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【ニ万PV感謝ですっ!】魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ
雛(新人)編

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第六十四話

第六十四話



雲外鏡を使い転移した僕と朱莉であったが、この時の僕たちは知る由もなかった。


あやかし少女の肉体にも感情魔法や感情のコントロール同様に練度があることに。


転移した先には浅霧さん、霧谷さん、あの時の女性がいた。

確か女性は霧谷さんから、篠原嬢と呼ばれていたな、そう呼んだ方がいいのだろうか?


そう考えていると女性が僕を見るなり睨みつけるような表情をしながら口を開いた。


「咎の娘が何故ここにいる」


三人に魔女様と同じく怪寿村で人魚の肉を食べたこと、幼い雲外鏡を手に入れたこと、アイツと入れ替わった荒川咎の可能性が高いと注釈を入れた上で出会ったこと、そして魔女様から当たるように言われたことを説明した。


「……ふっ、ははははは咎の娘があやかし少女になったって何の冗談だよ。……舐めるなよ小娘が、私たちがどんな思いであやかし少女になったか理解した上での発言なんだろな。ならば文句は言うなよ。それに雲外鏡は鹿波(かな)の相棒なんだ……咎の娘が使うな!!」


女性の言葉が耳に入った瞬間、視界が奪われた。




「篠原嬢、落ち着きたまえ。思い出したまえ雲外鏡は有栖川嬢の他にも使役していたはずだ。それに新人相手にやり過ぎだ」


「冬子何をしている、仲間にすることではないだろう!」


「これでも私は寸止めな上に手加減もしているだろうが、何を焦る必要がある霧谷、浅霧」


何が起こったのかは治っていく身体を見て理解した。


肉体が消し飛び、顔から再生していったが痛み自体は何も感じなかった。


「……はぁ、はぁ、なんとか間に合った」


朱莉の疲労と僕が痛みを感じなかったのを合わせると、痛みを飛ばしてくれたのだろう。


「……風香ちゃん、ごめん焦って飛ばしたから誰に飛んだか分からない」


この後振り返った僕は理解した何を浴びたのかを。


「朱莉、なんでさっきまであった山がなくなってるの」


「あの人のパンチの風圧で……なくなったよ」


その言葉だけで、朱莉が焦った理由としては充分すぎる。


もし僕と朱莉もこれぐらい強くなれるのなら、咎を殺して元の生活に戻る計画の成功率が高まる。


僕たちには二年しかないんだ。

身体は不老不死になったとしても感情消費での魔物化や人形化のリスクは何も変わらない。


だからこそ僕はこの光景を見て少し期待してしまった。


あやかし少女がこれほど強くなれるのなら、魔葬少女と合わせれば、僕と朱莉は強くなれると。


「浅霧さん、教えてもらえませんか。あやかし少女がなんなのか、そしてどうすれば強くなれるのかを」


浅霧さんは自信満々に任せろと答えてくれた。


「まずあやかし少女については世界に必要とされたということだ。強くなる方法は肉体の練度を上げることだ。簡単にいうと闘いまくれということだ!」


そんな単純なものなのか、感情コントロールよりは簡単そうだな。


浅霧さんは付け加えてこうも言っていた。


「鍛えれば風圧だけで都市も吹き飛ばせるぞ。国だって消せるようになった人もいたんだからな……まあ国に関して咎と私だけ、だから冬子が手加減したというのは事実だ」


「国を消せるってどういうことですか?」


僕が重要と思うことを質問すると、希望になり得る答えが返ってきた。


「私と霧谷で魔葬少女が生まれる前に行われた咎(峯)の大型実験を止めた際、戦闘中に消しちゃったんだ。……今は届くか不安もあるけどね、あの時でさえギリギリだったから」


国を消したより、僕にはギリギリでも咎の実験を止めたことの方が重大だった。

今の僕たちには戦力が必要なんだ。


「その話、さらに詳しく教えてくれませんか?」


「今はちょっと待って、後でみんなに話すから」


もしこの話が本当なら、七不思議調査の時は浅霧さんも霧谷さんも手加減していたということか。


「それだと普段の生活はどうするんですか?」


朱莉も同じような疑問を抱いたらしく、浅霧さんに質問していた。


「普段は大体出力を十%程度に抑えて過ごしている」


説明を聞いていると篠原さんが浅霧さんを急かし始めた。


「浅霧、そろそろコイツらに叩き込んでもいいか? 手加減は今よりはしてやるから、それなら良いだろ」


少し考えた浅霧さんは提案をした。


「風香と朱莉にあやかし少女として身体を慣らすために私たち先輩三人で軽めにウォーミングアップするってのはどうだろうか?」


「僕は構わないさ雫、久しぶりに先輩として仕事が出来るのはやはり力が入るというものさ」


「私も構わない、というかやらせろ」


僕と朱莉には拒否する理由がないので、提案を受けた。


その後、霧谷さんが日付と場所の設定をした。


「来週以降に烏頭荒野(うずこうや)で行うのはどうだろうか? あの場所ならどれだけ暴れても被害は及ばないはずさ。これならば二人が正式な魔葬少女になった後に出来るだろう」


場所はいいけど、一週間後は僕たちには用事がある。


『どうしよう朱莉、来週以降って文化祭の準備が増えるよね』


今の生活を犠牲にすれば、元の生活に戻れる可能性はあるけど……朱莉と文化祭を楽しみたい。


『私が正直に言ってみるよ、風香ちゃん!』


朱莉は胸をポンと叩き、浅霧さんたちに頼み込んだ。


「来週以降は文化祭の準備が本格的にあるから日付を変えてくれませんか」


浅霧さんと霧谷さんは『それなら仕方ないか』と言っていたけど、篠原さんは気分を害したようで空が割れた。


「おい、ふざけるなよ。あやかし少女は人身御供なんだぞ、そんなことで鍛錬を怠るのが許されるわけがないだろ! 利用価値のある咎の娘なら尚更だ。咎がいなければ鹿波が殺されることも実験材料にされて尊厳を壊されることもなかったんだぞ!」


あやかし少女は人身御供ってどういうことなんだ。


読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来る時にしますね

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