第十話
第十話
「ねえ美月、あたしが葵と組ませた理由理解してるよね?」
「してる。だからさっき言った」
「多分伝わってないよ。それに今、魔物を成仏させる気分ってどんな感じなのかあたしにも教えてよ!!」
「気分? 特に感じないよ」
「ほんとつまらないよね美月って。美月みたいな存在が珍しいから知りたかったんだけどなぁ」
「そう。柊さんには分からないと思うよ」
「前の名前で呼ばないで、あたしはもう魔葬少女じゃなくて契約霊のミコトよ! そもそも美月がいなくならなかったら私は堕ちてないの……せっかくまた会えたのに」
「葵を堕とすために私を呼んだ、そうでしょ」
「よく分かってんじゃん、さっすが元相方。性格は変わりすぎだけどね」
「葵を堕とさせない」
「はいはい、それは頑張って。調理は終わらないけどね」
ミコトと美月はあんな隅っこで何を話しているのかしら?
私が美月たちの方に走ろうとしたら風香さんに止められました。
「霜月さん、やめた方がいいと思う」
「なぜですか?」
私が何度聞いても風香さんに誤魔化されるので、聞きやすそうな朱莉さんに聞いてみました。
「朱莉さんなら答えてくださいますわよね?」
「葵ちゃんに渡すサプライズプレゼントの相談みたいだから知らないフリしてあげて」
美月とミコトがそんな嬉しいことを考えてくれているなんて……意外ですし、心が温かいですわね。
「そういう事でしたら、分かりましたわ。知らないフリですわね。私に任せてくださいませ!!」
「「霜月さん(葵ちゃん)、声が大きいって!」」
「お二人とも、焦りすぎですわよ!」
私の声に反応した美月とミコトは話を中断した様子で戻ってきました。
「どうしたの葵?」
「いえ、なんでもないわよ」
「そうなの? ニヤけてるけど」
「美月、この後ご飯食べに行くわよ!!」
「お腹空いたんだね」
「こんな時間ですからね、当然ですわ!」
「前回はお寿司だったよね」
「今回はしっかりと美月の好みも聞けましたし、焼肉を食べに行きますわよ!!」
今回の焼肉は前回みたいにほぼ無言で食べ終わって別れることはないはずですわ……たっ、多分。
風香さんと朱莉さんのおかげで楽しくなりそうですわ〜!!
そして場面は風香に切り替わる。
さっきのあの二人の話が本当なら、松島さんは……既に堕ちてるってことになる。
それに契約霊が元魔物なのは分かってたけど、魔葬少女が魔物になって契約霊になるってことになる。
そもそもの平均を知らないから言えないけど、もしそうならアイツもなのか?
アイツだとすればアイツは魔葬少女の苦労も魔物としてのことも知りながら僕と朱莉を陥れようとしているのか?
それなら契約霊を変えても根本は変わらないんじゃないのか……元には戻れないんじゃ
僕が焦っていると朱莉が手を握ってくれた。
朱莉の温かさが僕を正気に戻してくれた。
「朱莉がいれば僕は、なんだって出来るよ。ありがとう」
僕は朱莉の手を頬につけて微笑んだ。
「これで付き合ってないとかありえねぇだろ」
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




