第三十四話
第三十四話
依頼を達成し魔物化抑制のアクセサリーを貰った僕と利根島さんはまずお姉さんを呼ぶことにした。
利根島さんのお姉さんが来れば水本さんもついてくるはずだからだ。
「もしもしお姉ちゃん、…………えっ、もう向かってるって? うん、分かった。ありがとう、気をつけてね」
電話を終えた利根島さんは開いた口が塞がらない様子で僕に伝えてきた。
「お姉ちゃん、もう私たちの状況全部知ってるから向かってるって」
確かお姉さんの使っている感情は姉妹愛で利根島さんの愛で僕の心を読むこともできるのなら似たようなことができてもおかしくはないのかもしれない。
「もし僕の仮説が正しいなら朱莉がどこにいてもお姉さんには朱莉の場所が分かる。だったら、僕たちは琴桐さんに会いに行こう。そうすればお姉さんと水本さんとも合流出来るはずだから」
琴桐さんの居場所はメモに記載されている電話番号を使って本人に聞けばいい。
僕は携帯を取り出し電話を鳴らした。
「風香くん、良いところに電話してくれたね。こっちからかけようと思っていたところだった」
琴桐さんの僕たちへの要件は僕たち、いや魔葬少女全体に重要な情報を伝えたいと。
『魔物化した魔葬少女はただ魔物になるわけではなく、何者かの指揮下に入る。契約霊も同様』
もしそうならアイツも何者かの指示で僕たちを堕とそうとしているのか?
……待てよ、それなら松島さんはどうなる。
例外ということになるのではないか?
自らの意思で行動した上で満たされて死んだ。
魔物に堕ちても自由に生きられる例外も産まれることもあるということか。
すると知らない記憶が僕の中に流れ込んできた。
『お母さん、やめて!! なんでこんなことするの!』
『その表情堪らない! そのまま良い魔物になれば一緒にいることが出来る。お母さんのこと好きなら変われるだろ』
ウィィィィン
『やめて、やめて!! お母さんどうかしてる、狂ってるよ!』
お母さんと呼ばれる女性が少女をチェーンソーで四肢を一つ一つ丁寧に切断し魔法のようなもので治した。
『何なのこれ!? もうやめて嫌だ!!』
『魔法についての反応が大きい。次は魔法や呪術などのオカルトに慣れさせる必要があるな。ならば相手はオカルト好きを選ぶのが最適だな』
『お母さん何を言ってるの、助けてよ!!』
『分かった、助けてあげる』
少女は魔物に変化させられた。
『次の子供(被験体)にはこの記憶を見せるようにしよう。どんな反応をするのか楽しみだ。名前も今のうちに決めておくか、良い風を浴びてスクスク育ち絶望の香りを漂わせてくれる被験体になってほしいと願いを込めて風香としておこう』
今なんて言って……いや風香なんてごまんといる名前だろ。
『これを見ている娘に伝えておこう。私は女性名荒川蓮美、男性名秋口貴教、本名荒川咎だ』
父さんの名前と同じ、それに荒川咎って琴桐さんの探している人物じゃないか。
ちょうど良いではないか、これから会うのだから情報を渡そう。
「風香くん、突然黙って何かあったのかね」
電話中だったのに考え事ばかりしていた。
「考え事してた。電話中にごめん」
「そう、それなら別にいいのだよ。風香くんが黙っている間に転移魔法というのを教えてもらったのだが、試してみてもいいかね?」
琴桐さんはもう転移魔法を試せる段階に行ったのか、僕も利根島さんも転移魔法の使い方も知らない。
琴桐さんは執念の成せることなのかもしれないな……本当に凄いな。
「琴桐さん、試してみてほしい。その方が時間を短縮出来る」
「試すから場所教えてもらえないか風香くん」
今の場所を教えると琴桐さんは転移魔法を成功させ僕たちのところに来た。
「風香くん、朱莉くん、私を頼ってくれたこと感謝するよ。これからも協力していこう」
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




