閑話その5
閑話その5
あやかし少女、それは妖怪を調教し従えさせ民を守る少女たちだ。
表向きはそうだが、実際は違う。
あやかし少女になる際には必ず人魚の肉を食べ不老不死になる儀式がある。
真相は世界と民のために自らを捧げる人身御供……愚かだ。
だがそんな愚かな奴らにこの私も含まれている。
嗤うがいい。
私が従えさせているのは隠神刑部と大蛤だが、案外使い勝手がいい。
私の思い浮かんだ物を具現化させられるのだから。
他には私は件を喰らい未来視も出来る。
それが一番良い。
だって私たちあやかし少女は必ず誰かを助けないといけないのだから、だから一番被害者が絶望したタイミングで助けに行ける。
あの被害者の堕ちた表情ほど興奮するものはない。
私は被害者を助けては覚えた妖術の被験体にしている。
「その表情本当に最高よ、もっと見せてちょうだい!!」
だけど、妖術だけでは私の思った通りの結果にならない。
その時に私は魔術に出会った。
本当にいい考えが思いついたのよ、魔術と妖術を組み合わせて魔法を作ろうってね。
それだけではつまらないから、下僕の力を使って堕ちる瞬間に化け物に変えてもらった。
その化け物たちには私の編み出した魔法を徹底的に教えた。
理由? そんなの簡単よ、それを使わせて襲わせるためよ。
襲わせて私が助けて被験体を増やす……良い循環なのだけど、一つ懸念すべき点がある。
浅霧と霧谷の存在よ、アイツら絶対私の邪魔をする、というかそんな未来見なくて分かる。
どうにかアイツらを消さないと私の計画が頓挫する。
それだけは避けなければならない。
……そういえば雲外鏡を従えていた女が居たわね、ソイツを利用すればいいのよ!
「秋口さんこんなところに呼んで何かあったの?」
秋口……あぁ、父方の性か。
その呼ばれ方は気に入らない、私は何と言われようと荒川だ。
母方の性を名乗るのが母さんに対する手向けなのだから。
「次からは荒川と呼びなさい。こうなりたくなかったらね」
私は被害者を堕として生み出した化け物を呼んだ。
「なんで妖怪を連れてるのよ!!」
「妖怪? あぁ、これのことね。違うんだ、これはね……そうね、魔法で生み出した化け物だから魔物とでも呼びなさい。今から死ぬアンタに言っても無駄だろうけどね。あやかしだけ奪って喰らいなさい」
「助けて雲外鏡!! なんでよ、いつも助けてくれるじゃない!? ……はは、なんで最期で役立たずなのよあの鏡」
グチャ……バリバリ
「命令が聞けて良い子ね。だけどね、雲外鏡は喰らうなって言ったでしょ!!」
私は魔物と名付けた被験体を消し飛ばした。
心臓まで消し飛ばしたはずなのにすぐさま再生した。
「まさか、私の再生能力を奪ったっていうの? 面白いじゃない!! 気に入ったわ!」
残り滓だけど死体が残ってる、仮にもこの女も人魚を喰らっている。
ならば私は死体だって喰らってでも再生能力を戻す。
私が死体を喰らっているのをこいつは怯えながら見つめている。
ゴクン
「これで戻ったはず」
私は試す為に自らの身体消し飛ばした。
「よし治ってる」
もしかしたら他の被験体も再生能力があるのかもしれない、疑問に思った私はすぐさま試した。
「今のところ再生能力持ちは三体か……何か共通点は…………あるじゃない、共通点! この三体あやかし少女を喰らっている」
そしてその三体のうちの一体、個体名を"ムキりん"と名付けよう。
だって他に比べてムキムキだから、良い名前でしょ?
ムキりんの力は人間を意図も容易く裂くほどだった。
おそらくは酒呑童子でも……それないな。
酒呑童子は浅霧の下僕だから……それなら鬼辺りか?
私はムキりんの力を他の個体にも与えられないか実験したが上手くいかなかった。
そんなある日腹を空かせた被験体がムキりんの一部を喰らった。
するとその力が宿っていたのだ。
あやかし少女を喰らって手に入れた力なら、力の持ち主を喰らわせれば他の個体にも能力を渡せるということか。
「それならどんどんあやかし少女を喰らっていこう!! さあお前ら……食事の時間だよ」
私は被験体を甘く見ていた。
まさか雲外鏡を喰らった"かがミン"が、あの二人を未来に移動させるなんて思っても見なかった。
雲外鏡を持っていたアイツに人格でも出たというのか?
それはそれで面白いな、試してみるか。
私がかがミンから話を聞こうとしたら魔法で抵抗されてしまった。
そして魔法をひたすら私に使ったかがみんの抵抗力は低くなっていった。
疲れたのだろうな……もし魔法を人間に使わせたらどうなるのか試してなかった。
どうせ使わせるなら抵抗力を徐々に奪ってやろう、抵抗力を弱める為なら感情を犠牲にさせるとかどうだろう?
絶対良い表情が見られるはずだ。
私は絶望の表情を見たい一心で使えば使うほど感情を消費する魔法を開発した。
そしてその魔法には下僕の被験体を化け物に変える能力を付与してある。
絶望して堕ちれば私の下僕が増える、良い考えだ。
私は早速人間を攫い、魔法を教えることにした。
「一応聞いておくけど、アンタの名前は?」
「……雛」
「よく聞こえない、もっと大きな声で言いなさい!!」
「香取雛です!!」
香取雛……ね、もはや鳥じゃない?
「アンタ、私の下僕にならない? なるなら特別に魔法を教えてあげる」
私は雛以外にも魔法を教え、被験体の魔物を倒せるかを試させた。
結果は上出来で雛を含めた少女たちは魔物を倒した。
魔物を倒す方法が全て痛ぶる方向だったため倒すというより葬ると言った方がいいのかもしれない。
しかも少女に魔法を教えるとどうやら私の再生能力も付与されるようで、どれだけ痛ぶっても治る子とすぐには治らない子が出てきた。
人間がどれだけ強くなるのか、気になりさらに様々な事を実験した。
絶望が見られれば過程は別にどうでもいい。
私には時間を移動出来る雲外鏡の能力があるのだから。
数年が経ったある日、絶望の表情を浮かべながら身体を溶かし姿が魔物に変化する子が現れた。
私はその現象を魔物化と名付けた。
そして魔法を扱い魔物を葬り、いずれは魔物化し葬られる少女たちをあやかし少女からとり魔葬少女と名付けた。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




