第三十七話
第三十七話
利根島さんに連れられ僕は二人で廃村の住居を調べることになった。
利根島さんは僕の肩を叩きながら見つけたものを見せてくる。
「風香ちゃん、風香ちゃん見てよこの呪われてそうな人形、可愛くない?」
「可愛いよ。だけど……この人形動いてない!?」
「そうかな? ……あっ、目が合ったよ」
「これ絶対動いてる。今更そんなに驚かないけど」
人形は僕の言葉を聞いて眉間をピクピクさせキレ散らかした。
「驚けよ小娘!! せっかく準備したんだぞ!」
何を準備したのかを問いかけると人形は「願いを叶える準備だよ!!」
「願いを叶えるね……胡散臭い」
「胡散臭いとはなんだ胡散臭いとは私は人形神だぞ!! ならば願い言ってみろ!」
利根島さんは僕に「先に願いを言ってもいい?」と聞いてきた。
僕は胡散臭いと思うから良いよ。
そう答え利根島さんは人形に願いを伝えた。
「風香ちゃんと少しでも長く一緒にいたいとか叶えてくれる?」
すると人形がスッと冷静になり、僕をマジマジと見てくる。
「お前が風香か……その魂、この家の人間に少し似ているな」
僕がこの家の人間について問い詰めた。
「知らないのか? ここでの事件……というか今何年なんだ?」
僕の質問にこの人形は逆に質問してきた。
「質問してるのは僕なんだから答えて」
人形は軽めに謝罪しながら僕の質問に答えた。
「この家には父親と母親、娘(長女・姉)と息子(長男・弟)がいた。
息子の方は娘から嗜虐的な扱いを受けていた。
娘は齢五つで齢四つの弟を殺し遺体を保存した。
この家の娘は、はっきり言って狂っている。
その娘に初めて友人が出来たのは九歳の時だった。
狂っていても友人関係が保てるほど表の顔は良かった。
そして私から見ても娘と母親は仲が良く見えた。
だがそれは上っ面だけだ。
母親は全てを知っていたからだ。
娘は生理的に嫌いな父親を洗脳し母親を含めた村の人間を殺させた。
父親は罪人として扱われ、家族である娘は罪人の家族の刻印を押されることになった。
父親が牢に問われている間に弟の死体を解体し呪術の研究材料の一つとした。
しかも友人には一切気づかれないようにだ。
その呪術の研究は実り、父親を殺した。
なぜかこの家から娘は出て行ったが、この村に人がいなくなったのは、娘が原因だ。
あの娘はこの村の全ての人間に術式と呼べるものを刻んでいた。
自らが村から離れれば呪われて殺されるように仕組んでいた」
「なんで友人まで殺したのか?」
僕が問うと人形はハッキリと言い放った。
「その友人は死んでいない。その友人は別の村の人間だからな」と。
利根島さんは僕と、人形の様子を見て不満そうに呟いた。
「私の願いも叶えてほしいなぁ」
その言葉を聞いた僕は人形に利根島さんの願いを叶えてほしいと懇願した。
僕にとっても大切な願いだからだ。
何故かこの家のことが気になったことを頭から振り払った。
「それならお前ら二人の願いを叶える……ぞ」
人形は僕と利根島さんを交互に見て耳を疑いたくなることを言ってきた。
「お前ら二人の寿命、長くて二年だぞ。延ばせたとしても半年になるがいいか?」
長くて二年……成人にはなれるということは年齢的には結婚は出来る訳か。
利根島さんは僕を見て伝えてきた。
「安心してさらに延ばせるから」
僕は利根島さんに質問したが、利根島さんは答えず人形に話しかけた。
「人形さん延ばせますよね!」
困惑しながらも人形は努力はしてみると答えてくれた。
この廃村を調査すればさらに何かわかるかもしれない、そう思い人形にもう少しだけ願いを聞いてもらった。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




