第二十五話
第二十五話
「お前らまさか魔女会に行ってないだろうな!!」
アイツの焦っている様子を見るのは初めてだ。
「行ったって言ったらどうするの」
僕は反抗的にアイツに問いかけた。
「あそこの連中はな依頼がくれば同じ魔葬少女だって殺すんだぞ! 堕ちるのが見れねぇんよ!」
こいつの焦り具合を見ているとそれだけが理由だと思えなくなった僕は、おかしくなったのだろうか。
「そんなに魔女会に恨みでもあるの?」
利根島さんがその問いかけにアイツはいつも以上に異常な反応をした。
「あのクソババアのせいで堕ちずに死んだ奴らがどれだけいると思ってんだ!」
結局そこかと思いはしたけれど、アイツの言葉のどこかに悲しみのようなものを感じ取ったのは……まあ気のせいだろうな。
訓練の影響でおかしくなったのだろうか?
「まあいい。香澄がお前らがどれぐらい強くなったのか気になってるみてぇだから顔合わせ後に使った場所に行ってやれ」
「どうして香澄さんが知っているんですか?」
「愛海が連絡しやがったんだよ! めんどくせぇ事しやがって」
顔合わせの後に使った場所となると四人で魔物退治したあの場所か。
僕と利根島さんがあの場所に向かうと香澄さんの雰囲気が明らかに前回と違った。
「待っとったでお二人さん。……前よりだいぶ良くなっとるやないか。もうちょいのんびりしといてもええと思ったんやけど、お二人さんが本気ならウチもその気持ちに応えるのが筋ってもんやな」
パチン
指パッチンをしたってことは結界魔法を使う気だ。
香澄さんが十メートルほどの結界を作り出した後、ハリセンを取り出した。
「ほんなら楽しむで」
香澄さんは結界をハリセンで叩き始めた。
正式の魔葬少女との戦いだというのに、僕たちは見てから警戒してしまった。
それがどれだけ愚策だったか、すぐさま思い知らされることになる。
ハリセンで叩かれた部分が結界としての機能を維持したまま様々な武器に変化し僕たち目掛け発射された。
剣・槍・矢・銃弾などだが、一番恐怖を感じたのは直撃した時だった。
いや実際には掠るだけでも直撃した時と効果は同じだった。
気分がハイになり、冷静な判断が極端に失われる中、体内ではじわじわと臓器の機能が失われるのが実感出来るのに、笑いが込み上げてくるんだ。
その最中も攻撃されているというのに。
「あはははははは」
「楽しいやろ風香。安心しいやポックリ逝ったりはせえへんからな、正式を目指すなら治せる程度やから。魔葬少女相手ならせいぜい心機能以外が止まるぐらいやで。……心配なんやったら風香のこと治してからでもええんやで、ウチも待ったるから」
「あっ、ありがとうございます!」
僕は利根島さんに治してもらったおかげで戦線に復帰した。
「本来ならウチは待ったらアカンのやけど、なんも知らん状態よりは体験して知っとる方がええやろ。まあハンデみたいなもんやな」
ハンデだとしても掠った時点で終わりのこの状況で今の僕たちに起死回生の策はないのにどうすればいいんだ。
「言い忘れとったけど、この結界の中でウチと会話するのもアカンことなんやで」
「「え?」」
警告の意味を僕と利根島さんは身体をもって理解した。
関節が一個ずつ逆方向に曲がっていきながらあの結界の毒の効果も存在しているのだ。
僕と朱莉の意識はそこで途絶えた。
「二人とも少しの間眠っとき、後で治したるから。ほんま、うもう加減出来てよかったわぁ……二人の本気の意思はよう分かったし、全力でサポートしたるからな」
読んでいただきありがとうございます!!
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