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Zero/Dream・潮汐紀元~精神病ヒロインと不機嫌男、そして仲間たちの反社会的大革命~  作者: EternullOwO


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17/25

狼と刃、刹那に相撃つ【5】

本当にスイートだね!

漆黒でありながら暗い青色を帯びた電弧が孤鍵の周囲で炸裂した。


黒い【零域コード】は黒く変色した血液を交え、次第に彼の胴体全体を覆っていった。


「その余裕ぶった考え、正してやる必要がありそうだな!」


「そんなこと言った覚えはないぞ!」


九条綾の刃にも、触れれば指を切り刻まれそうな疾風が纏わりつき、全身が空中に浮かび、不自然に震え始めていた。


一歩踏み出すごとに、孤鍵の体はますますぼやけ、迸る電能は周囲の空気さえも電解し始める。


「行け!」


容赦ない飛び蹴りが側面から襲いかかる。


九条綾は刀の先を地面に突いた——空気がその刀先の下で一瞬凝固し、上への推力を生んだ——自身を空中へと押し上げ、そして体を水平方向へと回転させる。


「向こうで頭を冷やしてこい!」


胴体を回転させ、刃を空中で完璧な円を描くように振り回す。


引き寄せられた急速な気流は竜巻と化し、孤鍵にぶつかり、彼をさらに遠くへ押しやった。


追い風で強化された飛び蹴りは遠くのビルにまっすぐに叩きつけられ、そのまま穴を開けた。


そして孤鍵は首を捻り、関節からカチッという音を立てた。


「どうした、勝負を決めるんじゃなかったのか?」


無傷で、今にも崩れ落ちそうなフロアの開口部に立っていた。


——————————————


「よし……よし!これは、こんなにも素晴らしい試合は見たことがない!」


大熊は全身を震わせ、その声には久しく感じていなかった興奮が込められていた。


「見たか、私の投資が正しかったと言っただろう。」


バイセックは解説席の隣に座り、足を組み、いつの間にか手に赤ワインのグラスを持っていた。


「バイセック様、あなたがおっしゃっているのは……」


「買い集めたあの【コード】たちだ。適切な『種』があれば、想像を超える価値を生み出せる。」


「取締役会からも反対の声が上がっていますが、どうなさいますか……」


「気にするな。彼らは彼らで考えているさ。自分の置かれている状況を思い知るだろう。」


「彼は無事だ!!!」


観客席から狂乱の歓声が沸き起こった。


——————————————


「ふふ、普段はこんなにワイルドな面はなかなか見せないわね。」


九条綾は膝を曲げて力を溜め、赤い紋様が脈動のように輝き出す。


「なるほど、夢があんな感情を抱くのも無理はないわ。」


背後で空気がひと塊に凝縮され、高まる圧力が孤鍵にも一瞬の迷いを生じさせる。


「【空刃・凝・飛流掠】」


九条綾は文字通り文字通りに飛び出し、空中に真紅の軌跡を残した。


「死を受け入れよ!」


この一撃の威力を明確に感じ取った孤鍵はためらわず、左へ跳んだ。


その斬撃は彼のトレンチコートをかすめ、布を切り裂き、裏地を切り裂き、肩の皮膚を一枚切り裂いた。


すでに穴が開けられていたビルは、今度はその切り口に沿って真っ二つにされた。


全体が二分されたわけではないが、屋上から孤鍵のいるフロアまでを切り裂く力に、その場にいた全員が震撼した。


観客席で、誰かが口を押さえた。


「切……切れた……」


「彼女がビルを切り裂いた!」


「一閃で!」


——————————————


「久しくこの感覚を味わっていなかったわ!」


九条綾の着地音が孤鍵の背後から聞こえた。


「ならば、敗北の印象を刻み込んでやる!」


孤鍵は振り向きざまに拳を轟かせ、九条綾の刀と正面から打ち合った。


九条綾は明らかに、刃が孤鍵のグローブに食い込んでいくのを感じた。


刀鋒はグローブの外殻を切り裂き、内部の緩衝層を切り裂き、彼の指骨に達した。


「うっ!」


しかし孤鍵は手を引かなかった。


「そんなに頑固なのか?!」


