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友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
紺野はんとイラスト部員達Ⅱ
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四月始業式後の部活

 群がる。

 それはこの部室でも起こった。

「これ、本当に紺野はんが買って来たの?」

「そうですよ」

「えー、本当?」

 何、この人達。

「そんな風に言うんなら、食べないでくださいよ」

「あ、あ、あー」

 そんなお菓子を取り上げたくらいで悲しい声を出さないでもらいたい。

「で、これがその四人で行った時のやつなんだね」

「はい」

 何故か、白見さんが部室の中に普通に入り込んでいた。

「あの、白見さんは何でここに」

「それはね!」

 リーダーは高らかに言った。

「紺野はんでは教えてくれないであろうことを補足する為、帰ろうとしていた白見さんを連れて来たのだよ」

 嫌な人だ。

「で、何かあった?」

 手影絵が訊く。

「えっと……、そんなにはなかったんだけど、紺野はんの服、濡らしちゃって」

「あ」

「何? その反応」

 メガネの目が光った。

「あ、いや、あれはただの事故」

「ふーん、出回った電車のように」

 それ以上は言わせない! とオレは咄嗟に手影絵の口を自分の手でふさいでいた。

「嫌だなぁ、何で電車で行ったなんて言ってないのに分かっちゃったかなぁ……」

「うん、それはね」

 オレの手を退けた手影絵が言った。

「その画像見れば分かる」

 電車写ってるから、誰もが思ったことだろう。

「良いなぁ……」

 リーダーが欲しそうな顔をして、こちらを見ていた。何を欲しているのか分からない。けれど、この画像を今はずっと見ている。

「こんなのもらっても意味ないだろ?」

「いや、あるよ! 大ありだよ! この画像でいろいろ」

「何する気だよ!」

「いや、楽しい思い出、イラストにしてみませんか? と」

 こんなやり取り、前にもあったような。

「あの、私、帰っても、良いかな?」

 唐突に白見が言った。

「あ、ああ、良いよ。帰りたかったのに、この人達がゴメンね」

「ううん、ただちょっと……用事があって」

「そうか、じゃあ、また明日」

「うん、じゃあ、さようなら」

 彼女が部室から出て行くと、リーダー達は深刻そうな感じになった。

「あれはやられているな」

 メガネの発言からさらにその深刻さが分かった。

「新しい教室になったって、変わらないからね……」

 リーダー達はずっと白見さんが出て行ったドアを見ていた。

「よし! こうなったら、私達が友達になろうじゃないか!」

「え!」

 リーダーの発言にオレは戸惑った。

「何を」

「それには、紺野はんも必要だ」

「は?」

「じゃあ、今度のゴールデンウィークだね!」

 手影絵がウキウキし出した。

すずちゃん、行って来て」

「らじゃ!」

 白見さんを追いかけるように、手影絵はロリに言われるまま、部室をダッシュで出て行った。その手にはスマホが握られていた。

「何する気なんだ? 本当に」

「ふふふふ、楽しい事だよ。友達っていると楽しいね! ってやつ。それが彼女には必要だと判断しました。だから、男友達代表として紺野はんには付き合ってもらいます。これはイラスト部部長からの命令です。そして、これが」

 リーダーはさらさらと何かをお絵描きノートに描き始めた。スマホもついでのように見ている。描き終ったのか、急にこちらを向いた。

「ほら、見て! 二人が言ってたやつ」

 そこには一生懸命に炭酸を抜こうとする白見さんが軽めに描かれていた。

「そうそう、こんな感じって! 何で知ってんの? それに私服になった途端、白見さんの」

「何、言ってごらんなさいよ」

 ロリに言われ、言いにくいが、ここは言わなくてはいけない。じゃないと、白見さんが!

「胸揺らせてんの?」

「困った時の医療用語で来ましたか……。まあ、だって、そういう楽しみでしょ、この話って」

 何だよ、この人達。そのお土産選んだの、白見さんなんだぞ。

「で、これが、びしょびしょになってしまった! 紺野はん!」

 メガネは二枚目のイラストを堂々とチラ見せして来た。

「あの、ちょっと見えなかったんですけど」

「いやぁ、これは細部まで見てほしくないな……。私達だけが楽しむやつだから」

「そんなの、描かないでくれませんか!」

 勢いで突っ込んでいた。

「要するに、危ないのを失くせば見せれるから……」

 何言っちゃってんの? この部長……。

「出来た!」

 今度はちゃんと見せて来た。

「あの、これ、前見たのとちょっとっていうか、かなり違いません?」

「そうかな? 同じだけどな……、顔は」

「顔って!」

 この人達と絵を交えて話すのは危険だと悟った。

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