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【ニ万PV感謝ですっ!】魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ
雛(新人)編

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第六十九話

第六十九話



「「魔女様、試験を受けにきました!!」


魔女様の部屋に入った僕は母さんが見ている中、朱莉と試験を受ける。


母さんの様子は以前見た時より良くなっているのが僕にとっての救いだ。


相変わらず"風香さん"なのは変わりなかったけれど、それでも母さんはアイツが消したはずの僕が回復魔法の練習をしていた時の記憶だけは思い出していた。


「朱莉、必ず正式な魔葬少女になるよ」


朱莉の温もりはいつも僕に勇気をくれる。


この温もりを奪った咎を絶対に許さない。


「風香ちゃん、力みすぎだよ。痛い」



「ごめん、朱莉冷静になるよ」


僕は冷静にそして確実に魔法の威力を高めるために昨晩のこと、そして朱莉が咎に殺された場面と香取雛に踏みつけられている朱莉を思い出し冷静さを取り戻した。


その光景を見ていた魔女様は僕と朱莉に試験をしても大丈夫かと問いただした。


僕たちは全力で準備万端だと答えた。


魔女様が説明した試験内容は単純な物だった。

『私の使う魔法に耐えろ』

ただその一言だった。


その瞬間僕の脳内で、朱莉が様々な方法で殺されている光景が再生された。


そして気づいた朱莉を殺しているのは僕自身なのだと。



……これは魔女様の魔法だ。


どれだけ魔法だと飲み込むことが出来てもこの手に残る感覚が、朱莉を失った時と同様の恐怖を植え付けた。


これに耐えられなければ咎どころか香取雛にすら勝てはしない。


朱莉から溢れ出る返り血の温もりに高揚しかけた僕は昨晩のことを思い出した。


この試験に堕ちれば朱莉を失う、そう考えれば魔法に負けるわけにはいかない。


「朱莉、僕は負け……」


一瞬魔女様の魔法を振り払った僕が朱莉に顔を向けると、僕に魔法を放とうとしていた。

いやあの表情は僕を見ているが違う何かを見ている。

あの瞳を見ていると、"秋口さん"と呼ばれたあの時を思い出す。




「風香ちゃんから離れて雛! 私はもう二度風香ちゃんを傷つけさせない!」


朱莉の怯えながらも確固たる決意が宿るあの瞳を壊させるわけにはいかない。


朱莉が使った魔法は攻防一体の盾のような姿をしていた。


しかも盾からは毒のようなものを吹き出し意識を撹乱させる効果まであった。

そして二秒ほどが経ち体内で毒が爆発して身体が弾けた。


身体を再生させた僕は声色を優しくし朱莉を抱きしめて囁いた。


「安心して朱莉、この後デート……しよっか」


僕の声が幻覚の影響で聞こえていないのは返答と行動ですぐに理解出来た。


朱莉は僕を振り払い魔法を披露した。

「また風香ちゃんを可愛がるなんて……そんなことさせるわけがないでしょ!」


次に朱莉が披露した魔法はあの時の僕を彷彿させるものだった。


自らを傷つけ"愛"と刻まれた粒が振り撒かれたのと同時に粒が様々な武器として変化し僕に襲いかかった。


しかも武器の動きは変則的で読みづらく掠った瞬間に接触箇所が吹き飛んだ。



僕の魔法には、恐怖を与えることしか出来ない。


ならば魔女様の幻覚も利用する。


この時だけでいい探知魔法を常時発動させ、恐怖の度合いを計り最大でも紫で抑える。



それに加えて探知魔法に焉恋の獄と狂卒式を組み合わせる。


転移させず脳破壊せずに幻覚を解除するために探知魔法を組み合わせるのだから。


今回朱莉を攻撃するということは朱莉の魔法により僕自身に返ってくるということだ。


この合成魔法は自衛の策でもあるのだから。


朱莉が僕に向けてくる魔法は見たことないものばかりで、朱莉も魔法を作っていた事実に安堵した。


一緒に生き残ろうと朱莉も必死になってくれている証拠でもあるからだ。


「合成魔法、狂焉の灯火(きょうえんのともしび)……初めてだけど必ず成功させる。朱莉と一緒に必ず生き残るために!!」



決意の雄叫びと共に僕は魔法を放ち、朱莉恐怖に身悶える様を数秒だけ眺めた。


朱莉を守るために人を傷つけた己への贖罪と、この絶望を朱莉に二度とさせないと誓うために。


身悶えながらも朱莉の魔法の威力は上昇するばかりだった。


「ごめんね、そろそろ戻すから……デートしようね」


脳を破壊しないよう調整しながら、朱莉の頭に触れた。


……朱莉の悲鳴は、僕に恐怖という力を与える反面恋人としての尊厳を破壊しているようで罪悪感で苛まれる。



「……はぁ、はぁ、なんとか上手くいった」


意識を失った朱莉の横で安堵している僕が魔女様に合否を聞いた。


「……どう、ですか……魔女様……」


魔女様は拍手し答えた。


「総合的に判断して合格。だが、感情のコントロールとしては及第点レベルだ。

感情に飲まれなかったことは評価出来るこど覚えておいてほしい。

そして最も評価できたのは魔法の応用に関してだ、この点は二人とも文句なしの合格だ」



安心した僕は全身から力が抜け気絶した。



意識が途切れる中で、僕はこの合成魔法を朱莉を守るために改良しようと決意した。

読んでいただきありがとうございます!!

雛(新人)編はここで終わります

次回から正式編です

更新は出来る時にしますね

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