第三十五話
第三十五話
僕と利根島さんはお姉さんたちが来るまで、琴桐さんから話を聞くことになったのだが、僕が一つ疑問に思ったことがある。
「琴桐さんの相方は何処にいるの?」
僕の質問に琴桐さんは胸ポケットをチョンチョンと指差した。
するとピョコンと人形サイズの小さな女の子が現れた。
「沙知ちゃん何? ……あっ、そういうことか。初めましてあたしは佐江千佳っていいますっ! 使ってる感情は存在欲です。ちなみこんなことも出来るんですっ」
視界位置が見る見る下がっているのが、分かり驚きながらも、利根島さんが大きく見えるのも…………案外良いかもと気に入ってしまった。
それに上を向けば朱莉のスカートの中まで見えてしまう!!
「小さい身体も結構良いでしょ、こんな感じに胸の中に入り込むことだって出来るんだからっ!」
いや、流石に僕はそこまではしない。
琴桐さんが少し怒りながら佐江さんを握った。
「次やったら握りつぶすからね、分かった?」
「はっ、はい。すみませんでした」
佐江さんは僕の大きさを元に戻した後に自分の魔法の説明をし始めた。
「あたしの魔法はサイズを自由自在に変えることが出来るのはさっき見てもらったからわかるよね? 今のところの最小限界はミクロで最大がキロまで自由自在なんですっ! 普通サイズのパフェをたくさん食べることも出来て幸せなんですよ〜、食べ物あることですしやってみますか?」
僕と利根島さんは断ったが、正直こういうのは羨ましいと思う。
好きな食べ物をそのままの量でも沢山食べられたり……朱莉を着せ替えたり出来るってことだよね。
朱莉だけを着せ替えるよりは僕のことも着せ替えてほしい……って僕は何を考えているんだ、変態みたいじゃないか!
僕は焦りながら朱莉の方を見ると、トマトみたいに真っ赤な顔をしていた。
そして朱莉は僕の耳元で「風香ちゃんの変態。だけどそういうプレイは私はいつでも待ってるよ」って言ってきたの!!
というかこんな状況で何考えてるの僕たち!?
「二人ともその顔もしかして、変なこと考えてたでしょ、へんた〜いっ」
すると突然大きな口笛の音が聞こえてきた。
水本さんは僕に抱きつきながら女性に手を振っていた
「楽しそうな話してしてるのいいな〜、私も混〜ぜて! 光莉も早くおいでよー!」
「もうミサちゃんったら、突然走ったら危ないでしょ〜!」
この人が朱莉のお姉さん、雰囲気が優しいお姉さんって感じがするけど、雰囲気だけで決めるのはいけない。
「君が風香ちゃんで合ってる?」
「はい、合っています。お姉さん」
僕が光莉さんのことをお姉さんと呼ぶと水本さんはニヤニヤしながら冷やかしてきた。
「風香ちゃ〜ん、お義姉さんなんて気が早いんじゃな〜い?」
お義姉さん!? そっ、そうだよね、朱莉と結婚したらそうなるんだよね。
「まだ僕たち高校生だし結婚なんて早いって!」
待ってこの発言は朱莉のこと好きって言ってるのと同義なのではないのか!?
ほら朱莉も真っ赤だ!!
「まだね〜、あれ〜、風香ちゃん初恋まだだったよね? これはもしかして初恋相手見つかった感じかな?」
朱莉は水本さんに可愛く怒った。
「風香ちゃんを困らせてないでよ美咲ちゃん! 私だって風香ちゃんと結婚はしたいけと、それはちゃんとお付き合いから始めてちゃんと順序ってものがあるの!」
「「朱莉可愛い」」
光莉さんと息が揃ってしまった。
「二人とも息ぴったりじゃん! これは良い家族になれそうだね、早く朱莉ちゃんを攫っちゃいなよ風香ちゃん!」
危ない状況だというのに、僕は楽しんでしまっている。
こういう家族が出来れば幸せだろうなと心の底から感じている。
やっぱり僕って朱莉のこと…………ダメだ。
利用される、二人で元の生活に戻るためには認めたらいけない。
そうだよね、朱莉
「風香ちゃん、苗字呼びに戻した方がいいんじゃない?」
「ごっ、ごめん朱莉」
「別に謝らなくていいよ。約束を守ろうと頑張ってくれてるのは分かってるから」
水本さんと光莉さんの僕たちを見る目が
『この子達まだ付き合ってないのか、早く付き合って末長く爆発しろ』と言っているようなそんな目をしているのが分かってしまう!!
「さすがにもうそろそろ時間進めるね」
水本さんはそう言って口笛を吹き時間を動かし始めた。
「誰ですかこの人たちっ!? とりあえずよろしくお願いしますっ!!」
佐江さんは自らを元の大きさに戻り水本さんと光莉さんに深々とお辞儀をした。
佐江さんの身長は意外と高いことに僕は驚いた。
見た感じ百七十センチぐらいはある。
それから僕たちは自己紹介を済ませた。
「それでは風香くん、朱莉くん、光莉くん、美咲くん、調査を行きましょうか」
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




