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友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
紺野はんとイラスト部員達Ⅲ
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見る人、聞く人

 入った途端、彼女は言った。

「すごいんだね! 皆、上手!」

「まあね、イラスト部だからね」

 彼女はきょろきょろと見ながら言う。

「紺野はんのイラストもこの中にあるんだよね?」

「うん、隣の教室にもあるよ」

「へー、この教室以外にもあるんだ」

 彼女の顔が一瞬でキラキラし出した。

「白見さんってこういう絵、好き?」

「うん、でもちょっと苦手かな……。でも、こういう絵は好き」

 それはオレがコピックで描いた『カラフル』がテーマのイラストだ。

「それちょっと評判悪かったんだよね。派手じゃないからって」

「でも、こういう落ち着いたの、好きだよ。私」

「そうか……、そう言ってもらえて嬉しいよ」

 まあ、買う気ないし。良いか。

「白見さん、誕生日いつ?」

「九月一日だけど、何で?」

「まあ、覚えておこうかなって」

「ふーん、そうなんだ……」

 興味がない彼女で本当に良かった。

「テーマごとに分かれて展示されているんだね」

「そうだね」

 ふーん、と言いながら見て行く。

「あ、もう大丈夫だよ。私、一人で見れるから」

「そうだよね、ごめんね。あっちの教室行ってるよ」

「うん、ありがとう」

 何故かお礼を言われた。彼女が気遣っていたのだと気付いて、オレは歩いていた足を止め、彼女の様子を見ていた。

 ただ黙ってじっくりとその絵を見続けるだけだった。


 *


 彼女が全てのイラストを見終わった頃、今まで描いて来たノルマ達は売られる為にどんどん外されて行く。これからどのくらいの値段が付いて買われて行くだろう。それは誰にも分からない。

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