九条綾は刀を前に押し込む。刃はさらに深く入り込み、彼の人差し指と中指の間の隙間を切り裂き、手のひらの筋肉を切り裂き、掌骨の間の関節に達した。


血が刃と皮膚の隙間から噴き出す。


しかし孤鍵はそれでも手を引かなかった。


「何?」


彼は刃を必死に押し返す。


指は切り裂かれ、手のひらは切り裂かれ、骨で刀を挟み込んだ。


掌骨の断面が刃に食い込み、ペンチのように、それをこれ以上前に進ませない。


顔色は青ざめていったが、この相手に一切の退きはなかった。


九条綾はこの瞬間、


初めて感じた、


かつて気づくことのなかった、


闘志を。


純粋で、理不尽で、ただある目標を達成するためだけに存在する闘志。


「ありがとう。血を抜いてくれただけでなく、気体の注入も手伝ってくれたな!」


孤鍵の言葉が九条綾の放心状態を断ち切るが、時すでに遅し。


黒い物質は視界内のビル内部全体を覆い尽くさんとしていた。


そして脹脛の横にある黒い球体は異様に脈動していた。


「気体の急激な昇温による急膨張現象、君は何と言う!」


「!」


九条綾は刀を引き戻すが、孤鍵はすでに彼女の全ての退路を封鎖していた。


「電気火花で着火、爆発だ!」


四方八方からの衝撃が九条綾の周囲の気流を乱し、続いて襲った雷電が彼女の腹部を撃ち抜いた。


「ぐあっ!」


視界が暗くなり始める。


意識がぼやけ始める。


彼女は地面に跪いた。


刀を地面に突き刺し、体を支えている。


「遺言は考えたか?」


孤鍵が彼女の前に立ち、負傷していない右拳に雷電を纏わせている。


九条綾は前方から気流を集めようとする。


しかし空気が彼女の刀に近づくたびに、空気中に残るエネルギーによって電解されてしまう。


「違う……」


孤鍵が拳を掲げる。


「違う!……」


九条綾の体が震える。


「違う!!!」


しかし九条綾の体は本能的にそれを拒否した。


「死ぬべきなのは、お前だ!!!」


極めて強烈な、孤鍵も予想していなかった気流が包囲網全体を突破し、二人を巻き込んだ。


そして孤鍵の目には、ぼんやりと現れては消える、ホログラフのような質感を持った文字の一群が、一幅の【コード】の絵を描き、九条綾の背後に現れた。


「【大空刃・凝・百赦嵐】!」


斬撃が雷電を打ち砕き、黒色を打ち砕き、シミュレーションシステムさえも追いつけない速度で計算を必要とした。


すでに穴が開けられ、真っ二つにされたビル——


完全に切り刻まれ、瓦礫と化した。


斬撃をかわしても、突然の立足点の喪失に孤鍵はバランスを崩し、空中に漂った。


「空中は、私の領域よ。」


九条綾の声は平坦になり、人間の感情を失ったかのようだった。


真紅の紋様が背骨から首に絡みつき、後頭部から左目の横まで伸びていた。


他人から見れば完全に狂気に堕ちたように見えるかもしれないが、九条綾は自分の意識がこれまでにないほど明晰であることを自覚していた。


「左足!右腕!前額!」


一閃を放った後、空中を蹴り、体を無理やりねじって、まさに斬りつけた方向へと突進した。


前の二刀は完全に命中したが、三刀目は孤鍵に防がれた。


彼もためらわず、全ての【零域コード】を集中させ、下方へと落ちていった。


落下する位置に沿って、一本の長い黒い縄が空中の一点に繋がれ、ピンと張り詰めていた。


——————————————


「四連覇!九条綾選手、また新たな歴史を築くのか!?」


「こんなの、アニメの中でしか見たことないよ……」


「驚きすぎて何と言っていいやら……」


——————————————


「終わりだ。」


九条綾が縄の上方に現れ、それを斬り落とそうとした。


「ああ、終わりだ。」


体力は底を突き、あと一撃受ければ消滅する孤鍵もその時——


笑った。


彼は手を放し、煙を突き破り、作動した引力場がしっかりと彼を受け止めた。


空中の黒い縄は跳ね返り、まるで自己意識を持つかのように九条綾に絡みついた。


同時に、空中にほとんど見えなかった数十本の細い線が突然太くなり、「縄」が空中に繋ぎ止められていた理由、そしてそれらが接続していた両端を明らかにした。


一端、全ての線は絡め取られた九条綾に繋がっていた。


