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【1万PV感謝ですっ!】魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ


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第四十九話

第四十九話



香取雛は気絶した朱莉の身体を踏みつけほくそ笑んでいる。


その光景を見た僕は、高揚より先に恐怖を感じた。


「ねぇさっきのはどうだったのか、夢の内容覚えてるかな? 今なら前回の内容を思い出しても大丈夫そうだけど、どう?」


香取雛の発言のあと、僕の知らない記憶が入り込んできた。


朱莉が知らない男に囲まれている光景と、僕の腕も脚もない光景だ。


夢だと分かっていても、さっきまで分からなかった部分を完全に理解した。

理解……出来てしまった。


「…………けるな」


こぼれ落ちた感情は言葉に乗った。


香取雛はその時には性格がまるっきり変わっていたが、今の僕にはそんなことどうでもよかった。


「もっと大きな声で言ってくれないと聞こえないなぁぁぁぁ!」


「朱莉を踏みつけるな香取雛!! たとえ貴様を倒すために、どんな手段でも使ってやる!!」


録音した絶叫を爆音で鳴らし、朱莉に結びつく恐怖を出した。それでも足りなくて、手首を深く掻っ切った。死の恐怖が乗った。


やっぱり今のままだと届かない。


今ある魔法だけでは香取雛に擦り傷すらつけられない。


「僕のせいで本当にごめん朱莉、あとで絶対に埋め合わせさせてほしい」


魔法を開発しなければならない。ただし今は一個だけだ。


欲しいのは攻撃じゃない。夢に落とされて記憶だけ消されるのが嫌なんだ。



眠気を感じた瞬間、恐怖で目を開く魔法を作った。


よし、できた。


自分に眠りを覚ます魔法をかけてみる。

すぐに目が開くが、身体は消していない。


実際には身体を消し飛ばして目を覚まそうと考えたが、それでは源綾音と同じことを自分にやってしまうことになる。


さらに強力な回復魔法も欲しくなった。

今の恐怖が続いているあいだだけ傷が治り続け、感情が切れたらそこで止まる。


当然と言えば当然だが、以前の回復よりは精度が良いはず。


良くあってほしい、朱莉ともっと一緒にいたいから。


手首の傷が閉じた。閉じただけだ。


「これが咎様の娘……前の訓練より綺麗だよ。でもね、それだけ」


香取雛が攻撃してきた。


夢ではない攻撃だが、右肩が開いた。


痛みと同時に朱莉と一緒にいられなくなるという恐怖に襲われた。


だけどこの恐怖が続いているあいだだけ傷は治る。


治るたびに、香取雛の顔が近くなる。


「凄いよ風香、雛でここまで出来るなんて……でも私が命じられたのはそんな健気に頑張って、この朱莉を守ってる……そんな風香を可愛がりながら堕とせ、だからね。今回も報告だけにしていてあげる」


朱莉の身体から靴が離れ、香取雛の姿が消えた。


「……僕たち、眠ってたのかな」


違う、今度は眠っていないし記憶も消えていない。


「起きて朱莉」


何度呼びかけても返事はない。

だけど呼吸はある。小さな呼吸だけど、僕にとっては希望だ。



ごめん、今のは僕がやったことだ。

この惨状が見えてたら謝るよ朱莉。


小さな犠牲だとは言わない。

殺していないから犠牲ではない、とも言わない。

言った瞬間、何をしたかを自分で認めることになる。

一言伝えられるとしても昔の僕なら絶対に出来なかったことだとだけ。


恐怖は残っているけど、感情消費量は減らせた。犠牲の恐怖では感情量のプラスにはなっていない。




朱莉の呪術には触れなかった。


本当は魔法に朱莉の呪術を取り入れたかったけど、それだと一緒にいる権利みたいなのがなくなりそうでやめたんだ。


報告はもう、咎のところへ向かっているはずだ。


今後はこれまで以上に僕たちを狙ってくるはず。

だから僕と朱莉も、もっと強くならないといけない。

一緒に元の生活に戻るためにも……そのために、源綾音が話していた魔物を魔葬少女に戻す人について調べてみよう。


もしかしたら魔葬少女に契約する前に戻れる方法が見つかるかもしれない。


読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来る時にしますね

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