第七十二話
第七十二話
とにかく今は身体を軽くしなければ押し潰されてしまう。
一気に無重量魔法まで飛ばして作るのは流石に無理だ。
ならば先に身体をトランポリンのような軽さに魔法を作る必要がある。
昔にトランポリンで遊んだ時の飛ぶ際の感覚を想像しながら魔法を制作した。
「これから試しに作った魔法をかけるから感想聞かせてすぐ改良したいから」
「……うん」
身体強化で抱えた朱莉に魔法をかけながら、僕は思考を巡らせながら魔法の改良・制作をしている。
「少しだけど、楽になったよ。だけどまだ一点に潰されてる感覚だから、ふわっと浮かぶような感じにしてほしい」
朱莉の言葉の後、僕の感じる重力は少しずつ軽くなっている。
「私にはこれぐらいしか出来なくてごめんね風香ちゃん」
重さの感覚を飛ばしてくれているのか。
「ありがとう朱莉」
ふわっと浮かぶような……そうかイメージとしてはトランポリンよりも風船の方がいいのかもしれない。
身体を風船のイメージに追加で押さえつけられた際に押し返すバランスボールのように変える魔法に改良する。
「朱莉どう?」
「さっきよりだいぶ良いけどまだ少し全体的に
重いかな」
全体的に重い……か、宇宙の映像を見ながら宇宙食を食べた時を思い出しながらそのイメージも追加してみよう。
鮮明に思い出さないと、死んでしまうんだ!
朝倉さんについていくほど格段に重くなっているのが分かる。
そんな中、漆黒が見えかけた。
場所を見ると朱莉の周りにだったので、途中だとしても朱莉に魔法をかけて上で狂卒式の空間生成だけを利用し隔離した。
その直後あのセリフが耳を入ってきた。
「そこの愚図共、この私に傅き跪きなさい!!」
「…………身体が……動か……ない」
「ちょっと千紗ちゃ~ん、やり過ぎだよ~」
青混じりの瞳で朝倉さんは平然と動き回り、空中にいる千紗さんを目で追い、好奇を伺っている様子を受けた。
「貴女がお婆様ですのね。この私よりも弱そうじゃないですか、そんなみっともないお姿で私よりも先輩などと……"よくもほざけますわね!!"」
これ、さっきより重過ぎて……ここまでかも。
だったら朱莉だけでも、逃がさないと。
僕が隔離空間に手を伸ばすその瞬間に暗めの声が僕の耳に微かに入ってきた。
「"仲良くなって落ち着こうよ"」
すると千紗さんの周囲を囲うようにあのグルグル回る地球義のようなジャングルジムが生み出された。
そして逃げ場を無くすようにジャングルジムを滑り台が覆った。
「重たいけどこれなら身体が動く」
身体が動くことを確かめた僕は途中も魔法の制作を再会しながら朱莉の場所へ走っていた。
すると暑苦しい声が鼓膜を叩きつけてきた。
「待たせたな!! 激っているか風香!!」
「あれ〜、深春ちゃんには眠ってもらったはずなのになんでここにいるの〜」
僕より先に反応したのは朝倉さんだった。
「回復感謝するぞ凛子っ!! おかげでこのように、熱意五百パーセントだ!!」
高槻さんはもう一人の暗めの少女に視線を合わせた。
「太陽の深春ちゃんと合体魔法なんて恐れ多いよ……でも太陽になるため仕方ないよね」
空中に生成されたシーソーと人形のような存在に熱意が鎧と武器として纏わせた。
「このような囲いで私が捕えられるとお思いなのでしたら笑止千万ですわ!!」
囲いを回転させながら破壊した千紗さんを熱意纏いの人形が攻撃を始めたのは理解出来た。
「ホバリングしてるみたい」
しかし攻撃が早すぎて僕には止まって見えてしまった。
「更に畳み掛けるぞ夜千夜!!」
「まっ、任せて深春ちゃん」
高槻さんと夜千夜と呼ばれた少女の合体魔法をモロに受けた千紗さんは六秒ほどで再生させてしまった。
「……熱いではないか!!」
「今のは褒めてあげてもいいわよ、まさか回復に六秒もかかるなんてね。でもまだ足りないわよ、私は復讐するのよ。そのためにはこれ以上貴女たち愚図共に構っている暇はないのよ!!」
「深春ちゃん、今すぐ下に逃げて!!」
「了解だ!!」
なぜ下に逃げろと夜千夜さんが言ったのかは天と地がひっくり返った時に理解した。
その様子を隔離空間から見ていた朱莉は『良い方法を見つけたかもしれないから試そうよ!』と提案してきた。
同時に朝倉さんの瞳も右眼が黄色になり『今がチャンスかな〜』と呟いていた。
そして朝倉さんは僕と朱莉を見つめて口だけを動かした。
『協力してほしい、多分考えは同じだと思うから〜』
僕と朱莉は同じタイミングで口パクで返事をしていた。
『協力します、ここで死ぬわけには行きませんから』
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




