第六十五話
第六十五話
篠原さんが言っていたあやかし少女が人身御供だということを僕は知らなければならない。
「篠原さん、人身御供ってどういうことなのか教えてくれませんか!」
篠原さんは呆れて言葉を失っていた。
「ふざけてんのか風香、儀式の時に聞くものだろうがよ」
その言葉に僕は納得してしまった。
人魚の肉を食べてからやったことは朱莉を喰らっていた中継さんの頭を魔法で創造した槍で貫いたことだけだ。
だとしても朱莉が喰われているのを目撃するまで意識がなかったことに変わりはないんだ。
「大切な恋人が喰われている光景を見て冷静に聞けなかったことは正直に認めるけど、僕は…………」
言いかけているのを篠原さんに割って入られ蔑まれた。
「その顔を見るに本当に聞かなかったのか。…………はぁ、このままだと利用価値が下がるじゃないか、頼むから鹿波のためにも下げないでくれ」
篠原さんの言葉に朱莉が言い返したけど、さっきの僕みたいにされないかが不安で仕方ない。
「私が中継さんに食べられてたから、風香ちゃんは聞けなかったの……悪いのは私なの。だから風香ちゃんは私を思って助けてくれただけなの、だから悪く言わないで」
朱莉の言葉の直後、浅霧さんから今まで感じたことのない焦燥感を感じ鬼を呼び出し僕と朱莉を守るように頼んでいた。
鬼に覆われ周囲が見えない中、篠原さんの叫喚とすら感じる声が聞こえた。
「咎の娘が誰かを思って行動しただと……ふざけるな、ふざけるな!! 壊した側が愛を語るなぁぁァァアァアア!」
覆われている中で、霧谷さんが僕と朱莉に急ぎ足で人身御供の意味を説明してくれた。
「人身御供とは、不老不死の少女に呪いと穢れを取り込み管理し人々を守るための存在それがあやかし少女なのさ!」
周囲の景色が目に入った瞬間、現実かどうか分からなくなってしまった。
「ねえ朱莉、あの赤い湖の場所って……さっきまで町だったよね」
見渡す限りの数キロの景色は篠原さんを中心にえぐれ赤い湖がいくつか出来ていた。
僕は考えたくなかった、その湖がなんなのかを、考えたら分かってしまう。
どれだけ考えを振り払っても、あれが血で出来た湖だと理解してしまい、無意識のうちに朱莉の手を握っていた。
浅霧さんは篠原さんを目がけ地面を抉りながら走って行った。
「何をしているんだ冬子ぉぉぉ!!」
何かが弾ける音が聞こえたと思ったら、篠原さんの顔を浅霧さんが握りつぶしていた。
「少し頭を冷やせ冬子!!」
だがその後瞬き後には顔を再生していた。
「頭を冷やしてほしいなら今は一人にさせてくれ」
僕たちは、二人に担がれ学校まで連れられた。
消された町が隣の市の町とは言え、学校まで行くだけでも肉片が浮いており、信じざるを得なかった。
二人が僕たちを降ろし、文化祭を楽しむように言ってくれた。
霧谷さんは準備を励むように言い
「説明などは、双方が落ち着いた後にしようではないか、僕と雫も文化祭には行かせてもらうよ、全力で楽しませてもらうから準備も励みたまえ」
浅霧さんは、店舗のことを質問してきた。
「私はお好み焼き喫茶とか行ってみたいが、あるのだろうか?」
霧谷さんが浅霧さんに待つ方が楽しみだと伝えた。
「雫、そういうのは聞かずに楽しみに待っている方がいいものなのさ」
その後僕と朱莉に念を押した。
「風香、朱莉、文化祭をするのも準備をするのもいいけれど正式な魔葬少女への試験を受けることを忘れないようにね。僕たちはこれで帰るから、場所は雲外鏡で追えるようにしておくからいつでも訪ねてきて」
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来るときにしますね




