第二十話
第二十話
あの契約霊から伝えられた魔女会の居場所はあのコンビニだった。
しかもあのコンビニには地下室があるようだ。
合言葉は"感情は?"だそうだ。
魔葬少女なら己の感情を知っていないと魔物とは戦えないからだろう。
「まさかここがそんな場所だったとは思いもしなかった」
「だよね。もっと早く知ってたら誰も欠けずに済んだのかな」
霜月さんと松島さんのことだというのはすぐに理解出来た。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。だけど僕はそうであってほしかったと心の底から思うよ」
「いらっしゃいませ〜」
僕と利根島さんはレジ前に行き合言葉を伝えた。
「「感情は」」
「そちらの用件でしたか、どうぞこちらへ」
僕と利根島さんは地下室へ案内された。
地下室は結構賑わっており、ざっと見た感じ二十人はいる。
地下室に降りた時一人の少女が話しかけてきた。
「その身なりもしかして新人ちゃん? うわ〜可愛いなぁ」
案内人の店員さんがその少女を魔法で転移させた。
「お騒がせ致しました。あのバカには任務に向かわせましたのでこれで多少は静かになると思います、多分」
案内人は僕と利根島さんを一人の女性のもとへ案内した。
「魔女様新人を連れて参りました」
魔女様と呼ばれた女性は僕と利根島さんを見るなり『未熟』と一言告げられた。
未熟なのは僕たち自身が思い知っている事実だ。
それからは僕と利根島さんは魔女様から魔女会についての説明を受けた。
「簡単に申しますと魔女会とは私たち魔葬少女が少しでも生き残る時間を増やすための機関です。依頼の斡旋やコンビの入れ替えなど様々なことを行なっております」
ファンタジーでよく見るギルドのようなものと考えるのが妥当なところだな。
「所属は魔葬少女になったばかりでも可能です。ですが、大概は知らされないことが多いです。なので新人で魔女会にたどり着くのは珍しいことなのです」
僕たち以外もやはり知らされないのか。
この魔葬少女のシステムはどうなってるんだ、死ぬか堕ちるかのどちらかしか想定されていない設計にされているような。
普通は何か抜け道があるはず……堕ちたとしても人間性を保てるというのは松島さんを見ていて分かったことではある。
だけど、そのやり方が分からない上に堕ちることを前提に考えたくはない。
「魔女様、何か魔法を教えてはもらえませんか? 僕たち生き残って元の生活に戻れる方法を見つけたいんです」
「厳しいことを言いますが、それは不可能に近いです」
不可能……に近い、ということはゼロではないのか。
「分かりました。それと魔女様、コンビの入れ替えが出来るのでしたら契約霊を変えることは出来るのですか?」
「出来ないことはありませんが、最低条件として正式な魔葬少女になっていただかないと無理です」
僕たちはその正式な魔葬少女のなり方すら知らない。
どうすればいいんだ。
焦っている僕を見かねて魔女様はヒントをくれた。
「正式になる試験を受けられる最低条件を教えましょう。まずは感情のコントロールです」
「それは今でも……」
「出来ていません。たとえば、朱莉さん貴女は姉妹揃って魔葬少女に堕ちたあげく父親を交通事故で失った哀れな少女……死んだ方が楽なのではありませんか?」
「朱莉を哀れだというな!!」
「風香ちゃん、落ち着いて私は大丈夫だから」
「このように言われても一切動じないようにしてください。それでいて自らの感情を引き出すように出来なければ試験すら受けることは不可能です。朱莉さん、先ほどは失礼なことを申し上げて申し訳ない。他人に哀れなんて言われていい気はしないわよね」
「大丈夫です、魔女様」
「二人とも大変だと思うけど、頑張りなさい。もうひとつ、ようこそ魔女会へ一同歓迎するわ!」
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




