第九話
第九話
秋口風香さんに利根島朱莉さんですか……愛いですわね、あの関係。
美月ともあんな愛い関係になれるのかしら……いいえ、なってみせますわ!
「さっきの魔法とても良かったですわよ」
「そう? それは良かった」
反応が薄いのは相変わらずですわね。
美月の口数が増えているのは良い兆しですわよね。
「疑問に思っていたのですけど、美月が魔法に何の感情を使っているのか教えてもらえないかしら?」
「感情? 昔は希望だったよ」
昔ってどういう意味なのよ、魔法に使う感情って変わるものなのかしら?
「私が聞いてるのは今使っている感情ですわよ!」
「今は……なんだろう、葵は何だと思う?」
「私に聞かれても分かるわけないわよ」
私と美月が話していると風香さんのところの契約霊が私に話しかけてきました。
「なあ、ミコトんとこのガキちょっといいか」
「なんですの? 今の私はアンタに構っている暇はありませんのよ」
私が拒否すると、この方の顔はプールあがりの指のように歪み脅してきました。
「調子乗んなよガキが、僕たちはいつでも壊せるんだからな口の聞き方に気をつけろよ」
この方、ミコトよりヤバいのではなくて?
風香さんたち相当苦労してそうですわね
私がその後見た光景は意外の一言でした。
美月がこの方の頭を残して握りつぶしたのですから。
「葵、これで安心して話せるよ」
しかしこの方は一瞬で潰された頭以外を再生させた。
「雛としての出来がいいじゃねえかミコト! まあ僕のところの方が出来はいいけどね」
美月が私のために行動してくれるなんて……これなら仲良くなれるわよね。
私が美月に話そうとしていると、あの方が何かを叫んだ。
その叫びを聞いた美月は悶えながら今まで聞いたことのない声色で苦しみながら叫んだ。
あの方の叫びの少し後に魔物の群れが現れましたわ。
「葵、早くこの子たちを逝かせてあげよう」
美月の苦悶の表情を見て初めて胸を痛めた。
「ええ、私たちで逝かせてさしあげましょう!!」
群れで来ているのですから、やることは一つ
「風香さん、朱莉さん分担して成仏させましょう!! 私と美月で五体成仏させますので、お二人は残りの四体をお願いしますわよ!!」
私の魔法は飢えの感情を使います。
愛情への飢え、幸せへの飢え……母上を失って私は飢えている。
「満たされなかったアンタ達を飢えているこの私が救ってあげますわ!!」
「ぐごぉぁあ!?」
「もっと存分に泣きなさい、アンタ達の嘆きを私が共に墓場まで連れて行ってさしあげます」
「ガァァア!?」
「葵、この子は元々魔葬少女だったみたい。魔を取り込みすぎたみたい」
「そう……でしたら、未来に希望があることをこの私が証明してさしあげます。安心してお眠りなさいな!!」
成仏して自由に生きなさい、私たちの代わりにね。
それと母上に会った際は娘は元気だと伝えてちょうだい
「楽園への誘い(スーサイド・パンク)」
「死せよ、食糧」
「あぁぁぁぐぁぁ!?」
私も美月も魔物を一秒でも早くその苦しみから解放してあげたい、その一心で手加減なしで成仏させる。
私たちに出来ることはそれぐらいしかありませんから……成仏させずとも堕ちる前に戻せる方法を私と美月が見つけることを約束いたしますわ
「ごめん、葵……本当は」
美月は何かを私に伝えたいみたいですけれど、魔物が倒れた音で上手く聞き取れませんでしたわ。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来るときにしますわね




