件あってから、もう森に入る道にはロープ張ってんのにな。」と言いながらおばあちゃんを連れて帰った。

「あの森の中で死体が見つかったんやて。村でも可愛いと噂やったらしいし。でもイタズラとかされてなかったって。」双子がまた織子をキラキラした目で見ながら古びたロープを張られた森の方を指さす。

スゴい防創痕(ぼうそうこん)だったらしい。森の中を逃げ惑い相手と必死で戦った為に手足も顔も傷だらけだったと。

最後は紐で首を絞められて殺されていた。

これだけ証拠があるのに犯人は結局分からなかった。

決め手の首を絞めた紐は川沿いの木の枝に括り付けられていた。紐は近所の農家の納屋で農具を縛っていた紐だ。そこは家でもないし畑の横のちょっとした納屋だ。誰でも出入りできる。

怪しい人間の目撃情報もあったが、森の中や納屋には

この村の人間の痕跡しかなかった。

田舎は共同体なのだ。誰も彼もが家族だったり親戚だったり。その中に犯人が居ると言われるのは嫌なのだ。

いつの間にか自殺だったんじゃないか?とか野生の生き物が死体を引きづり回したのではないかと話がすり替わっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