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本当の願い事
毎年、七夕になる頃は妹のせいで近所のおじさんの家の玄関に短冊を飾らせてもらっている。とても気の良いおじさんで何でも書いて良いよ、と言ってくれる。何もない竹よりも飾られている竹の方が良いからと、わざわざ自分の山から良い竹を取って来てはそうしてくれている。
今年もきっとそのおじさんの家の玄関には、その竹がゆらゆらと揺れるだろう。一人くらい願い事が増えても良いよな。
毎年くだらない願いを書いて来たけど、今年はちゃんとしたのをお願いした。
『彼女の願い事が叶いますように』
他の近所の子供達が書いた短冊と混じって、白見さんの黄色い短冊もオレの書いた青い短冊と同じように、この竹のどこかで揺れているだろう。




