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【七千PV感謝ですっ!】魔葬少女【連載版】  作者: 暗黒神ゼブラ


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第十八話

第十八話


水本さんの家での出来事から一日が経ち、僕と朱莉は学校にいる。

そんな僕と朱莉は今、盛大に困っている。

なぜなら新聞部の琴桐沙知(ことぎりさち)さんに問い詰められているからだ。

「風香くん、朱莉くん、君たちはここ数年に目撃情報が増えている化け物の正体を知っているね」


琴桐さんの出す新聞には僕も興味を示すものが多い。

普段なら右から左に流すオカルト関係のものでさえ……不覚にも面白いと感じたことがある。


「風香くんと朱莉くんは知ってるのだろう。変身までしているのだから」


琴桐さんは僕たちについてどこまで知っているのかという疑問を利根島さんも抱いたようで僕より先に琴桐さんに質問した。


「琴桐さんはどこまで知ってるの?」


利根島さんの質問に琴桐さんは顔色ひとつ変えず僕たちの秘密を話し始めた。


「どこまでって言われてもあまり知らないよ。二人が魔葬少女だとか雛だとか顔合わせをしたとかは知らないよ」



それを言われて知らないよが通じるわけがない。


水本さんといい琴桐さんといい僕と利根島さんの秘密を知りすぎ。

これからは他にも知っている人が大勢いると仮定して行動した方がいい。

しかし琴桐さんの人脈や情報網があればこの状況を変える"何か"が得られる可能性がある。

その何かで朱莉と元の生活に戻れるかもしれないのなら僕はそれに賭ける。


「琴桐さんは僕たちのこと大体知ってるってことであってるよね、だったら協力して……僕の知ってる情報で伝えられる範囲なら伝えるから、どう?」


たとえ伝えては行けない情報だとしても、朱莉を失わずに済むのなら僕はそれでも構わない。


琴桐さんは納得いかないといいだけな顔で口を開いた。

「それだけだと弱いかな。交換条件にしたいなら風香くんのお父さんを取材させてよ。それが出来るなら協力してもいいよ」


父さんは魔法少女アンラクシーで描いたように、僕たちに似ている何かを知っていてもおかしくはない。


その時は『友達が父さんのことを知りたいんだって』とでも言って話をさせよう。

巻き込む形になるかもしれないけれど、父さんは許してくれるはず……無理な場合は僕が父さんのネタにでもなろう。



それだけで琴桐さんの協力が得られるならと僕は父さんの許可なしで取材を了承した。


「風香くんは自分のお父さんのことってどれぐらい知っているのかい? 実の親ほど分からないこともあるだろう?」



琴桐さんのこの質問を聞いて既視感を覚えた。

水本さんの件だ。

この聞き方琴桐さんは絶対何か知っている。


「一体何が言いたいんだ琴桐さん」


僕が聞くと案の定琴桐さんは僕が全く知らない父さんの噂話を話し始めた。


「風香くんのお父さんって面白い噂が絶えなくて取材対象として良いんだ。たとえば風香くんのお父さんは変幻自在に姿形を変えられる。とか姿が変わった時の名前が荒川咎(あらかわとが)ってこととか、変身する光景を見たとか……色々あるよ」


眉唾ものだと思いたいけど、父さんならやってたとしてもおかしくないから困る。

以前父さんは取材だからとよく分からないキャラのコスプレを一度だけ僕にさせたことがある。

父さんもコスプレしていた……あれは恥ずかしかった、本当に。

しかも何故か完成度が異常に高く角とか尻尾は僕の意志に合わせて動いた。


ちょっと待ってそういえばそのコスプレをさせる時に僕一回だけお父さんが小さい生き物と話してる光景を見たことがある。


今思えばその小さい生き物って契約霊なんじゃ?


「二人にここ最近手に入れた最新情報を渡すよ。二人が顔合わせした葵くんと美月くん、死んだよ。……美月くんに関しては成仏と言った方がいいんだよね君たちからすれば」


霜月さんと松島さんが死んだって琴桐さんは何を言ってるのか分からない。

だって最近元気な姿を見たばかりで……そんな気配一度も……違う、僕たちは魔葬少女なんだ。

いつ魔物に殺されてもおかしくない状況……だけどあの二人がこんなに簡単に死ぬのか?

あの二人は正直言って僕と朱莉より強かった。

その二人が殺されるなんて信じたくない。



「……琴桐さん、何を言ってるか分かってる? 冗談じゃ済まされないことだよそれ」


僕は許されないとしても冗談であってほしかった。


琴桐さんは僕に「冗談なわけないでしょ」そういいながら高笑いをし始めた。


「ほら写真だってあるんだから……幸せそうだよね、この顔。思わず撮っちゃった」


写真を見せられて僕は心の中で朱莉に謝った。

理由は簡単だ。

こんなに死が近くにあるのに弱いままではいられない……朱莉を死なせないためにも。


なぜ僕は正式な魔葬少女を目指すというのにこんな悠長にしているんだ。

死はこんなに近いのに。

でも霜月さんと松島さんの幸せそうな死に顔を見て……どうせ死ぬならこんな顔でと不謹慎なのは分かっているのにそう思ってしまった。




その後琴桐さんは、急に僕と利根島さんに真剣な表情で父さんの取材ではない本当の目的を話し始めた。


「私の曽祖母が元々魔葬少女だったらしくて、それで化け物のことも追ってたの。余談だけど風香くんもコンビニで読んでた本あるでしょ、あれ私が書いた本なんだ。それは置いておいて私の曽祖母がよく話していた魔葬少女の名前が荒川咎、私はその荒川咎について知りたい。だから決断したの……私自身が魔葬少女になれば確実に近づけるって!! ミサト、来て!!」


琴桐さんに呼ばれて現れたのは猫の姿をした契約霊だった。


「ようやく契約してくれる気になったの沙知」


琴桐さんの顔を一目見ればどれだけ本気なのかが伝わった。

だけど、琴桐さんを魔葬少女にさせるわけにはいかない!

読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来る時にしますね

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