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刻一刻
五月中旬、中間試験。
この時期は誰も部活をしない。でも、これも今日でおしまい。
また放課後になれば、声が溢れて来る。
いつもの部活の声とは違う、文化祭を準備する声、声、声。
それをずっと聞いて嬉しいのは誰だろう。
私ではない誰かだ。
その声を聞きたくなくて、空き教室を閉じる。
いつもは居るのに、という声もなく、私は帰る。
*
誰に捕まることなく、俺は帰る。残る事が何もないからだ。白見はすぐに帰るし、赤根は姿を現さない。ワクワクするはずがどんどん嫌なものになって行く。それはどんな気持ちだろう。それでも俺は彼女達をまた誘う。




