↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一万四千PV感謝ですっ!】魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/85

第五十七話

第五十七話



謝罪を受け入れてもらえず、朱莉がデートを誘ってきたが、お姉さんからそのデートは明日にしてと連絡があり翌日に繰り越されることになった。


僕と朱莉の目的はお姉さんだというのに、デートという言葉に躍ってしまい後回しにしてしまった。


こんなので、よく母さんのためとかほざけるよな……こんなの側から見れば全部自分のためじゃないか。


帰宅後、一人になった僕は罪の意識で押し潰されそうになった。


「このまま僕が僕じゃなくなったらどうしよう、それに次におかしくなって誰かを殺したら……その誰かに朱莉も含まれていたら」


そのことを考え始めたら、止まらなくなり……結局朝になってしまった。


それから朱莉から連絡があった。

『似合う服で行きたいから十八時に学校で集合だからね、風香ちゃん』


そのメッセージを見た僕は、朱莉に会いたい気持ちを押し殺した。


「正直デートがなくても毎日会いたい」


刺された翌日に僕は何を言っているんだ。


そして僕は出来るだけ考えたくなかったので、眠ることにした。

逃げたのだ、思考することから……怖いというそんな理由で僕は!!


朱莉がデートと称して向かったのが、アイツと契約した森だった。


森で朱莉に会ってから僕の内心はぐちゃぐちゃになっている。


やはり考えすぎて寝不足だからだろうか。


朱莉はそんな僕を見越してか森に来た理由を説明してくれた。


「風香ちゃんとここに来たら二人で色々思い出せるかなぁって思ってね」


幼少期を思い出せるかは別として思い出しはするだろうなとは正直考えた。


「ここで朱莉が亀甲縛りで吊るされてる時は正直この子は何してるんだって思ったよ」


「酷いけど、振り向いてもらおうと必死だったから……結構凄いことしてた自信があるっ!」


腰に腕を当ててドヤる朱莉に僕は改めて思ってしまった。


「やっぱり朱莉のこと好きだな」


口に出てしまったのは仕方ないと強がりながらも今回は声の裏返りがなかったことに心が躍った。


こう考えられるってことは、まだ朱莉と一緒にいられると思ってもいいんだよね……不安になる。


「私も好きだよ、風香ちゃん。ここでこの言葉を伝えるのってなんだか不思議な気分だね」


「本当にそうだね。……僕の初恋が朱莉で良かったと心の底から思うよ」


朱莉と歩いているなかで、様々な思い出が蘇ってきた。



「僕の人生が彩られたのはやっぱり朱莉と出会えたからだよ。……出会ってくれて本当にありがと」


流石にこれを言うのは顔が熱くなる。


もしこれも父さんの実験の影響だとしたらと考えてもやっぱり朱莉に出会えたことの方が嬉しく思えるのは、朱莉を愛しているからだ。


「朱莉、ここで変身しない?」


たらればを言えばキリがないけど、それも全て朱莉に出会うためだと考えれば昔の自分さえ肯定出来てしまう。


普段の僕ならこうは思えないけど、この場所だからそう思えるのだろうか。


「朱莉が良ければなんだけど変身前に手を……繋いでくれないかな」


口と身体がいつも以上に積極的に動く……朱莉とこんなふうなデートを何回もしたい。


返事をする前に朱莉は僕の手を握った。


「「変身!!」」


こんな掛け声なしでも変身は出来るけど、せっかくのデートだし、思い出にしたい。


息が合うだけで、ここまで心が躍動するなんて……その時、僕はあることを我慢しようとした。


僕は刺された身体に手を当て少女の言葉を思い出した。



『……誰でも良かったってことか。それなら……なんで私たちなんだ!! 別の誰かでも良かったじゃないか……日常を返してよ』


これは僕が僕じゃなくなった戒めでもある。


なのに、僕は愛海さんの言葉も一緒に思い出してしまった。


『第一条件として感情に素直になること。


第二条件に感情の増やす方法を最低三つは用意すること。


第三条件として相方に隠し事は出来る限りしないこと』


頭では分かってるんだこれではあの謝罪の意味がないし戒めの意味もなさないと。

だけど、朱莉との決定的なものがほしい。

今度は元に戻れる材料にも思い出にもなるように。


あの時の血の匂いが未だに充満している森の香りを嗅いだ僕は、次に殺されるのが朱莉だったらという恐怖に苛まれた。




「すっ飛ばしすぎなのは分かってるんだけど、キスしたい。一生忘れられない思い出を作りたい、朱莉と!!」


「風香ちゃん、流石にここでは大胆すぎるよ」


赤らめた朱莉を見ていて手についた土や草の感触も潰れた虫の感触も気にならなかった。



許されなかった後に、こんなことを考える僕がおかしいのは分かってる……でも、僕がこれ以上おかしくなった時に戻れる場所が欲しい。


朱莉ならその場所になってくれるとそう思えるけど……僕自身は怖いんだ。


もし朱莉がまた僕のことを秋口さんって呼んだら、もし僕が朱莉を傷つけたら………もし……もし、朱莉が、いなくなったらって…………そう考えて……もし現実になったら僕は確実に堕ちる確信がある。


朱莉は優しく僕を抱きしめて囁いた。


「ダメだよ。こういうのは順序ってものがあるんだから、また今度ね。キスだけなら……ここでもいいけど、出来れば家がいいかな」


当たり前の回答だ、理解出来たはずだ。


なのに……なんで、僕は。


「風香ちゃん泣かないで。風香ちゃんのしたいことは必ずするから……私が風香ちゃんの涙に弱いって分かってる?」


本当に何やってるんだよ僕は、あれだけ刺されて罵倒されて当然のことをしたのに、欲情して朱莉を押し倒すなんて……何が魔葬少女だ、何が……恋人だ。


こんなのただの獣じゃないか。


「先に帰るよ、今の僕と一緒にいたら朱莉を傷つけそうだから」


「なんでそんなこと言うの! 私は風香ちゃんにならされても構わないし、風香ちゃん以外は絶対に嫌だからね!」


こう言ってくれるのは、正直嬉しい。


『気持ちに正直に』


分かったよ愛海さん


「朱莉ありがとう。そう言ってもらえると僕も嬉しい。……だから朱莉の順序を守れるように善処するよ」


僕の言葉を聞いた朱莉は提案してきた。


「それなら風香ちゃんはどんな順序を考えてるの? お互いどんな順序で考えるのか伝えてどこを優先させるか考えない?」


朱莉の言葉に一理あるとなぜか上から目線で考えてしまった。


「朱莉の考え凄くいいと思う」


それから僕と朱莉は各々の順序を話した。


読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来るときにしますね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。