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【一万千PV感謝ですっ!】魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ


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第五十一話

第五十一話



人を背負ったまま結構動けることに驚いている。


「風香ちゃん、私が重たいって言いたいのはかな?」


「別にそう言いたいわけじゃ無いよ。ただ体力が増えたなと思っただけだから」


こんな他愛ない会話でさえ心が躍るのは、朱莉と元に戻れる可能性があるって思ってもいいのだろうか。


だが、家の扉を開いた瞬間に、僕と朱莉は現実に引き戻された。


「ただいま、母……さん? 母さん!!」


僕は動揺しすぎて朱莉を落としてしまい、怪我をさせてしまった。


「朱莉……どっ、どうしよう。なんで、なんでこんな状況に…………」


この光景を見て高揚なんてこれっぽっちも感じなかった。


それどころか、心は恐怖で満ちてしまい魔法を使うどころではなかった。


追い討ちをかけるようにアイツが家に押し入り最悪の提案をしてきた。


「母親を助けたいなら魔葬少女に契約させろ。そうすりゃあ今すぐ治してやる上にテメェらの欲してる情報を渡してやる」


……そんなの決まってる。


さっきまでの恐怖が嘘のように僕の口は動いていた。


「僕が治すに決まってるだろ。また乗るわけがないことぐらいわかるだろ」


こいつにここまで反抗的になったのは初めてかもしれないが、こいつに任せていては母さんまでこっち側に連れてきてしまう、それはダメなんだ。


こいつは僕の決断を挫きかねない指摘をしてきた。


「一般人に魔法どころかテメェの回復をしたらどうなるか想像も出来ねえのか?」


僕はこいつの指摘を飲み込みかけてしまった。


僕が回復魔法を使ったのも全て魔葬少女であり、契約前の一般人には使ったことはない。


だけど僕は……や……。


「やるのもいいけどな、母親は契約してねぇ状態で中途半端な存在になることだけは頭入れとけよ。使うならそれを理解した上でにしとけ」


こいつはこんなに説明するようなやつだったかと疑問も感じた。

どうやら表情に出ていたようでこいつが説明し始めた。



「あのな、僕だって毎回あんな絶望を喜ぶわけがねえだろ。テメェら多少は突き止めたんだろが僕たち契約霊も指揮下に入るってよ。その相手ぐらい想像出来んだろ。特に風香はよ」


それは……。


「つーかとっとと決めねぇと母親死んじまうぞ」


焦っている僕の手を朱莉は握り安心させてくれた。


「大丈夫、お義母さんは風香ちゃんがどんな選択をしても許してくれるよ。もし許してくれなかったら一緒に説得しよう」


「ありがとう朱莉、僕が母さんを治療する!」


肉塊になった先輩たちだって治せた……けど、それは魔葬少女相手だったからで、母さんに効果があるかどうかが分からない。


僕が母さんを治療しているといつものこいつに戻った。


「あぁ、やっちまったな。中途半端にした後の風香と朱莉がどうなるのかを存分に僕に見せてくれよ」


やっぱりこいつは信用ならない。


治った後の母さんの変化に僕はすぐに気づいた。


なぜなら母さんは僕の顔を見るなり泣きながら口を開いた。


「君は誰なの?」


母さんの記憶が消えているのだ。


どこまで消えているのかを知るために思い出を確認し合うと、苦笑いを浮かべ知っているふりをしていた。


ほとんど消えているのかと理解せざるを得なかった。


僕がおかしくならなければこんなことにはならなかった。


……だけど、母さんは生きてる。


記憶が戻る可能性があるのだから、僕は向き合う。


このままでは元の生活には戻れないのは目に見えてはいる。

だけど、僕は朱莉と一緒に変えてみせる。


どれだけ都合が良いとしても。

読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来る時にしますね

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