夕方の思い
爽やかな夕方、でも暑い。
だから、近くのコンビニまで自転車でアイスを買いに来た。その途中で部活帰りの中学生達が騒いでいた。
その騒ぎように、あの日の夏祭りの夜のことを思い出した。コンビニに入って、アイスのある所まで歩く途中、あの四人がやっていた手持ち花火が売っていた。わざわざオレ達を置いて行って、人気のない所で花火をしていたのは、打ち上げ花火まで待てなかった……という何とも勝手な理由だった。それにしても、彼女はこの夏でかなり変わった。あの日の部活前、しとーがよく行く空き教室で彼女と話をした。その時の彼女はとてもその思いを大事にしていた。『紫桃くんが好き』それはとても気持ちのこもった告白で、すんなりと受け入れられるものだったのに、彼女はその思いを勝手に断ち切った。彼女がオレに言う言葉より、その思いの方が本当な気がしたから、本気にはなれない。けれど、最近では時々、ドキッとすることが多いのが事実だ。
レジに行って、シャリシャリしたイチゴ味のかき氷を買ってコンビニを出る。まだ爽やかな色のオレンジと空色が混ざった景色があった。
自転車に乗る、あと数日もすれば、また学校だ。この感じはいつまで続くだろう。
白見さんはまた一人であの教室で生きて行くんだろな……と思い、道を曲がる。彼女は人を寄せ付けない。近寄るにはちゃんとしたタイミングがいる。そのタイミングを外すと彼女は嫌うだろう。
しとーにこの夏の出来事を言う気はない。あの夏祭りの日の打ち上げ花火の告白も。ちゃんと聞こえた言葉に嘘がないのは知っている。彼女はちゃんと向き合わなければならない。そしたら、オレはちゃんと応えるつもりだ。今度は真面目に。




