↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ニ万PV感謝ですっ!】魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ
正式編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

98/111

第七十六話

第七十六話




まさか学校で源綾音から教わった恐怖の転用で使う羽目になるなんて思いもしなかった。


だけど肉塊にされた人を治すためなら手段なんて問う暇なんてないんだ。


まずは三階の一年生の教室からだ。



肉塊から人間の身体に戻す際には使用するのが、肉塊になる時の苦痛や恐怖諸々だ。

戻った際にはその恐怖自体は消せるけど記憶は消せないのが、難点なんだ。


だけどそれは試験を受ける前の話だ、今はもう少し良くなっている可能性がある。


「試す形になってごめんなさい。今から治すから」


肉塊になっている人に先に謝りを入れ、治療を開始した。



治療速度も前回と比べて圧倒的に早くなっている。


しかし治療後の表情が物語っている、恐怖の記憶は消せていないと。


「朱莉、この人を少し眠らせてあげて」


過呼吸で倒れる人や治療が終わった瞬間意識を失う人など様々な反応があった。

それはそうだよね、あんな経験したんだから当然だ。


「ほんとにいいの風香ちゃん?」


「今は一時的にでも眠ってもらった方が、夢だと思えるかもしれないでしょ……その方が後々を考えれば良いと思う、多分」


こんな地獄は夢であってほしい、僕ならそう考えてしまうから。


香取雛の魔法が夢なのも、変わる前の願いなのかもしれない。


『今の君たち魔葬少女はまともな状態で死ぬことが出来る。私たちはそれが許されなかった。分かるわけないだろうね~、平和な君たちには!!』


夢の内容を思い出したから、過去の話をする際の香取雛の表情にも目が向いてしまう。


なぜ僕はこんな時に関係ないことを考えているんだろうか。


「眠らせたよ、風香ちゃん。やっぱり疲れてるんじゃない?」


「朱莉もそう思うよね。今は治すことを考えないと、だよね」



思考回路を上手く使わなければ上手く治せない可能性があるのだから、関係ないことを考えている場合じゃない。



教室を見ていたが、今のところは肉塊にされたのは一年生の一組、三組と三年生の二組、三組だった。


以前なら治療だけで二十分はかかっていた時間が、移動を含めて治療完了するのまでに、八分までに短縮出来ていた。


人数の差もあるのだろうけど、確実に早くなっている。


そう、早くなっているんだ……これって堕ちてきてるってことにならないのよね。


「朱莉……僕たち、まだ大丈夫だよね」



「大丈夫だよ、風香ちゃん。早くなってるのは正式な魔葬少女になれたから、風香ちゃんの魔法の技術が上がってるだけだよ。私だって魔法の威力上がってるよ。前のままだと千紗さんの重力の時点で耐えきれずに死んでたはずだよ」




朱莉はこう言ってくれているけど、過ごせる時間が減っていると考えてしまったら僕の頬を雫が流れていた。


「ごめん朱莉……泣いてる場合じゃないのは分かってるのに……」



僕にとって朱莉との日常の象徴がこの学校なのにこの光景になっている。


いくら肉塊にされた人を治しても源綾音に再び肉塊にされるかもしれないと考えてしまう。


その上で今、僕のしてることって無駄なんじゃないかそんな思考ばかりが頭を回ってしまう。




「朱莉、今は泣いてもいい?」



『感情に素直になること』


愛海さんの言葉は朱莉とは異なる意味で背中を押してくれる。


こんな状況だけど、素直になってみることにした。



「いいよ、風香ちゃん。おいで……ここなら、誰にも見られないよ」


撫でられながら朱莉の胸で僕は無様にも咽び泣いた。

読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来る時にしますね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。