もう数十の端は、それぞれまだ地面に落ちていないビルの瓦礫に繋がれていた。


「原子核中の強い相互作用、体験させてやろう。」


「はは……」


孤鍵が力なく拳を握りしめると、全ての瓦礫が破壊的な勢いで九条綾に向かって引き寄せられた。


——————————————


「Checkmate!!!!!!!!」


大熊は無意識にこの言葉を叫んでいた。


「【コード】が将来の対戦ショーの主流になるのか、ハハハハ。」


バイセックは拍手しながら、同じく笑った。


「うおおおおおおおおおおおおお!!!」


「終わった!!!!!」


「新たな王者の誕生だ!!!!!!」


——————————————


「彼には本当に独特の魅力があるわね。」


「ようやく気づいたのか?」


——————————————


「だからこそ!!!」


九条綾の背後で、


絵柄全体が完全に現れ、光を放った。


「【空刃・奥義・破空——一閃】!!!」


瓦礫が中央に押し寄せるが、空間をも引き裂かんばかりのハリケーンが穴を開け、九条綾はそこから飛び出した。


彼女は孤鍵を目指し、一閃で彼を斬り捨てた。


しかしそれはただの虚像に過ぎなかった。


孤鍵の本体は十数メートル離れた場所に立ち、右手で膝を支え、荒い息を吐いていた。


地面の電磁信号妨害装置のエネルギーは完全に吸い尽くされていた。


熱を吸収して幻影を作り出していた一部の【零域コード】も、制御者の方向へと流れていった。


「本当に理不尽だな、あれでも逃げ出せるのか?」


九条綾は地面に跪いた。彼女は完全に力を失っていた。


「忘れ物だ。」


孤鍵は近くの空き地に立ち、手にした刀鞘を投げてよこした。


「あ……ありがとう……」


ちょうど彼女の頭に当たり、全身は多角形の破片となって消散した。


「ふう…………」


孤鍵は周囲の完全に静まり返った観客を見渡し、手を振った。


「えっと……ありがとう……ありがとう……」


——————————————


「カッコよすぎる!!!!!!!!」


「お前、実力あったんじゃねえか!!!!!!!!」


「今までどんな気持ちでいたんだよ!!!!!!!!」


「とにかくすげえんだよ!!!!!!!!」


大熊は解説席で立ち上がろうとし、足がもつれて地面に跪いた。


アシスタントが駆け寄って支えようとしたが、彼はその手を振り払い、自力で立ち上がった。


「大熊さん、しっかりしてください!」


「彼を下ろしてやれ、ハハハ……」


バイセックの笑い声が解説席の横から聞こえ、彼はグラスを置き、立ち上がり、口元を拭った。


「完璧だ。」


彼は向きを変え、出口へと歩き出した。


アシスタントが追いかける。


「取締役、あなたがおっしゃったあの芽というのは——」


「契約しろ。」


バイセックは振り返らず、


「何を望んでも、どれだけ問題があっても、契約しろ。」


「しかし彼の経歴は——」


「契約しろと言った。使える手段は全て使え。他のグループを敵に回しても構わない。」


アシスタントは口をつぐんだ。


——————————————


「完璧だ。」


「実に見事だった。」


「お前もそんなことを言うんだな。」


「たまにはな。」

Q:もしシミュレーションシステムがこれほどの重症を再現できるなら、なぜそれほど重傷でないのに消えてしまう選手もいるのですか?

A:システムが参加者の意識喪失または試合続行の自発的放棄を判断した場合、その大多数のようなケースが発生します。

このような、闇雲に戦い続けるケースについては……選手の意識が持ちこたえられる限り、確かにそのまま続行できます……


元々はASCIIアートでその模様を描こうと思ってたんだけど、あまりうまくいかなかったんだよね……

こんな感じで

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文字が歪んでる……(原作はTua Xiongです!)

模様も強制的に左詰めにされちゃった

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