春になっても
四月初旬、始業式。
この学校は三年生のクラス替えがない。だから、自動的に四月になったら、二年生の時のクラスが三年生のクラスになる。組も変わらない。ただし、担任の先生は変わる。
そう思っていたのだけど、担任の先生がまた名取先生だった。過保護な親のせいかと思ったけれど、黙っていた。
先生への迷惑、紫桃くんへの迷惑。いろいろな迷惑がぐるぐる回っていて、何も変わらなそうな空間が嫌だった。それでも中は変わって行く。
何故だか、紫桃くんが隣に居ることが多くなった気がする。
どうして? と、聞けなくて、ただそれを許していた。
許す、許さないの話ではないけれど、私からしたら、それは大きな事だった。
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最近は嫌そうな顔をする女子も減った。白見と赤根と紺野と一緒に行った修学旅行的なものからすごく時間が経っていたけれど、それが噂になることはなく、白見の隣に居ると安心する自分が居た。
盾になるのは難しい。本当の正義ほど受け入れてもらえなくて、間違った正義の方が受け入れられる。場所取りからしたら、離れる方が当然だし、近くに居たら避けるのが鉄則だ。それをしていたら、仲間外れにはならないし、何よりも喜ばれる。
そこから離れた存在が一番必要なのに、そうしないのが自分達の正当防衛だ。
間違った社会の中で生きるのは苦しい。でも、それを口にしないのはそうしないと上手く生きていけないからだ。




