第二十二話
第二十二話
あれからどれだけ経ったか分からない。
「朱莉待って、離れないで!!」
「安心してトイレに行くだけだから」
「待って僕も連れて行って……一人は嫌だ」
僕が怯えているのを他所に高槻は再び熱意を上げると宣言した。
「もっと強くするぞ! 熱意百二十パーセントだ!!」
「嫌だやめて、もう嫌だ!!」
「そうか、やめてほしいか。分かったやめよう。熱意百五十パーセントにしてやるから安心しろ!!」
助けてよ朱莉……もう嫌だ、こんなの死んだ方が……痛覚なくしたはずなのになんでこんなに……せめて意識を失えれば楽なのに
「あぁああああぁぁあ!!」
「もっといけるはずだ。大丈夫風香が恐怖を感じるほど朱莉は愛を感じる。感情自体は大幅に増えてる、堕ちることから遠ざかってるのだからな!!」
「なんで僕、生きてるんだろ。痛いのは嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…………」
「おい風香何を弱音を吐いている。もっと熱くなれ!! 熱意注入!!」
これで何度目だろう、この熱意注入で僕の精神を治されてしまう。
……朱莉の吐瀉物が僕の下着にまで染み付いちゃった。
「朱莉僕は大丈夫だよ。だから安心して」
朱莉が返事をする前に再び
「あぁぁぁあ……ぐっ………はぁ、はぁ……あぁぁあああ!!」
三時間後
「そろそろ治してもいいぞ。これで己の感情の上限を知ることが出来たはずだ。後は微調整するだけ……そんなに怯える必要はないぞ安心しろ! その前に風香の右目をよこせ」
「それ以上はやめて、お願いだからやめてください!! 風香ちゃんをこれ以上……傷つけないで!!」
朱莉の叫びと同時に僕の身体も精神も全てが完璧に治った。
「朱莉、何をしたの…………本当にありがとう、ありがとう朱莉」
そして高槻を見ると高槻が治る前の僕と同じ身体の状態になっていた
「おお、凄いなこれは!! 愛の力か! 愛した者の傷を強制的に対象に付与し愛した者を完治させる魔法か……その魔法実に熱いぞ!!!」
高槻はそう言い放った瞬間に既に怪我は完治していた。
本当に正式な魔葬少女は魔物より化け物じゃないか。
ただ殺しにくる魔物の方がよっぽど可愛いレベルだろ。
……でもこれで上限を知れたのは事実か。
正式勢が見ているのはこの景色なのだろうか?
「風香よ、何か掴んだ表情をしているな。良い事だ。これで上限は大幅に上昇したはずだ。そうなれば風香も朱莉も長く生きられるはずだ! 微調整の前に二人の好きな物でも食べに行くぞ私の奢りだ!」
中学生に奢られるのも癪だけど、これ以上何か言ったら殺されかねない。
「朱莉、一緒に居てくれてありがとう助かった。居てくれなかったらどうなってたか分からない」
僕が"嫌だ"の状態になった時、身体の内側が少し溶けているのを感じた。
なんで溶けたのか分からないけど、朱莉のおかげでそれも治ってるみたいだから気にしない方が良いのだろうか?
「おい、風香何か新しい魔法は覚えていないのか? 覚えているのなら私に使ってみろ!」
僕は即座に覚えたての魔法を使った。
能力は相手の時間感覚を極限まで遅くすること。
だからその極限状態で攻撃すれば一秒の攻撃でさえ何時間も攻撃されたように感じる。
僕がやられていた時になった状態だ。
本当に壊れるかと思ったんだからな。
僕は仕返しも兼ねて躊躇なく使用した。
そして一時間攻撃し続けた。
「風香よ、良い魔法を覚えたではないか! 今のは熱かったぞ! ……それと今ので実感としてあるだろう、感情の消費が僅かに少なくなっていることを。今は本当に僅かだが減ったはずだ、その僅かな差が生死を分ける。調整もその調子でやるが良いぞ!!」
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




